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緑爪の幽霊船

久しぶりの更新です。

 ラムウ宙域の不審船へ乗り込むことを決めた6人。

 船内の装備室ではアルティオが試着台に立つと、一瞬の分子結合で重装備に変わる。


「……アルティオ、なんかサイボーグみたいになってんぞ」


「はい。パワードスーツです。背中はイオン推進器、両肩には照準器とレーザーランチャーとミサイルランチャー。肩に掛けたホルダーと腰のベルトは宇宙空間に放り出された時にカプセルとなります。脚は重力に備えた装備、あとはレーザーブレードと超音波スナップブレードです」


 今から巨大船を破壊しにでも行くようなアルティオの重装備にみんなが驚いているとエポナも試着台に立って装着する。


「私は標準装備と腕は照準器付のレーザーライフル、脚はピンクに光るレーザーブレードと腰には小型の超音波ナイフなのです」


 アルティオと比べるとエポナは軽装備。

 2人に言われて肩のホルダーと腰のベルト、背中に軽いイオン推進器を背負ってブーツを装着する。ソレイユとティアリスは治療キットの使い方を覚えていた。

 装備を整えてそれぞれの緊張が高まる中、操縦室から不審船が見えてくる。


「不審船に接近しても大丈夫なのか? 」


「はい。この船体は光学迷彩と電磁バリアですぐには発見できないようにしています」


 惰性航行でゆっくりと巨大な不審船へと近づいていくと隕石のような巨大船体と緑色に帯びた鋭い爪が見えてくる。その船は恒星の光を浴びながら禍々しく浮かんでいた。


「あいつらなんであんな船に乗ってんだ? 」


「船首の巨大な尖った先端はガンマ線レーザーの砲身で相手の船に衝突して乗り込むこともあるようです」


「僕達は最初にあの船を見た時に隕石と勘違いしたんだけどあの船体は隕石でできてるの? 」


「ウラン等の動力エネルギーを隕石から直接吸い上げています。いざとなれば船体を捨てて惑星に落下させるか自爆して巨大な核爆発を引き起こすこともあります」


 みんなはアルティオが放置できないと言った理由がわかる気がした。船体が不審船の直前まで接舷するとアルティオは首を傾げている。


「アルティオどうしたの? 」


「何かがおかしいです。この船が光学迷彩をしているとはいえ、ここまで近づけば向こうも気づくはずです。動きが無いということは無人船か船体の故障か」


「宇宙の暗闇で動いてない船とか幽霊船みたいだな……」


「ギア! 余計なこと言わないの! 」


 今から不審船に潜入する直前の不安を掻き立てるギアの一言にティアリスと一緒に女子達が睨みつけている。


「いや、まあほら幽霊のがまだ恐くねぇし……」


「ギアが幽霊になってしまえばいいですわ」

 エレミアは眼鏡の奥から冷たい視線を送っている。


「そうね。ギアの幽霊なら恐くないわ」

 ティアリスは呆れた表情で目線を落としていた。


「幽霊になっても私の所には来ちゃダメよ」

 ソレイユの笑顔がギアの心に突き刺さる。


 女子3人の猛攻にギアはライセに救いを求めて目を向けると、ライセは勝ち目のない女子との戦いに目を背けている。ギアは幽霊のように黙って操縦室の隅に佇んでいた。


「転送可能最接近距離まで到達。皆さん転送の準備をしてください」


 アルティオの一言で全員の緊張が一気に高まる。


「転送後はすぐに戦闘態勢に。周囲の状況確認が終わり次第、不審船の操縦室へと移動します」


「了解! 」


 バッジを押して一瞬で転送が終了すると、その場所は隕石が掘られた暗い洞窟。周囲の状況を確認するとアルティオは磁気探知機で内部構造を割り出していた。


「皆さんラーザゼル人を見つけたら確実に仕留めてください。仕留めなければこちらが全滅します」


「はい! 」


「こっちです。行きましょう」


 採掘された暗い岩肌の異様な船内。迷路のように入り組んだ通路をアルティオとエポナの小さな明かりを頼りに進んで行く。


「やはり船内が広すぎます。僕は操縦区域へ、エポナは居住区域を。皆さんも二手に分かれて調べましょう」


 アルティオの提案にソレイユが立っている位置からみんなに指示を出した。


「私とギアとエレミアはアルティオに、ライセとクライスとティアはエポナに着いて行って! 」


「はーい。皆さんこっちなのですよー! 」


 遠足のように手を上げるエポナにライセ達3人は着いて行った。エポナを先頭に日本刀を持ったライセと治療キットのティアリス、クライスはレーザーライフルで後方を確認しながら奥へと進んで行く。


 そして通路の先に気配を感じた時、一瞬でエポナの表情が鋭くなる。


 暗闇で立ち止まったエポナ、通路の曲がり角をアームに装着したレーザーライフルで連射した。行く手に電撃は走ると敵が倒れる音が聞こえてくる。一瞬の出来事にライセは驚き聞いてみる。


「エポナ、なんで敵がいるのがわかったの? 」


「眼に覆ったレンズが索敵と状況確認をしているのです」


 エポナが顔を近づけ眼を大きく開けて見せるとレンズが光り小さな文字や数字が映っていた。

 先を歩いて行くとティアリスが驚いている。


「倒したラーザゼル人がいない……」


「彼らは闇に生きているのです。亡くなれば体は量子状態に分解され闇の中に消えると言われています」


 暗い通路の僅かな音と気配に照準を合わせ、腕から閃く電撃でエポナは敵を確実に仕留めていった。

 3人は息を殺して着いて行くのが精一杯だった。


難しいSFをどうやってわかりやすく書けるか。

いつも悩んで段落を分けたり、長文を無くしてみたり、難しい言葉や専門用語を無くしたり、シリアスな部分を削ったり…

書いてる人間は科学を書きたくてしょうがなかったり…


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