私が辿り着いた小説の書き方~処女作の初期プロット公開しちゃいますスペシャル~
一、はじめに
小説を書くということ。“小説家になろう”を読んでいる人はジャンルを問わず、何だか無性に書いてみたいと思った事、あるんですよね?
私はキャラクターを作るのが好きで、名前や性格、容姿などを想像しては、ノートに落書きしていました。
しかし物語を最初から最後まで作って執筆することは、いままでありませんでした。だからずっと読み専でしたが、ついに作品、書きました。
だからこのシーン、書いてみたら意外と面白いかもと自分の中で思ったら、とりあえず書いてみてもいいんじゃないかと思います、私のように(笑)
こんなエッセイ(自分の中ではそう思ってる)を書こうと思ったのも、『エッセイって何だ?』 と思ったこともあり、『小説の書き方』ってどうやればいいの? と調べていたこともあって、実際私が書き始めて思った事を文章として残してみることにしました。
私の場合こんな風に書きましたっていうだけなんで、参考になれば良いんですが、苦情はご勘弁くださいませ。だからテクニックとか期待して読んでくれてる人には謝ります。ゴメンナサイ。
このエッセイを書くにあたり、私の処女作『異世界で会いましょう~指令! 弟を異世界から奪還せよ』を例に挙げますので、まだ読んでいない方はそちらも読んで頂けると幸いです。この際書いてた時のネタや裏設定、苦労話を僭越ながら披露しようと思います。サブタイトルとしては『歌井雅天の裏話もてんこ盛り』とでもしておきましょうか。
(**参照)と書かれているのは異世界で会いましょうのサブタイトルにつけた番号です。それではまいりましょう。
二、準備知識
まず小説を書くってどうしたらいいのか、今はネットで何でも出てくる便利な時代です。フェイクかどうかは自己判断ですが、『小説』、『書き方』と検索すればたくさんの情報がでてきます。もちろん小説家になろうの中でも書き方について書かれた作品がたくさんあって、私もブックマークさせてもらってますが、その中で私が必要だと思った情報は“基本ルールの徹底”でした。
最初に一文字空白を入れたり、台詞はカギ括弧で挟んで最後は句点を省くとかそんなやつです。もちろん最初からうまく出来る訳ありません。だからその都度調べて、訂正しての繰り返しです。
“異世界で会いましょう”(以下イセアイ)でもミス投稿してました。
だから基本ルールは守りましょう。もし万が一にも書籍化の話が舞い込んできたら、その後訂正するのは大変ですからね。
書籍化と言えば、私が小耳に挟んだ情報では、最低十万文字書く必要があるそうです。もちろん高評価もたくさんもらう必要がありますけどね。
さて次に小説はよく読みますか? 私はミステリー小説が好きで近年は東○圭吾の作品を買って読んでます。私が中学生時代、ロー○ス島戦記のゲームか文庫どっちが先だったか忘れましたがそれが小説との最初の出会いです。その頃は電○文庫の作品とか読んでいたと思います。
話は飛んで社会人になって再び小説を読み始めたきっかけは村○春樹の1Q○4でした。読み終わるまで三年以上かかったと思います。ハッキリ言って読むのは苦手です。
でも小説は大変参考になります。三人称にするか、一人称にするか。情景描写や出だしの文句など、盗めるところは全部盗みたいところです。
書きたい小説をどんなイメージで書きたいか決まっているなら、人の小説を観察しちゃいます。物語という視点では無く、台詞の言い回しや句読点、段落の位置、人の心理描写なんかを見よう見まねで自分のキャラクターに置き換えて書いただけでも、やったと思える作品が出来ると思います。だからジャンルの同じ小説を少し読んで頭をその著者の気分にしてから書き始めるようにしています。
三、ツール
昔で言えば万年筆とか原稿用紙とかでしょうか。私はノートPCで一○郎を使っています。一○郎にしたのは漢字変換が魅力的だと思ったからです。元々ジャ○トシス○ムのソフトは色々使ってたのもありますが、一○郎2019を買って、使い始めた頃には一○郎2021のバージョンアップ案内が届きました。私の人生こんなもんです。
