開戦、落とされた火蓋
こんにちは!
すみませんね少し遅れて(汗)
また楽しんでいただけたら幸いです!
開戦、落とされた火蓋
「...」
俺は今、訳あって今仲間に心配されている。
「ねえ伊吹君、なんか...呼び出されるようなことしたの?」
心配そうな声で聞いてくるのは不知火だ。
「何もしてない」
「痴漢?それなら私達に...」
小鳥が本気のトーンでそう言う。
「どうしてそうなる。
っていうか達って摩耶とか不知火は完全に巻き込まれて...満更でもなさそうな顔なのがちょっと困るんだけど」
嫌とも言わなかったし、顔を赤くして「したいの?」みたいな視線を送ってきていた。
「...とりあえず先生のところに行ってくるから」
そう...先生からの呼び出しをくらったのである。
先生のところへ向かっていこうとした時、後ろから、
「いくら担任の先生が若くて可愛いからって手を出しちゃダメだよ〜!」
とか聞こえた。もうスルーしよう。手だけ振っておく。
職員室前で深呼吸する。
何事もありませんように...って祈ってから
「失礼します」
と言って職員室のドアを開けた。
「よく来たな少年!」
と言いながら飛びかかろうとする若い女の先生。
ドアを開けるなり速攻で抱きつかれそうになる。
嘘みたいだろ?先生なんだぜ?この人。
「...失礼しました」
案の定大慌てで
「ちょっと待って!冗談!冗談だから!」
って止めてきた。
俺が先生に会いに行く時はここまでがテンプレなのである。
「なんの用ですか?先生」
お姉ちゃんって呼んでくれてもいいのに...って聞こえたが聞かなかったフリ。
「なんと!事務所一つにつき1人先生が付くようになりましたー!」
「...まさか」
「そうだよ?あなたたちの事務所の先生は、私だよー!」
「...よろしくお願いします...」
「嫌そうな顔してるねー。変なことはしないよ!一緒にいる子達にいろいろ聞いたりするだけ!」
それを変なことって言うんだよ!
というのは噛み殺して、あたりを見回す。
確かに他の先生方はもう職員室から荷物もろともいなくなっている。
どうやら冗談ではないようだ。
いやこっちとしても冗談じゃないんだがな。
しょうがないから事務所まで案内する。
そうそう、うちの先生は俺の母親が一回離婚して、再婚した時にその父親が連れてきたのだ。
義姉ということになる。そのせいでお姉ちゃんって呼んでーって言われたりとか、授業で指される頻度が多かったりする。
しかし...やはり血は繋がっていない事を気にしてしまう。
「ついたよ。事務所」
「ありがとー!ギュってしてあげようか?」
こちらに両手を伸ばして「オイデオイデ〜」
って言ってきた。本気か。
「今はいいかな。ほら、行くよ」
先に事務所のドアを開けて待っている。
「もっと甘えてくれてもいいのに...」
今義姉が何か言っていた気がする。
「なんか言った?」
「何も〜」
と言ってさっさと入って行ってしまった。
先生が到着したところで自己紹介をしようということで5人で集まることになった。
「じゃあ名前と機体名とどの距離で戦う機体なのかお願いね〜」
最初に動いたのは摩耶だった。
「『朝風 摩耶』です。
使用機体名は「盈月」。近接戦系の機体です。よろしくお願いします」
いつも通り真面目でしっかりした挨拶。しかし何か警戒しているような...?緊張かな?
「『最上 伊吹』です。
...ってこの場にいる人は全員知ってるだろ?
使用機体名は『疾風』で近接戦系の機体でーす。よろしくお願いします」
「『小夜鳴 小鳥』。
使用機体名は「ラプター」で、近接戦系の機体でーす!よろしくお願いしまーす!」
小鳥らしい元気だが真剣な挨拶だった。
こっちはあまり緊張とかはしてないのかな?
「『不知火 亜希』です。
使用機体名は「MG 151」です。中、遠距離の機体になります。よろしくお願いします」
不知火は...警戒心丸出しだった。
毛が全部逆立った猫みたいだなぁ...
「じゃあ自己紹介行くねー。
『最上 雪乃』だよー!
使用機体名は「暁」で、
中距離重視の機体になるわ!
中距離専門の人は少ないみたいだし、背中はしっかり守らせてもらうよ!」
頼もしい限りだ。
学生の頃はエースで、しかも卒業するときにスカウトされて教師になったほどの実力を持っている。
そしてその美貌。
元気で快活な性格と相まって、かなりモテるらしい。
間違いなくこの場で最強の人間なのだが、摩耶と不知火がずっと睨んでいる。
「何かあったのか」って聞いても「何も」としか返ってこなかった。ちなみに小鳥は義姉とずっと喋っていた。
なんとなくテレビをつけたところ、とんでもないニュースで持ちきりだった。
「繰り返し報道します!「レイヴン」が東京に侵攻を開始しました!住民の皆さんは避難を開始してください!繰り返し報道します!...」
「...出動命令は?」
あくまで冷静に聞く。
熱くなっていては正確な判断ができない。
しかも俺は摩耶達の命に関わる決断を迫られているのだ。
ーここから逃げるか、援軍に向かって戦うかー
「各自の判断に任せる、だそうよ」
雪乃が先に聞いていたらしく、即答だった。
「...どうしたい?逃げるか、戦うか」
...返事は全員一緒だった。
ー東京上空ー
「...来るかね?彼らは」
自問自答だ。
人間は一つの部隊に1人しかいない。
他は無人機のため返事をする者はこの部隊にはいない。
「まあいい。来なければこの東京を貰うだけだ」
黒く、戦闘機を思わせるシルエット。
腰には剣のようなものを下げている。
「さて...楽しませてもらおうか」
時速300kmを軽く超える速度からさらに速度を上げる。最初に狙われたのは無防備にも背中を向けていた...信之だった。
ーその二分後ー
東京上空を綺麗な編隊を組んで飛んでいく機影が五つ。
それぞれに違う機影と武装を持った狩人達のその部隊の一つ、伊吹が率いる最上隊だ。
「到着した。
これより作戦行動に移る。
守ってほしいことは全員俺から離れないこと、戦闘行動時には配置に付き、それぞれの役割を果たすこと、そして一機も失わないことだ。
いいな?」
...何やら相手側のトップが来ているらしい。
コードネーム「選帝侯」。空域制圧能力と戦局を広く見渡せるレーダーや赤外線探知機、そして...レイピアを使用する近接格闘戦。
「「「「了解!」」」」
この戦闘が終わった時にはただ1人の声も減っていないようにしなければ。
「あそこ!敵影5機!」
もう敵影が見えたが、東京を奪おうというのだ。数はかなり多いだろう。
「機影を確認した。戦闘を開始せよ!」
しかし戦わなければいけない。
東京を...そこに住む人々を守るために。
雪乃みたいなキャラも大好きなんですよねー!
摩耶とか不知火みたいなキャラも大好き...たまらない...とまあ読んでくださってありがとうございます!またよろしくお願いします!