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黄金の未来都市

量子論は知れば知る程ファンタジーです。

 次の日の朝、外の景色を見下ろしてみると、滑らかに透き通る銀色の高層建築は朝日を浴びて黄金に輝いていた。整備された黄金の未来都市には飛行物や移動車両も人混みも無く、外観と環境も整えられている。

 貸切の階層の部屋から出た中央、ゆっくりとくつろげるリビングスペースにみんなで集まって美味しい朝食を終えるとアルティオとエポナが来てくれた。


「おはようございます。皆さんゆっくり休まれました?」


「はい。素敵なお部屋を用意してもらってありがとうございます」


「今日は皆さんと交流を兼ねたお話に伺いました。エポナは文化交流を僕は技術交流の話をしたいと思います」


 アルティオの誘いを聞いたクライスが颯爽と立ち上がって応対した。


「僕もあなた方の高度な技術と洗練された文明に探求心をくすぐられていたところです。是非、お互いの交流を深めましょう」


「では私から文化交流のお話なのです」


 透き通った髪をキラキラ輝かせるエポナは話し出す時は顔を前に出しお尻を突き出している。厚めの化学繊維のような短いスカートのお尻がピョンと上がるのは見ていても可愛らしい。

 話をしようとみんなの真ん中に立ったエポナはお尻を突き出し顔を見上げたまま固まっている。「なんでみんな話さないの?」といった感じの少し気まずい沈黙が流れるとソレイユが話してみた。


「…………」


「あっあの。エポナは私達と見た目は変わらないけど何歳になるの?」


 やっと話し掛けてくれたソレイユにエポナは満面の笑みで答えている。


「24歳なのです」


「えっ? 私は16歳よ」


 エポナのまだ幼さが残る見た目と実際の年齢の違いにみんなが驚いた。1年の単位が違うのかと思い聞いてみるとバイザーで得た翻訳は地球時間を計算している。見た目が幼い年齢の高さに驚いているとソレイユにエポナが聞いてくる。


「ちなみにアルティオは25歳なのです。きっと成長速度の違いかもしれないのです。ソレイユ、地球人の平均寿命はどれくらいなのです?」


「えーっと……今は80歳越えたくらいかな」


「私達ハイドラント人の平均寿命は140歳。きっと私達が長く生きる分、活動が緩やかなのです。あなた達は早く成長する分、きっと脳や神経の活動が活発なのです」


 聞いていたエレミアも眼鏡に指を当て、自らの理論を話し始めた。


「見た目が変わらない地球人とハイドラント人が同じように設計されていますとしたら、人の一生の細胞分裂の回数は同じです。実際の年齢と精神年齢を比較するのは難しいのかもしれませんわ」


 代わってライセが質問をする。


「ハイドラント人は僕達を助けてくれて友好的だけど、僕達を襲ったラーザゼル人はどのような種族なんですか? 」


「ラーザゼル人は闇の種族と言われているのです。彼らがどのように生きてどこに現れるのかはわからないのです。わかっているのは私達と変わらない人類だということなのです」


「同じ人類なのになんで僕達を襲ったんだろう……」


「彼らは新しい技術や物質的な発展を自らの文明に取り込むことに容赦をしないのです。ラーザゼル人は宇宙の闇から突如として現れるのです。宇宙を航海する際にはお気をつけくださいなのです」


「エポナ、教えてくれてありがとう」


 ライセがお礼を言うとエポナは満足気にニッコリ笑っている。そしてクライスが質問をする。


「僕達は偶然この宙域に来てしまった。もしハイドラントの技術で地球に帰る方法があったら教えて欲しい」


「地球は1万5千光年先なのです。私達の技術ではまだそこまで先は到達できないのです」


「そうなのか……」


 クライスもみんなも失望の表情を見せると考え事をしていたアルティオが何かを思い着いた。


「もしかしたら惑星ラムウに行けばその方法がわかるかもしれません」


「惑星ラムウ? 」


「はい。惑星ラムウにはかつて宇宙の知識があると言われていました。私達はその星とは交流が無いため降りることはできませんが、あなた達なら……」


「是非行ってみたいね! 」


「よければ明日、私達の船で惑星ラムウまでお送りしましょう」


「ありがとう! 」


 みんなが安心した表情を見せるとアルティオはニッコリ笑って付け加えた。


「そういえばまだバッジの使い方を教えてないですね」


「この金のバッジのこと? 」


「このバッジは転送装置にもなっています」


「この小さなバッジが? 」


「エポナ、試しに転送してみせてあげてください」


「はいなのです」


 エポナが胸のバッジをぽんと叩くとバッジは強い光を放ち彼女の体は粒子状に膨張して解けていなくなった。みんなはそれを見て驚いていると……。


「こっちなのです! 」


 エポナはみんなの後ろ、部屋の隅に転送し手を振っている。また胸のバッジを叩くと元の場所に戻っていた。


「このバッジは記憶された場所、物理的に繋がっている場所であるなら転送を可能とします。転送可能距離は約100km以内です」


 バッジに1番興味を持ったギアは立ち上がってすぐにアルティオに聞いてみる。


「転送する時はバッジ押せばいいだけか? 」


「はい。頭の中でイメージしてバッジを押すだけです」


「おぉ! ちょっとやってみるか! 」


 その後はみんなで転送バッジで遊んで、エポナに教えてもらった館内の図書室や展示室、プラネタリウムやトレーニングジムでそれぞれの時間を楽しむことにした。


この途中からのお話を2話分カットしました。

内容は闇の量子力学と銀河の創成、宇宙のダークマターやダークエネルギー、銀河の中心や人類の創成のお話ですが、苦手な方もいるかと思い、間延びするのを防ぐために削除しています。裏設定もしくはタイミングを見て出したいと思います。

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