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機械仕掛けの天使は闇夜を翔る  作者: 夏野露草
8章 魔の血族
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03.色褪せた日々


***


 季節は地帝の月半ばを過ぎた。


 外界に生える樹木からは茶や黄色の葉がはらはらと落ち、絨毯となって地上を覆っていた。都市を囲む防壁の上に覗く稜線は、すっかり暖色の衣に包まれていた。吹く風がどことなく物悲しくさせる。


◇◇◇


 ウルスラグナ訓練校。訓練生が朝食を求め、食堂に詰めかけていた。給仕所で料理を取り分けてもらい、フェイヴァとユニは向かい合って席についた。


 ユニが復帰して、六日が経過していた。彼女は遅れを取り戻そうと積極的に授業に取り組んでいる。見かけだけならば、以前のユニに戻ったように見えた。けれどもふとした瞬間に見せる顔には、ちらつく影がある。ミルラを失った悲痛は、形を変えて今も彼女の中に残っているのだ。フェイヴァもそうであるように。


 ユニの復帰は喜ばしいことだった。もしかすると、ミルラが生きていた頃のような関係に戻れるのではないか。フェイヴァは初めの頃は、そう期待していた。


 けれども、それを拒否したのは他ならぬ自分自身だった。ユニに心からの笑顔を向けることができない。彼女と会話ができるのを嬉しく感じる一方で、どこか息苦しい。気を使って言葉を選んでいる自覚があり、油断すれば溜息を吐いてしまいそうになる。


 ミルラと三人で行動していた頃も、気を使っていなかったわけではない。しかしそれは、他者とつきあっていくならば誰しもが意識する必要最低限の気遣いだったのだ。


 今はその頃よりも、強く精神を張り詰めていなければならない。下手な発言をすれば、ユニから顰蹙(ひんしゅく)を買うことになる。それが恐ろしかった。


『あんた、人間じゃないわ!』


 療養室でユニの激しい言葉を受けた時に、自分はどこか変わってしまった。


 ユニとミルラ。訓練校に入学して、初めてできた友達。見知らぬ人たちに囲まれて不安を抱いていたフェイヴァに親しげに話しかけてくれた。商業区で絡まれた男を殴って屋根まで吹き飛ばしたフェイヴァを、恐れることなく追いかけてきてくれた。優しい言葉をかけてくれた。二人に恩を感じていたし、信頼していたのだ。二人とならずっと友達でいられると。


 だからユニの言葉に強い衝撃を受けてしまった。自分が信じていたものが、粉々に砕かれたような気がした。自分はきっと、ユニに裏切られたと感じているのだろう。彼女に対する態度が、無意識を証明している。


 嫌悪感がにじみ出し、身内を黒く塗り潰した。


 ユニの言う通りだ。何を被害者ぶっているのだろう、自分は人間ではないのに。彼女の思いを知っていながら、それを踏みにじり続けてきたのだ。傷心する資格なんてない。


「……さっきからぼんやりしてるけど、どうかした?」


 ユニが青い瞳を瞬かせ、尋ねてくる。


「え……あ……」


 我に返り、フェイヴァは口ごもる。頭の中が真っ白になる。早く適切な返答をしなければ。


「き、昨日夜遅くまで童話を読んでいたからかな? まだ眠くて」


 ユニの顔を見返しながら答えたフェイヴァは、焦燥感に包まれた。早く目を反らさなくては。彼女の過去を見てしまった時のように、フェイヴァが知りたくない記憶を垣間見てしまう恐れがある。


 しかし、水面を映した双眸からは、何も伝わってこなかった。まるでフェイヴァとユニの間に見えざる壁でも立ち塞がっているように、力は過去を呼び起こさない。


「……何か見えたの?」

「えっ!? し、心配しないで! 何も見てないよ!」


 氷柱のごとく鋭い問いかけに、フェイヴァは慌てて弁明した。ユニの唇が弧を描く。


「でしょうね」


 引っかかる物言いだったが、フェイヴァは問いたださなかった。他者の過去を好き好んで覗きたいわけではない。見えないのなら、それに越したことはないのだ。


(……でも、今まで見えていたものが見えなくなるなんてこと、あるのかな……?)


