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世界開放戦線 〜レイヴンハンターズ〜  作者: とある世界線の艦載機乗り
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最上小隊よ、一陣の風となれ!

こんにちは。

すみませんね何回も名前変えちゃって(汗)

投稿する時におかしいところがないか度々心配になっちゃうんですよねw

学生なんで語彙力とかはアレですが楽しんで頂けると幸いです!



最上小隊よ、一陣の風となれ!


広い。

その一言に尽きる場所に出た。

実習で指定された場所は本部施設の敷地内に再現された廃都市のようなフィールド。

廃都市と言っても人影がないだけで、建物は所々ガラスが割れているくらいの様子だ。

先生が言うには、


「フィールドのものは全て使っても良い。何をしてもいい。

結局は侵攻されて崩れた街だからな。

この対戦のルールは簡単だ。

どちらかの部隊が全滅した時に生き残っていた方の勝ちだ。

これからお前たちの弾丸は全てペイント弾にしてもらう。

近接武装も使っていいが、刃がインクの染み込んだスポンジになっているから注意するように。健闘を祈る」


そういって一方的に無線は切られた。

こちらから向こうには繋げないらしい。

聞きたいことがたくさんあったが、とりあえず

装備を呼び出す。

この装備がまたハイテクで、頭の中で呼べば飛んで来てくれて、さらに自動的に装着されていくという代物だ。

しかし全ての機体が全員に合うわけではなく、機体と人間の間には相性があるらしい。

いわば全員が「専用機持ち」なのである。

俺の機体「疾風はやて」が自分の体に装着されていく。

体が軽くなっていくような感覚と同時にジェットエンジンの甲高い音が唸りをあげる。

左の腰に日本刀のような形の近接武装...に似た形をしたスポンジ。

右の腰には拳銃がさがっているのを確認する。今時銃ではなく刀を使っているのは珍しいが、剣道と居合道をやっていたため剣術の方が慣れていて、拳銃は一応持っているが射撃は上手くない。と言った具合である。

同じ部隊だけあって摩耶や小鳥も同じような戦闘スタイルだ。


「戦闘前の確認開始。武装よし」


続いて翼とエンジンだ。

腰のあたりに付いている主翼とエンジン横についている小翼は根元からも可動できるようになっている。


「動翼よし」


エンジンはノズルが開いたり閉じたりする他に、接合部が可動する。縦方向の軌道はここと翼の端のほうにある昇降舵兼方向舵で行う。

ノズルはエンジンの出力に応じて開き具合が変化する仕様になっている。


「エンジンよし、機体良好。問題なし」


「我が隊、全員機体良好。戦闘開始します」


そう報告して地面を蹴り、遠くを見ながら体を前に倒す。

機体操作に関しては全て脳波で操作されているお陰で頭の中で描いた想像通りに動いてくれる。

頼もしい限りだ。


俺たちは航空科だから空を飛んでいるが、

陸戦科や海上科もそれぞれのフィールドで戦うことを想定している。

しかしこれは実は得意分野なだけで航空科じゃなくても少し飛べたり、海上科じゃなくても水の上でも動いたり陸戦科じゃなくても陸上を動くこともできる。


「敵部隊発見。...あからさまに隠れる気がないね...多分罠だよ」


敵部隊を発見したのは摩耶だった。たしかに隠れる気はなさそうだが、対空用装備を多数装備しているようだ。


敵はマップの中のビル群の真ん中の幹線道路を進んでいる。どちらかの部隊が全滅した時に生き残っていた方の勝ちになるこのルールでは、隠れられず、開けた場所に出るのは悪手のように思える。

がしかし、対空装備が多い相手では不用意に突っ込めない。

しかも狭いのが相手にとっては有利に働いて俺らが侵入するルートが制限されている。


...こりゃ難しいな...


いつ突撃するか見計らっていたその時、俺らより高い高度から彗星の如く何かが降ってきた。俺と摩耶が初めて会った時に襲ってきた奴らに似た機体たちがあいつらを襲ったのだ。

真っ黒な、人型。

全身の鳥肌が止まらない。

初めてあいつらに襲われたあの時を思い出してしまった。

我慢できずに3人は飛び出す。


装備している拳銃の弾を演習用のマガジンから

実弾に装填し直し、加えて近接用装備の刀のような形をしたこの機体の専用武器「朧月」を呼び出す。

朧月を取ったところで摩耶達がついてきていたことに気付いたため、支度してエンジン出力全開で援軍に向かいながら無線を開く。


「いきなり飛び出して悪かった。我慢できなかったんでな...さて、部隊長より二機へ告ぐ。これより「レイヴン」に襲撃されている友軍を救出に向かう。一機でも欠けることは許さない。彼らを護衛し、守り切り、そして生き延びろ」