あとマ○クロ○フトのO○eNote。あらすじや思いつきはメモ帳がわりにO○eNoteに入れます。理由は自動バックアップ機能と他機種連携機能があるから、それに毎年利用料引き落とされてるから使わなきゃ損でしょ。
次に電子辞書。私はあえて別でCA○IOの上位モデルを買いました。難しい漢字は一つ一つ意味を調べて間違いが無いか調べながら執筆しています。
あとはi○adとアッ○ルペンシル。これは上下左右に延々と書き足せるメモアプリ入れました。マインドマップなんか書くとき便利かなと思ってたんですが、調べ物したときに書き込めるデジタルツールは便利です。希にフリーズしてデータが壊れるときもありますけどね。
O○eNoteと連携できるので別売りモニター代わりにもなりますし、ブラウザで調べたり、dマ○ジンからスクリーンショットで画像保存して書く手間を省けるのも利点だと思います。
あとはイラストですね。画面に直接絵が描けるのでタブレットで描くより自然だし、色を塗れるし、描き直しても消しゴムのカスがでない(笑)。
他にツールとは言えないかもしれませんが、ミニコンポでたまに曲を鳴らしながら書いてます。ドラ○エとか○F、ロー○ス島戦記などゲームミュージックCDを持っているのでサウンドを聴きながら執筆すると、面白いものが書けそうな気分になります。
四、プロット
プロットを書くとき、私も前例にならって序破急のイメージを思い浮かべながら書こうと思いましたが、全然出来ませんでした。
そこで辿り着いた方法が『ゲームシナリオの書き方』です。
もちろんゲームを作る訳ではありませんので絵や音楽、効果音、動画は必要ありませんが、漫画を読むとき主人公に自分のイメージする声を当ててませんか? 戦闘シーンを読んで頭の中に効果音が聞こえてきませんか? 文字だけで勝負する小説とは全然違うように思えますが、クライアントから依頼を受けてプロットを書く人は数行にまとめたあらすじから何本か提案して始まるそうです。
私はまず夢を見ます。絵コンテのようなイメージですが時間で言えば数秒、長いときは数分間。声は聞こえませんが、何かやってます。動く漫画を見ている感じでしょうか。
面白いと思ったら何故か夜中なのに目が覚めて、急いでパソコンを開きそのシーンを忘れないうちに箇条書きにします。その時は思いついたまま、なるべく簡単にただ闇雲に書き続けます。
この時思ったのは、あくまで夢なので支離滅裂ですが、ストーリーは後回しでキャラクターが何か動いているシーンが残せればそれで良いんです。文章に意識を向けると、そこから派生して全然別のシーンになっていくので、あくまでオリジナルを残す作業に没頭する事が大事だよと私は言いたい。
デジタルの良いところは、書いたり消したり、移動したり置き換えたりが凄く簡単に出来る事です。また、メモ書きを消さなくてもデータとして無限に残せることも利点だと思います。
そうしてできたあらすじを振り返って読むと、その当時の熱量は感じず、何を言いたいのかは分かりません。その時、閃いたタイトルと、あらすじ、登場人物を何度か読み返して、「ふーん」と思うだけです。この期間は一年とか、十年とかそんな単位で放置されます。
昔書いたメモ書きを見つけたら、O○eNoteに書き出すことにしました。新しいセクションを作り、ページには数行の文章。その当時とは違う形になりますが、いつかきっと作品として発表できる日が来ることでしょう。来て欲しいです。
私に共感できる人は、是非試してみてください。アイデアは常に自分の頭の中に生まれていますよ。
プロットってガチガチに書いて始める人と主人公が勝手に動き出す人がいるってよく聞きます。私はイセアイで初めて勝手に動いた感覚になりました。
それは無理せず自然に話が次々出てきたからで、エンディングがハッキリ決まっていたからかもしれません。
前述したように、私の夢は作品一本まるまる見ることはありません。それを起点に話を考えるようにしています。
イセアイの起点は、異世界で冒険する少年でした。一言で現すと、ごく当たり前な物語です。それは小説家になろうに投稿しようと思っていた事も関係します。物書きなんておこがましいですが、自称小説家みたいなのりで挑んだ気概もあります。