 ルカやリヴェンやハイネのように、最初からフェイヴァの能力を及ぼせない人たちならともかく、ユニは以前までその記憶をフェイヴァの前に曝け出していたのだ。こんなことがありえるのだろうか。


「ねえ、フェイヴァ」


 再び内に籠りそうになったフェイヴァを、ユニの声が引き戻した。


「十日後の休み、サフィたちと一緒に商業区に遊びに行こうと思うんだけど、一緒に行かない?」

「私も……?」

「本当はレイゲンと二人だけで出かけたいんだけど、アタシが誘ったら恥ずかしがって一緒に来てくれないと思うの。だから、みんな一緒に行くように思わせて、当日に劇の券渡そうと思って」


 なるほど、そういうことか。


 レイゲンは恥ずかしがりやだ。ユニのことが好きでも、正面からデートに誘われては、素直になれないかもしれない。なぜ俺が一緒に行かねばならんとか、そんな退屈なものを観ていられるかとか、色々理由をつけて断ろうとするのだろう。


 向かい合った二人の姿を想像しただけなのに、涙があふれそうになった。フェイヴァは顔を伏せて目元を拭う。


「何やってるの?」

「ごめん! 目にゴミが入っちゃったみたい」

「で、一緒に来てくれるの? どうなの?」

「……私が、一緒に行ってもいいの?」

「当たり前でしょ? アタシたち、友達じゃない」


 なんて空々しい言葉なのだろう。――咄嗟に浮かんでしまった気持ちが、おぞましかった。ユニの言葉を疑うなんてどうかしている。


 フェイヴァは無理矢理微笑もうとした。口許が引き攣っていないか心配になる。


「……うん。レイゲンさん、きっと喜ぶよ」


 床を叩く靴音が聞こえて、フェイヴァは顔を向けた。給仕所から料理を持ってきたフィーナとリアラが近づいてきた。最近ユニと一緒にいるようになった少女たちで、フェイヴァとユニとは同室だった。


「お待たせ」

「はー、お腹空いた。早く食べよっ」


 緩やかな巻き毛を揺らしながら、フィーナはユニの隣に腰かけた。その横にリアラが座る。垂れ目が愛嬌を振り撒き、フィーナとユニを見る。


「遅かったわね、待ちくたびれたわよ」


 三人は揃って食前の祈りを捧げると、料理を食べ始めた。たわいない話に花を咲かせる彼女たちの中に、フェイヴァは入っていけない。聞き役に徹することくらいはできたが、長時間になると途中で疲れてしまい、黙ってしまう。


 思考は堂々巡りし、出口のない頭の中で絡まり続ける。雑多な感情までもが付着し、際限なく肥大化していく。休憩時間ならば、身体を動かすことだけに集中できる。思いわずらわなくて済むのに。


 最初の頃はあれこれ話しかけてきてくれたフィーナとリアラは、フェイヴァが話しても益のない存在だと悟ったらしく、いつからか空気のように扱いだした。


 ユニが二人と仲良くするようになってから、不快な思いをさせてはいけないと、フェイヴァは一人で食事を取ろうとした。しかし、ユニはそれを許さなかった。何かにつけてフェイヴァにそばにいるように言う。だからといって、用事があるようには見えない。ユニがフェイヴァに話しかけてくるのは、フィーナとリアラがいない時だけなのだ。彼女の態度には、手元において監視しておきたいという意図を感じる。


 フェイヴァは小声で食前の祈りを捧げると、スプーンを手に取った。はしゃぐ三人の声を遠くに感じながら、無言で咀嚼(そしゃく)する。


 自分は一体何をやっているのだろう。すべてが虚しかった。


***


 色褪せた日々を過ごすこと十日。約束の日がやってきた。


 鮮やかな青い襟のシャツと膝上あたりまでの長さのスカートに着替えたフェイヴァは、校庭に足を運んだ。


 足下に生える雑草は短く刈られていて、朝露に濡れて光を弾く。正面にはベンチが数台配されていて、ちらほらと生徒の姿があった。その中に馴染みのある顔を見つける。


「よっ、おはよう」


 ベンチに座っていたルカが、フェイヴァに手を挙げる。フェイヴァは微笑もうとしたが、上手に笑えた気がしなかった。彼の横にはハイネが座っており、二人の後ろにはサフィとレイゲンが立っていた。


 レイゲンはフェイヴァに目を止めると、顔をらした。


 震えそうになる口許を、フェイヴァは引き締める。


 どうしてショックを受けているのだろう。嫌われて当然だ。歩み寄ろうとしてくれた彼を、拒絶したのは自分なのだから。


「ユニとリヴェン、遅いね」


 サフィがフェイヴァの背後にある校舎の出入口に顔を向ける。単独行動を好むリヴェンまで一緒に行くとは、どういう風の吹き回しだろう。


「ユニはまだ服を選んでるよ。もう少しかかるって。リヴェン、探してこようか?」


 ユニは部屋でフィーナとリアラを観客に、服の着せ替えを行っていた。


 引き返そうとしたフェイヴァの肩を、足早に近づいてきたハイネがポンと叩く。


「あんたじゃリヴェンを探し回って夕方になっちゃいそうだよ。ここにいて」

「う、うん」

「僕も一緒に行くよ。リヴェンを探した帰りにでも、ユニに声をかけてみようかな」


 ハイネとサフィは、二人揃って校舎に入って行った。二人の背中を見送って、フェイヴァはルカに近寄る。


「リヴェンも行くなんて意外だね」

「あいつ寝てばっかりだから、たまには虫干ししねーとな。旨いもん奢ってやるっつったら、ホイホイついてきたぜ」

「そうなんだ」


 盛り上がることなく会話は終わる。後には重苦しい沈黙が横たわった。フェイヴァには話題がなく、レイゲンは黙りこんでいる。停滞した空気を打破できるのは、ルカしかいなかった。