「「了解」」


そう言うと3人はエンジンの出力を緊急最大出力まで上げる。脳波で操作するため、より早く、より早く向かおうとしているためさらに速度が上がっていく。


先ほどと同じ位置に地上の味方を発見した。

幸運なことにまだ1人も欠けていないようだ。


「おい空の奴ら!ここだ!援護を頼む!仲間が1人負傷していてこれ以上持ち堪えられない!」


「了解した。2機へ告ぐ!各機、地上目標を掩護せよ!」


「了解!」「任せときなさい!」


その2人の返事はとても頼もしく、しかし当たり前だがどこか緊張したようにも聞こえた。


3機が散開してそれぞれ「レイヴン」の機体に襲い掛かる。敵の数は合計で4機だ。

全て対地上型で対空装備はあまり持ってきていないらしい。

俺達の格好の獲物だ。


「...フゥッ!」


通り過ぎざまに抜刀して、息を吐きながら横一文字に断ち切る。


俺の習っていた剣術は荒鷲こうしゅう流と言うのだが、技名は風と雷が多く、今使ったのは「紫電」だ。

目にも止まらぬ速さで間合いを詰めて断ち切るという荒鷲流の基本技であり、まず戦闘能力を奪うために、主砲の砲身を斬る。


それでもその斬られた砲身でしつこくこちらを狙ってくる。

次に本体を斬りにかかる。

まずは半ばから先がない砲身の向きから弾道を予測して、姿勢を低くして避けていく。

そのままエンジン出力を緊急最大出力まで押し上げて懐に潜り込む!


袈裟斬りの要領で右腕を一撃目で切り落とし、二撃目で右の脇腹から左肩まで刀を振り抜く。

風雷流剣技「烈風」。激しい風のような2連撃で敵を屠っていく。授業の中で人間が操縦していることもあると言われたが、断面から無人機だとわかって少し...安心した。

翼を垂直にし、エアブレーキを展開。

急減速し、そのまま着地する。

落ち着いたところで無線に戦果を報告する。


「1機撃破!」


「同じく撃破!」


「こっちも1機やったよ!」


こういう時は先生が対応するのだが、返事がなかった。

不思議だな...?何かあったのか...?