まず名前も決まっていない主人公の頭に声が聞こえます。「勇者」「助けて」そんな単純なワードでした。
ここから物語の結末はハッピーエンドで考えました。だから最初は弟のナナハルが主人公の一般的な異世界ものにしようと思っていました。
でも待ってください。そんな話、皆やってます。だからひねくれ者の私は考えました。設定をもっとマイナーな方向にしなくてはいけない。もっと悲劇的な要素が詰まった物語です。そうして生まれたのが半分現実、半分異世界の物語です。
二〇二二年に賢人が二〇歳なので、設計上二〇一五年にしましたが、実際は私が小学生時代、ケータイもポケベルも無く、ファ○コン世代には懐かしいROMを使った紫のカートリッジ。裏技の本を買って、友達の家に集まって、皆で遊んでいた頃にナナハルは突然失踪します。実家が農家だったので小学生の頃は、畑仕事を手伝っていた経験も少し入っていると思います。ちなみにメロン農家ではありません。田んぼで転んで泥だらけになったり、長靴が抜けたり、米の収穫の時、鎌で足を切りそうになったりして、まあとにかく遊んでました。
現代においての異世界へ行く方法を考えたとき、一番しっくりきたのはオンラインゲームでした。ネットが進歩して世界中の人とオープンワールドを駆け回る世界観は、やったことがないですが異世界と混合しても違和感がないと思いました。
兄弟という設定も、現実と異世界は別空間ですから、別人の方が都合が良いんだけど、あからさまに他人だとただの出会いになってしまうので、悲しいエピソードを加え兄は現実世界、弟は異世界を歩くことにしました。
異世界での冒険は、ゲームという形で再現するとして何で異世界とごっちゃになっているのか考えました。と同時に異世界で冒険する為、仮のワールドマップに街や城を置いてみることにしました。
ここはロー○ス島戦記にならって、右上がはじまりにして、左下に魔王城を設置。国や街の設計は全部後回しです。但し世界観は中世ヨーロッパを想定していました。
ここで最初に考えていた私のプロットを公開します。
◎きっかけ
弟の夢を見る(助けを求めている)
実家に帰った際、弟の日記を見つける
◎目的
失踪した弟を見つける
◎方法
日記から情報を読み解き、失踪当時の弟の行動を推理
◎原因
異世界から転生してきた人物(黒幕)によって、現代の人が架空のオンラインゲーム上(異世界)に転生又は転移させられている。
◎仲間
サークル仲間(四十一人)
内訳
第一グループ五人(現在二年生)
橘 賢人(たちばなけんと:代表)
近藤 良介(こんどうりょうすけ:副代表)
伊集院 楓(いじゅういんかえで)
水萌 沙織(みなもさおり)
森田 真之助(もりしんのすけ)
第二グループ二人(二年生)
猪瀬 真弓子(いのせまゆみこ)
水原 純(みずはらじゅん)
第三グループ四人(二年生)
第四グループ三人(二年生)
第五グループ一人(一年生)
第六グループ二十六人(一年生)
彼女(電話でのみ出演)
幼なじみ(女子)
異世界転生者(天才)
異世界転生者の子供
異世界で仲良くなったプレーヤーたち
◎敵
パターンA:怪しげな用務員のおじさん
パターンB:魔法研究所の所長、黒魔術を使ったオカルト団体の教祖、オンラインゲーム会社の社長、三面性を持つ。
異世界の記憶を持ったまま、地球で生まれ育つ。
異世界をオンラインゲームと偽り、バーチャル体験をさせながら向こうの世界へ転送している転生者(女)
*前世では異世界転生を行う魔法の研究者(男)
◎攻略条件
異世界の魔王を倒す
主人公が弟たちと共にゲームクリア(魔王討伐)に挑戦する
黒幕を異世界へ強制送還する
◎問題点
失踪時から弟の時間が停まっている
異世界で出会った仲間たちに情が移っている
異世界の住人が現代の日本に交わる事のリスク
異世界ゲートからのモンスター侵略
◎エンディング
弟、異世界に残る決断をする
兄、弟の考えを尊重し両親に現状を報告して理解を求める
以上。
これを元に現実編、異世界編、現実プラス異世界編、マルチエンディング編と六話ずつ大まかに区切っていきました。