「……お前らさぁ、なんかあっただろ」


 フェイヴァとレイゲンに交互に顔を向けて、ルカが言う。


「えっ……な、何もないよ。どうしてそんなこと言うの?」


 ごまかそうと発した声は上擦っている。これでは何かあると告白しているようなものだ。


 ルカは呆れたような眼差しをフェイヴァに注いだ。


「……顔引き攣ってんぞ」

「うっ」


 やはり自分は、嘘をつくということが苦手らしい。何も言えなくなりフェイヴァは顔を伏せた。


「まあ、言いたくないなら深くは聞かねーけどよ……」


 ルカは不満げな顔をしていたが、突然妙案を閃いたみたいに表情を明るくした。


「お節介かもしれないけどな、フェイヴァ。お前、その馬鹿丁寧な喋り方やめてみたらどうだ? もうお前だけだぞ、こいつにそんな面倒臭い話し方すんの。

な、お前もその方がいいだろ?」


 返答に困るフェイヴァを差し置いて、ルカは勝手に話を進めた。レイゲンを仰いで、了承を得ようとしている。


 彼はうんざりした様子でルカを見下ろした。


「……勝手にしろ」

「ほら、こいつもこう言ってるしよ」


 無邪気な子供じみた、ルカの明朗とした笑み。


 なぜこんなことを言い出したのか、大体予想はつく。よそよそしい雰囲気を醸し出しながらも、その原因を口にしないフェイヴァとレイゲンの仲を、彼なりに取り持とうとしているのだろう。困っている人を放っておけず、世話を焼いてしまうルカらしい行動だった。しかしフェイヴァは、その善意に甘えることができない。


「……こ、心の準備ができたら、ということで……」


 視線をさまよわせたフェイヴァには、二人がどんな表情をしたのかわからなかった。ただルカの小さな溜息が、落胆を示すかのごとく聴覚に響いた。




 ユニとリヴェンも揃い、七人は公共区の南に向かった。馬車が停留する待乗所に行き、大型の馬車に乗り込んだ。御者が鞭を打って、二頭の馬が走り出す。ユニはレイゲンの隣に腰を落ち着けていた。彼女が度々話しかけるが、煩わしそうにそっぽを向いている。ルカを中心とした四人だけが生き生きと喋っていた。フェイヴァは会話に入らず、過ぎていく景色をぼんやりと眺めた。


 馬車は南下し、都市の中心である広場を突っ切った。商業区の北に位置する待乗所に到着し、フェイヴァたちを降ろすと、客を乗せて別の区画に向かっていく。


 商業区は三区画に別れている。劇場や美術館、賭博場などの娯楽施設がある西。宿泊施設が立ち並ぶ南。生活に欠かせない食料や雑貨を販売する商店が競って建てられている東だ。各区画の出入口となるこの場所には巨大な門が建てられており、往来する人々を見下ろしていた。


 七人は門の片方の柱に集まり、行き先を決める。


「レイゲン、これ」


 劇場の券をユニに渡されたレイゲンは、怪訝そうな顔をする。


「みんなで一緒に行こうって言い出したの、アタシなの。アタシだけが誘っても、レイゲンは一緒に来てくれないでしょ? この劇、あなたと二人で観たかったの。アタシと行ってくれる?」


 小顔に朱を宿し大きな瞳を上目遣いにするユニ。緩やかに波打った黄金色の髪が、肌の白さと頬の赤みを引き立てる。恵まれた容姿との相乗効果で、見惚れそうなほど愛らしかった。


