女神の作った男
あるところに一人の女神がいた。
その女神は世話役の男を作った。
だが男は空っぽだった、だから女神は男に忠誠心と自由意志を入れた。
そして長い時間を男と女神は過ごした。
そしてある日女神は男に言ったのだ、契約をしないかと言った、それは対等の契約だ…
女神は〈男が死んだら女神も死に女神が死んだら男が死ぬ〉というものだといった、だから男は喜んでその契約をした。
だが女神は嘘をついた、その契約は《男が死んだら女神は死ぬが、女神が死んでも男が死なない》というものだったのだった。
そして長い長い時を過ごした、けれど何も変わらなかった…
いや、心は変わっていた、そう、男は女神を愛したのだ。
思いが返ってってこないと知っていながら…
そしてその傍らで女神も男を愛していた、女神は最初は自分の子供を慈しむ感情だった…
だが、変わっていったのだ、長い長い時の中で、男を愛する心へと変わったのだ…
だがその平穏は長くは続かなかった。
人間という生き物を他の神たちが作ったのだ…
その人間という生き物は女神の森を壊そうとした。
だが他の神たちが加護を与えていた…
だから力の弱い女神は負けそうになっていた。
それだけ神々の加護の力は強かった。
だから女神は男に言った。
『ねぇ、あなたに私の力で不老不死にしてあげる。嬉しい?』
男は言い返した。
「嬉しくないです!あなただって人間にかけられた神々の加護には負けるでしょう!?」
女神は微笑みながらいった。
『そうね、だからあなたに不老不死をあげるのよ、だって私はあなたは私の愛しい子よ?』
男は泣きそうに言った。
「あなたは…どうしてそう言うんですか?………私だってあなたに…忠誠を誓っていますから……」
女神は優しく笑った…
『大丈夫よ?私の愛しい子よ、そう、私を信じて頂戴?』
「信じられるわけ無いでしょう!あなたは死ぬつもりなんですか!?」
『死んだらあなたまで死ぬでしょう?だから私を信じて?』
女神はそう言ったが、女神は死ぬつもりだった。
男は泣きながら言った。
「それでも私は着いていきましょう。あなたが死んだら私も死んでましまいますからね」
お互い好きという心を隠す、そしていつか別れのときに、好きだと伝え合うのだろうか?
いいや、彼らはどうしてか、気持ちの伝え方を忘れてしまっていた。
『わかったわ?仕方のない子ね?じゃああなたに不老不死をあげましょう、そうすればついてくることを許すわ?』
そして二人は戦った。
女神は力を尽くし、男は体を張って…
それでも人間にかけられた神々の加護に勝てず…
そしてついに終わりのときが来た。
女神の力が尽きたのだ。
そして女神が倒れる…
男は女神を助けようとする、だが…
男は女神を回復する手段を持っていなかった……
男が女神を助けようと奮闘しているとき、人間たちは何もしなかった。
何もできなかったが正しいかもしれない…
男と女神は美しい見た目をしていた。
だから助けようと動いているのを見たとき見惚れたのだ。
そして同時に、どれだけ謝ったとしても許されないことをしたこともわかった。
そして人間たちは後悔した。
だがもう全てが遅いのだ、男が復讐神になるまでもう少し…あと少し。
そして男は、後悔していた…
女神は軽い風に言った。
『ねぇ?そんなに焦らなくてもあなたは死なないわよ?』
「私が不老不死だからですか?」
『?、違うわ?私が嘘をついたからよ、だって、死んでほしくなかったのよ』
男は泣きそうに震えた声で言う。
「それじゃ、どうしてなんですか?嘘って…なんですか?」
『そうね、私とあなたの契約のことよ?私が死んでもあなたは死なないのよ?』
男は悲しみに染まる。
「なんで…なんでなんですか?」
『ん、そうね、私があなたを、好きで、愛してるから…かしら?』
男は泣きながら言った。
「私…俺、俺も…好きだから、愛してるから…なぁ死なないでくれよ…死なないでっ死なないでくださいっ…」
女神は諦めたように
『それは…無理…ね。ごめんなさい…私も好きよ、愛してるわ…だから私は…転生して何度でも…人間になる……から…だから!さがしてね?おねが…いよ?』
男は叫ぶように言った…
「絶対に見つけるから!だから!もう少しっもう少し!もう少しだけでも生きてくれ!」
女神は弱々しく言った。
『ごめんなさい…もう…むりみたい…また…にん…げ…に…転生…して…会…ましょう…またね……』
男は女神の屍を抱いて泣き叫んだ。
そして男は復讐神に成った。
女神を殺しに来た人間たちを殺して回った。
そして復讐神は探している…
復讐神がただの男だったころに愛した女を…
けれど見つけたとしても、女は死に、屍になる。
男は最後に言ったらしい。
「なぁ…愛すのは、そこまで難しい願いだったのだろうか…?」
その言葉の意味を知る人間はもう…居ない。
バットエンディング
愛した女はもう居ない
他のエンディングを見たい方は感想で教えて下さい。
別の誰かを主人公にした別視点のを出しますので…
どうぞよろしくお願いします!
他のも読んでくれると嬉しいです!