しかしあと1機残っているのを見つけたためそちらに向かった。

残り1機。そう思ってさっさと斬ろうとした。

しかし1機でも残っていたのがダメだった。


その最後の機体は逃げようとしたが、俺はすぐに追いつき上半身と下半身にあたる部分を真横に両断した。

が、その1機が撃破される前に増援を呼んだらしく上空にかなりの数の機影が見えた。

地面に立っている今、来られると満足に回避もできない。

先ほどの陸戦科の部隊は退却し終わったらしい。

それを確認した後、2人に合図を送りすぐに上昇して300mくらいまで上昇する。

敵部隊の姿が見えた。数は16機、編成は陸、空それぞれ8機。生き残りは排除したから、今度こそ早めに片付ける。

しかしそうすると数の不利が半端じゃない。

6対16なんて数の差は流石にかなりのエリートでないとひっくり返せない。


「...こちら不知火。通りかかったところ戦闘を確認した。状況はどうなっているの?先生が応答しないんだけど」


たまたま近くを通りかかった風の大きな機関銃を持った少女が問いかけてくる。顔立ちは整っていて、どこか自分に自信がありそうな、凛とした顔立ちだ。


知っている限りの状況と援護が必要だということを説明すると、私1機だけだけど。と言って援護してくれるという話になった。


「数の差はまだ拭えないけど、いないよりはマシよね?」


そう言って不知火と名乗った少女は1人でこちらに合流してきた。この学校に入る時に必ず部隊を組む。

...恐らく仲間はもう撃破されてしまったのだろう。


合流すると、彼女はその狼のようにも見える目をレイヴン達の方に向けている。

するといきなりその1.7mはあろうかという大きな機関銃を構え、機体が筋力をアシストしてくれるとはいえ、これまたいきなりフルオートで射撃し始めたのである。


ドガガガガガガガガガガンッ‼︎‼︎


その機関銃は発射音もそうだが、反動と威力が俺らのものと比べて桁違いだ。

しかし不知火と名乗った少女は反動を押し殺し、弾丸を的確にレイヴン達に命中させていく。

当たった機体達は命中した箇所が文字通り消し飛んでいた。

中には人間が操縦していたものもあったが、不知火は構わず撃ち続ける。

弾が尽きれば装填し、装填し終わったら撃つ。その繰り返しだった。

空薬莢が銃身からバラバラと排出されていく。正確、そして薙ぎ払うようなその射撃は、俺たちの分の獲物が残らないような威力を示した。

戦闘が終わった時には俺は3機片付けたところだったが、彼女は9機片付けていた。元々はかなりのエリート部隊にいたんだろう。

地上に降りたあと、あたりに散らばった機体の破片を一瞥してこちらに目をやってくる。


「途中助けてもらった場面もあったわね。感謝するわ。私の名前は「不知火しらぬい 亜希あき」。...チラチラ見てるけど、この機関砲がそんなに気になる?」


少し声が不機嫌そうに聞こえた。つい目線がそっちに言ってしまっていたらしい。ごめんと言ったあと、正直にはいと答える。


「この大きな機関砲はドイツが第二次世界大戦中に使用していた「MG151」っていう20mm機関砲よ。元々口径が15mmだったのを20mmまで大きくしたの。」


へー。20mm口径の機関砲なのか。それならあれだけの威力でもおかしくない。と感心して、


「専用武装なんですか?」


と聞くと


「わざわざ敬語じゃなくていいのに」


と言ってクスッと笑った。

笑うと切り詰めた雰囲気が柔らかくなって...

こうなると普通の女の子なんだなぁと思う。

最近、小鳥や摩耶にも時々同じことを思う。


彼女が言うには銃のほうに機体を合わせたため、専用武装というより「銃専用の機体」ということらしい。


3人全員が自己紹介をし終わったあと、不知火が


「お願いがあるんだけど...」


と真顔で言ってきた。真面目な話らしい。

そしてその口から出た言葉は、


「あなたの部隊に入れて欲しいの」


だった。...驚いた。こんなに凄い人だからどこかから招待されるだろうと思っていたら、俺らのそこまで戦果が高いわけでもなく有名な逸話があるわけでもない部隊に入れて。ときたもんだ。


「俺らのとこでいいならオッケーだけど...いいのか?」


光栄だ。部隊長の座は奪われてしまうだろうが戦果は大幅に上がるだろう。


「ここがいいの。あなた達のその楽しそうな雰囲気がいいなと思ったの。」


と微笑んで言う不知火。嬉しいことを言ってくれる。


「これからよろしくな!」


と手を伸ばすと俯いて、


「よろしくお願いするわ。」


と手を握り返してきた。腕を1、2秒上下させたところで


「あのっ...そろそろ離しでもらってもいいかしら?」


と言われたのでそっと手を離した。


不知火はというと、顔を赤くして手を黙って見つめていた。

...握手はいきなりすぎたかな?

その時、後ろからは摩耶と小鳥の厳しい視線が容赦なく注がれていた。


この戦闘の損害は地上部隊は損害なし。航空部隊は3名が犠牲になってしまったようだ。

...その3名とは、やはり不知火の仲間であった。

それは不知火には伝えないでおくように言われたが、それを報告してきたのは他ならぬ不知火なのだ。本人はもう知っている。


...話は変わって不知火の我等が舞台への加入が正式に認められた。

しかし、戦闘で疲れた俺たちに喜ぶ体力なんて残っているはずもなく、今日は大人しくベッドに潜って寝ようとした時...何かいる。

俺のベッドの布団の裏に何かいる。

モゾモゾと動く布団をめくってみると...不知火だった。

え、なんか布団嗅いでるし⁉︎


あの凄腕で真面目そうな不知火だけにありえないと思った上に疲れていたのでこれは幻覚だろうと強引に結論付けた。

疲れているのでとりあえず顔を赤くして何かを訴える不知火も何も見なかったことにして、もうすでに人の体温で温められていた布団に入った。

そのまま何分か待っていると、横のあたりでモゾモゾ動いていた不知火がくっついてきた。

しかしやっと睡魔が確認できたので、反応せずおとなしく睡魔に身を委ねることにした。

今日もお疲れ様。

明日からはもっと大変そうだがもう1人増えたところで変わらないだろ。

そう考えたところでもう彼の意識は落ちていた。

今回はどうでした?

楽しんでいただけたでしょうか?

まだ全然ダメダメの駆け出しですが、これからもよろしくお願いします

m(_ _)mペコリ

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