きっかけで既に替えました。“弟の夢”と断言しています。弟が暗闇で手を伸ばして助けを求めている。兄がその手を捕まえようとするが届かず弟がドンドン遠ざかっていくという夢です。場所も教室でサークルの打ち合わせをしている時に居眠りして叫んだ拍子に机を蹴飛ばしてしまい、皆から非難されるシーンから始まります。
サークル仲間が四十一人とあります。名前がある人物はそれぞれ特徴まで考えました。現実編では農業大学に通う賢人が、一年生でサークルを立ち上げ、二年生に上がったところから物語が始まってました。まるっきり学園ものです。
賢人には当初彼女がいました。幼馴染みとは別です。またストリーミングで怪しい集団の儀式を目撃して、その時聞こえた呪文のような言葉と弟の日記に書かれた文章の共通点から異世界を探し始めるように設定しています。
オカルト団体の教祖が黒幕です。異世界へ送り込んでいるのは一高氏相当の女性。ゲートが開いたときはモンスターが現実世界にやって来ようとします。都心は大パニックになる想定でした。
大筋は作品として残せたと思いますが、前提条件と登場人物はまったく異なっていました。それは書いていくうちに異世界に入るまでが長いことに気づいたからです。だからサークル活動は割愛しました。それでも農業大学で、祖母が定食屋をはじめるので賢人がアドバイスをしたり、サークル活動が投資家の目に留まって起業したり、あらぬ方向へ話は進んでしまいました。
だから、今のイセアイはパート二として改めました。途中まで農業大学、ドローン農業、起業の路線は変わりませんでした。ロボット工業大学に走ったのは本当に直前の事です。また大きく違うのは転送屋という職業です。この時点では異世界側にも転移してくる人達の出入り口があり、それが暴走。勇者が出てきて食い止めるという物語でした。だから転送屋から手紙が来て、再度異世界との行き来が出来るようになったときに、異世界に行くかどうかの選択があり、主人公は異世界へ転移する事を選ぶという結末です。
結局プロットに対しての文章が出てこなくて、しばらく放置期間に入りました。
五、アイデア
アイデアを練るのは、やはり映像からが多いと思います。ドラマや映画は重要なエネルギー源です。書いてみて思うのは、たぶん何処かで見た映像の一部が重なってるんでしょう。著作権の問題が気になります。
さてゲームシナリオの書き方に習って、物語の分岐点をRPGリプレイのように進んでいく事にしました。自分にとって都合の良いルート選択によって、一つの物語が細分化され多様性をもったストーリーに生まれ変わったんです。
これをなんと表現すればいいのでしょう。作り手からプレイする側に回ったといいますか、あらゆる選択肢を頭の中でリプレイして、最善と思われる一手を選んだ、のかな。
イセアイでは、上空に大渦が渦巻くシーン(38参照)が頭の中に浮かんだので、ダーっと書いて下書きとしました。そしたら一高の異世界時代の話もでてきました。一高目線でおまけとして投稿した部分(記録参照)です。エンディング直前にナナハルが異世界に残る決心をしたシーン(48参照)もかなり早い段階で決まりました。
この下書きの段階では、名前は全員決まっていませんでした。名前を考えるときはネットから姓名判断で画数の良いものを選んだり、名前作成からピンときた物をもじったりして後付けしました。
その他以下の設定は全てネットで検索して流用しています。
◎大学生活、サークル、単位、時間割
◎メロンの栽培方法
◎ARグラス、メガネ名称
◎ロボット工学
◎四大精霊、四大天使
◎悪魔幹部
◎魔獣、魔人、妖精
◎中世ヨーロッパの食生活、暮らしぶり、職業
◎船の形
◎武器、防具、魔法、ゲーム職業
魔法とか武器、必殺技のオリジナルが思い浮かばなかったという事です。武器は手袋、短剣、大剣、杖、銃。防具は頭、鎧、鎧下を装備できるようにテレビゲームの攻略本を読みながら選びました。
異世界の設定は、架空の大陸を作ったら街や国を配置して何となく街道を作りました。中世では意味の無いところに道や街は出来ないと聞いたので、国と国、島と島の間には要塞や街を作りました。残りは砂漠と森を作って完成です。R○Gツクールで作れる想定で、レベルの高いエリアを山や浅瀬で区切って、いきなり魔王城に行ったりできないようにしました。
