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世界開放戦線 〜レイヴンハンターズ〜  作者: とある世界線の艦載機乗り
8/11

束の間の休息

だいぶ開きましたね。すみません。

こういうことがないように頑張ります!

7

「「ただいまー!」」


「おっかえりぃ!」

「お帰りなさい」


俺らが部屋に戻った時、2人は風呂から上がってきてからすぐだったらしい。

...なんでわかったかって?

口のあたりに牛乳の跡がついてたからだよ!


それとなく2人に教えようと思ったが...

後ろで摩耶が堪えきれなかった笑いをこぼしてしまったためその必要は無くなった。

2人同時に「あっ」って顔をして(不知火に至っては声も出ている)拭き取っているのを見ると俺まで吹き出しそうになる。


「明日はどこに行こうか?」


「...え?何言ってんの?明日からは戦闘に復帰するわよ?」


「んなっ...」


言われてみればそれもそうか...

たしかに2日連続で休みが取れるほどハンターに余裕があるとは思えない。

現に東京侵攻でかなりの人数が動けないはず。

そんな中で休めるのはそれこそ特別扱いそのものに他ならないわけだ。


「...まあ、当然よね...」


その場に沈黙の空気が流れる。

戦闘に戻りたくないのではなく、失った者達を想って暗くなる。

今更だが、ここの男性率が低い理由はお分かりだろうか?


大半の方々はわからないはずなので説明するが、既に男性のハンターは失いきってしまっているのだ。

レイヴン達と戦い続けて数年。

当然初期に前線まで女性を出すわけにもいかず、男性が前に出る。

当然消耗するわけだ。

相手はアメリカとかいう大国を倒したやつだ。

...生き残れるわけがない。

昔の戦争、WW2でアメリカのB-17爆撃機に搭乗してドイツに爆撃しに行った兵士は、

「4回の出撃を生きて帰れるやつはいなかった」

と言われた。

どこの戦場もそれ以上の消耗率だったんだとか...

おっと、暗い話はここまでにしよう。


「じゃあ、精一杯羽を伸ばさないとなー...」


座椅子に背中を預けて寝ようとした時...背もたれが動いた。気のせいじゃないって!本当だって!


「んぅ...」


目を開けて顔を起こそうとした時、不意に頭の裏で柔らかいものが潰れる感触がした。

いいな...最近の椅子はこんなになって、もう心地良いって言えばありゃしない。


...細かい事を気にし過ぎて疲れたな。

もう寝よう。


「おやすみぃ〜...」

______________________________________

「...⁉︎」


私に寄っかかったまま寝てしまった伊吹くんは、胸に当たっても起きない。


「ちょっとー、動いちゃったら起きちゃうよー」


すっごい棒読みな小鳥ちゃん。


「起きちゃうぞー?いいのかなー?」


面白そうとばかりにニヤけて唆してくる雪乃さん。


「羨ましい...」


恐らく本音であろう言葉を呟く亜希ちゃん。


「でも確かに動けない...」


私の胸の上でスースーと寝息をあげている伊吹君はそんな事を気にする様子もなく、寝返りを打とうとする。


「ひゃあんっ!」


「「「...イヤラシー」」」


そんな事が一晩中続いたけど、不思議と眠りにつくまでは早かった。

安心できたからかな?

何にしても...普段よりずっといい夢が見れたかな。

______________________________________

「ありがとうございました〜」


リフレッシュできた。

朝に摩耶の胸の上にいた時はまあ...ビックリしたけど、摩耶の「大丈夫!大丈夫だから!」と顔を赤くしながら言うというかわいい姿も見れたから満足。


「疲れは取れたかしら?」


「ああ...はい。ありがとうございました」


「あまり出掛けたりできなかったけどねー...」


車に揺られながら昨日の出来事を思い出す。


辺りに満ちる暗闇と木々の擦れる音。

そして色とりどりの光球。

横にいる摩耶と...甘えるように肩に乗せられた頭。


...なんだろう。

なんとなくだが仲間という感覚ではなくなってきた気がする。

友達...?いや、幼馴染...?

まあいいか。

そんな事気にしても解決するわけじゃないし。


「帰るわよ?シートベルト閉めた?」


全員が首肯するのを見て義姉さんは頷いた。


「オッケー!じゃあ帰るよ!」


...俺はこのぼんやりした感覚をどうすればいいか分からず、しばし考えるのをやめることにした。




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