そうすることで街や国に行く順番が決まり、困りごとや対立抗争、亜人との距離感が見えてきてクエストのイメージが固まってきました。
設定上おかしい所もたくさん出てきました。ここが細分化した成果の見せ所です。
例えば勇者の設定。ナナハルは最初から勇者でしたが、賢人は勇者になれませんでした。ガルシアや佐藤楓も実は勇者のくくりに入れました。じゃないと魔王城で、悪魔に乗っ取られないし、天使の加護を得られないからです。そう、後出しじゃんけんです。
先代魔王が地上から念話してきた時、ため息交じりの変な言い回しにした(45参照)のは賢人に天使の加護がつかないことを曖昧にするためです。そうしないと佐藤楓の出番が無くなるから。そもそも天使を出さなきゃいけないと思ったのはガルシアがサタンを召喚したから(36参照)なんです。
途中まで、ナナハルが勇者で、佐藤楓は魔王の設定だったんです。ガルシアはゲーマー仲間の間でシトルと名乗っていたのも、転移した人が人知を超えた特殊スキルが得られる設定にしたので、全ての魔法を“知っとる”人物としてナナハルのサポート役を頼みました。
なのに悪魔に乗っ取られて魔王になるなんて前代未聞だと思います。じゃあナナハルとガルシアに宿った悪魔は誰かって? ルシファーとかベリアルじゃないですかね。え? あれサタンの別称ですか。じゃあベルゼビュートでいいです。ハエですよね確か。
オアシスの街で首長が魚人族の王だった事も、後付です。魔人の村の首長は名前がないのに、なんでオアシスの首長はヘンジットと名乗ったのか不思議でした。オアシスはたまたま砂漠にある街として作ったところ、その後海底都市ミューズにスムーズに入っていけた事から、親族にしようと思いました。なら娘が王女で孫は森ノ上様に同行した魚人でくっつけてしまえば説明が楽でしょ。プカルが母親の我が儘に申し訳なさそうに謝罪したシーン(35参照)。王女のことをつい母と言いかけたのは、そこら辺の親子の仲も表現したかったからなんです。
アイデアと言えば君枝さんは人格まで変わってしまう活躍ぶりになりました。大学生のバイトで思いついたのが家庭教師っていうだけで、一家全員登場するとは考えていませんでした。
賢人はナナハルが失踪してから懸命に勉強して大学に現役合格しています。そのくだりを家庭教師のバイトで表現するはずが、サークルとは違うコミュニティができたのはうれしい誤算でした。「グヘヘ」という笑い方は女性が表現するにはちょっと過激かもしれませんが、私の作品に登場した女性はたがが外れた時のメッセージとして使っていこうと思います。強い女性と反比例して、立場の弱い旦那役のオリジンさんを出したことで最後薫子と賢人の今後の間柄を匂わす布石になったのではないでしょうか。
光音を当初十五歳で飛び級にしたところ、調べたら十八歳以降じゃないと駄目みたいなので急遽年齢を変えたことで、光と同級生になりネコメとも同世代でそろえられて結果オーライだと思います。ちなみに薫子も二歳年下なのでネコメと同じ高校生になっちゃいますね。それじゃ、高校中退って事にしときましょう。
年齢の話だと裏設定で、賢人が二十歳の時、恋歌さん二十五歳、一高氏は五十歳、瑠李さんは四十七歳となります。
エンディングの話は続編を書けるように世界観を替えました。今度はナナハルを主人公にして最初から異世界の話を書いてみたいですね。先代魔王も何か持ってる気がします。
もう一つのエンディング、バットエンドは本当に怖い話になってしまいました。くれぐれもパラレルワールドという形にさせて頂きます。きっかけはイセアイの執筆が後半にさしかかったある日、入浴中に思い浮かんだことがありました。プロローグで流れた情景。ランドセルを背負った少年。一生懸命逃げる姿。なぜシルエットなのか。賢人は薄々気がついていたようですが、「賢にい、助けて」と言いつつなぜ賢人から逃げているのか。何かしたんじゃないか。犯人はおまえだ。だから失踪した前提が間違っていたと仮定して生まれた話です。
レイ○ングループというADVゲームがあります。とてもやり応えがあってアプリで始めて小説も少し読みました。PS○ita版もやりました。あの殺戮劇を連想してしまったんです。キャー怖い。もう次へ参りましょう。
六、使い方
最初はすごく悩みました。一○郎にしたはいいけど、横幅とか縦書きとかタブの使い分け方とかプロットからどうやって文章化していくのかなど。
ネットで検索しても、プロの執筆作業を動画で見てもあまり確信が持てませんでしたが、イセアイをO○eNoteでプロットを作っていたときに、話が沸いてきてダーッと二千文字くらい下書きみたいな文章ができて、それを一○郎にまんまコピーしたんです。
そしたらそのまま付け足していく感じで繋がりました。
まずタイトル名で保存します。
スタイルセットは気分で選びましたが、『茜-縦組向き(メイリオ)』
左側に見出し(ランク)
右側に文字数、段落スタイル、文書編集
表示倍率は200%
章を『大見出し』
サブタイトルを『中見出し』
本文を『付けない(解除)』
それ以外は初期設定で、横書きのままにしました。書いた文章を投稿するときは本文をコピーアンドペーストで、ルビは自動で変換されました。ただ傍点は自分で入れる必要があるようです。括弧を使うときもルビ扱いになるときがあり注意が必要です。パイプラインを括弧の直前につけるよう書いてあります。
タブはプロットと本文に分けるとあとで判りやすいと思います。プロットは全て中見出しで書き込んで本文にコピーした後、文章を追加していきました。見出しごとに一覧表示され、クリックするだけで移動できるので読み返したいとき便利です。
七、構成
文章の組み立ては前述の通りプロットごと、場面転換の時を一区切りとして考えてました。だからサブタイトルでどの場面か分かると思います。本当は二千五百文字を一話としたほうがいいと聞きましたが段落の区切り方が分からなくて、私は場面転換ごとにしました。
まず時間と場所。小説というより脚本のような書き方で最初は書きます。その後台詞を並べてその発言者と声色、表情、態度を追加していきます。
最初は全部書いた方がやりやすいと思います。必要ない会話や説明分はあとでバッサリカットします。状況は台詞前にするか、後にするかや、言い回しなどは何話か書いた後、見直します。そこで基本ルールも出来ているか修正をその都度していきます。
イセアイでは最初に書いていたサークル活動は全てカットして一文にまとめました。そのことで序の部分が半分削れて、話を最後まで書ききることが出来たのかもしれません。
情景描写と呼べる箇所は少ないと思います。これはイメージが曖昧なのと、後でなんとでも出来ると思ったからです。とにかく書き切らないといけないと思って書いていました。
話の流れから次に作る話を連結していきます。構成上何度も行き来する場所は簡略化しました。サブタイトルで話の主題を体現しているので、同じ場所や人とのやりとりは、カットや簡略化してみました。ゲームならではのマップ移動をしてみたり、オアシスの街に報告へ戻ったときにヘンジットの台詞だけで、他の人の会話をカットしたりです。
もし書きたい内容がエンディング部分なら、エンディングだけ先に書いてしまいます。そこで問題なのは断片しか思いつかないときです。私はそういう物語もいつか日の目を見るまで置いておきます。何度か読み返しているとだんだんとストーリーが思い浮かぶときがあるからです。また時代が変わると、考えた物語が夢物語でも現実化している場合もあります。そこから発展した新しい物語も生まれるかもしれません。
例えばスマートフォン。私の学生時代はケータイ電話すら存在しませんでした。だから声で反応するロボットなんか夢物語でした。
『ある日、電気店で変わったミニコンポを見つけた。それは本体の頭からチョウチンアンコウのようにマイクが突き出しているのだ。ボタンは見当たらない。店主は声に反応する画期的なミニコンポとだと説明した』
これは昔考えた物語です。今のスマホとか声に反応する家電は当たり前だし、音楽を聴く為の家電ミニコンポすら知らない人が多いと思います。
取扱説明書には『話しかける』としか書いておらず主人公はいろんな事を吹き込んで、操作していくんですがミニコンポは声を学習していきます。部屋に来た友達や恋人の声なんかも拾っていくんです。主人公が留守中に悪口言ったりしても記憶する。
この時代はインターネットなんかありません。本体の電子チップICに記憶されるんですが容量がありまして、最後は容量オーバーで暴走して、今まで記憶した声がスピーカーから流れ出してしまう。友達や恋人の裏の顔を知った主人公は傷つきながらもたくましく成長していくってストーリーなんですが、もうスマホにイヤホン付ければどこでも音楽が聴ける時代だし、声で「ノリノリの曲掛けて」とか言えばAIが勝手に選曲してくれるので、意味が通じないでしょうね。
でも普段そうやって会話していることすらじっと聞き耳を立てている家電が家の中にあったら、スマホが勝手に自分の声を録音していたら結構ホラーだと思いませんか? 時間が経てば物語も変容して新しいアイデア、構成が成立してくると思います。
八、修正
構成が終わったら、最終的に投稿前の原稿として誤字や基本ルールのチェック、修正に入ります。既に構成の段階でもやっていましたが、これで最後、もうこれ以上は活字としてお披露目しちゃうよ、後がないよという気概で目を懲らします。
不思議なんですが、一週間以上かけましたし、毎日修正したのに、投稿後に修正した箇所がたくさんあります。なんでしょう。なんででしょう。なんでなんでしょう。
言い回しはよく変更します。その時タイプミスしたりしてるのかも。もっとカッチリしたキーボードにした方が良いのかもしれない (当てつけ)。私はノートパソコンですがタブレット型なのでロ○クールの無線タイプのキーボードを使っています。だから打ちづらい訳ではありません。そうするとやはり自分のミスを認めるしかなくなってしまう(自滅)。
一つ“置き換え”という機能を説明します。え? もう知ってる? そうでしたか。でも言わせてください。コレ便利です。
まず『。」』というカギ括弧終わりに句点をつけてしまう人。置き換え機能を使いましょう。一発で解消します。まず登場人物の名前など固有名詞はコレで一発変換していきましょう。
修正したらあとがきに残すのは必要ですかね。もしご意見あれば聞きたいです。
九、投稿
いよいよ自分の作品を発表する日がやって来ました。今日は大安ですか? 日曜日? 昼? 夜? 最初に投稿する日は結構大事だと思います。
連載するなら時間を決めておきたいところです。毎日なのか、毎週なのかも緊張しますね。素人なのになぜこんなに悩むのか。そこを考えるのも、小説家になろうや他の投稿サイトに投稿する醍醐味じゃないでしょうか。
新規小説作成での初投稿のタイトルはタイトル名を使いますが、連載で次話投稿するときのタイトルはサブタイトルをそのまま使えますので、連載用の小説はサブタイトル、つまり中見出しを入れていました。番号を振っておかないと次話投稿するとき順番を間違えるので、第何話とか振っておくのがいいですね。
またペーストした文章の間に一行空白を入れました。段落が変わるときは三行空白を入れます。決まりではありませんが、その方が読みやすそうだし、誰かが言ってました。
設定は後から何度でも修正できますが、私は失敗したと思いました。それは最初の投稿が一番多くの人が目にとめる機会になっていたからです。とくにあらすじは自分目線で書いてしまい全然説明不足でした。今度こそとは思いますが、多分このエッセイも分かりづらいあらすじになっていると思われます。
キーワードについては思いつくものより既存のものをたくさん入れました。その方がヒットするかなと勝手に思っています。
こうして作品が完成した訳ですが、連載を抱えている人は是非完結まで頑張ってください。私のように完結してから書いた方が気持ちは楽だと思いますが、何百話も続けて書いている人はその想像力に脱帽です。
十、まとめ
私が辿り着いた小説の書き方いかがでしたでしょう。参考とまではいかないでしょうが、こうしてまた一本作品が作れて満足しています。
ゲームシナリオの書き方は小説を書くときに参考になったというだけで、ほとんどイセアイの裏設定を語る場になってしまいましたね。失礼しました。
では、それぞれの思いが作品となってもっと活字の世界が広がることを期待して今日のエッセイはこの辺で終わります。読んでくださりありがとうございました。