 レイゲンはユニの顔を見ず、ルカに鋭い視線を投げた。おそらく彼に頼まれて、渋々重い腰を上げたのだろう。素直になればいいのにと、フェイヴァは思う。


「悪い悪い。でもお前、最近暗いしさ。息抜きも必要だろ? 一緒に行ってやれよ」


 ルカは悪びれた様子もなく、朗らかに言う。彼の後ろにいるリヴェンは、興味がなさそうに大きなあくびをした。ハイネは財布を開いて金を確認している。


 レイゲンは眉を寄せると、奥歯を噛み締めた。彼の苦々しげな表情を見て、好意的な解釈をする者はいないだろう。多かれ少なかれ、へきえきしているのが見て取れる。


 ユニの面に滲んだしょうぜんを目撃したのか、ルカのそばにいたサフィが一歩踏み出した。


「レイゲン、そんな顔をするのはよくないよ。ユニはずっと今日を楽しみにしていたんだよ」

「……お願い、レイゲン。今日だけでいいの」


 サフィの非難と、ユニの哀情を帯びた声。レイゲンは瞼を閉じると、ややあって息を吐き出した。


「……わかった」


 それだけを言って、西の区画に歩き出す。ユニの顔に喜色が満ちた。軽快な足取りでレイゲンに近づいていくと、彼の腕に自身の腕を絡めた。レイゲンは彼女の腕を引き剥がすと、足早に進んでいく。


 レイゲンはなぜあんなにも嫌がっているのだろう。照れ隠しにしては大袈裟な気がする。ふとよぎった疑問に、フェイヴァは馬鹿らしくなった。


(……私には、関係ない……)


「んじゃ、こっからは別行動にするか」

「わたしはルカと一緒に行く」

「たまにはみんなで一緒に行こうよ」

「魚の糞みてぇにぞろぞろ並んで歩くつもりかよ」


 サフィの意見に、リヴェンが難色を示す。彼らしい言い草に、サフィは微笑を浮かべた。


「こいつの言う通りだ。みんなで行くこたねーだろ」

「まあまあ、たまにはいいじゃない。

 リヴェンもこの際、興味があるもの探してみたら? 僕は古書店に行きたいんだ」

「あんな古臭ぇ臭いがするとこよく行くな」


 ルカとハイネは顔を見合わせていた。ルカは唇を噛み、ハイネは眉を寄せている。


「……じゃあ、先に雑貨屋に行ってもいい? 筆の先がバサバサなんだよね」

「うん。ここから近いし、先に行こうか」


 手を挙げたハイネに、サフィが頷く。


「フェイヴァも一緒に行くだろ? どっか行きたいとこあるか?」


 四人のやり取りを口を挟まず眺めていたフェイヴァは、唐突にルカに話しかけられ思考を巡らす。


「どこか行きたい店……」


 ミルラが生きていた頃は、三人で頻繁に商業区を訪れた。フェイヴァは商店に立ち寄り、そこで菓子の材料を購入したのだ。量り売りされている材料を見て、どんな菓子を作ろうかと考えるのが楽しかった。レイゲンやユニたちはどんな反応をするだろう。美味しいと言ってくれるだろうか。想像するだけで胸が踊った。


『また作りますね! 何か食べたいお菓子はありますか?』

『……プルームケーキは知ってるか? あれが食べたい』

『プルームケーキですね! お母さんにばっちり教えてもらいました! 楽しみにしててくださいね』


 レイゲンが初めて菓子を美味しいと言ってくれた日のことを、フェイヴァはかいした。約束したプルームケーキはまだ彼に作っていない。もう二度と作ることはないだろう。


「私は……いいや。みんなにつきあうよ」


 フェイヴァたちは東側に向かった。緩やかな坂になっている目抜通りを歩く。黒茶色やその中間の微妙な色合いをした石材で造られた商店が軒を連ねる。道に布を広げ、その上に装飾品を並べている露店などが目にできた。店先に吊るされた果物の色が鮮やかだ。行き交う人々は足早に過ぎたり、立ち止まり商品を吟味した。


 通りの中程にある脇道に入る。目抜通りには、人々が最も利用する食料品店や衣料品店が並んでいるのだ。ハイネやサフィが求める商品を扱っている店は、脇道で商売をしていた。


 脇道と言っても、道幅は大通りより若干狭いくらいだ。通りと違って石畳ではなく、土が剥き出しである。数人が行き来し、靴が砂埃を舞い上げる。右側には通りの商店の背が晒されていて、左側に扉が開け放たれた店が連なっていた。道の脇には樽や木箱が積まれており、打ち壊されたらしい家具が木の板となって突っ込まれている。


 角を曲がると、奥行きのある場所が広がった。建物の壁によって、丁度正方形のような形に区切られている。隅には蓋が被せられた掘り抜き井戸が設けられていた。


 足下を見ながら歩いていたフェイヴァは、サフィたちが立ち止まったのが目に入らずに、ぶつかってしまった。


 前方に顔を向ける。建物の屋根から、何かが降ってきたのだ。


 それは人間だった。腰のベルトには無数の小刀が吊り下げられ、鋭く光を弾いている。鍛え上げられた上半身を晒し、男はゆっくりとフェイヴァたちに視線を移した。若苗色の三白眼。左右の毛を刈って、中心部分だけが伸びた赤い髪。


「なんだテメェ」


 リヴェンとルカが、三人の前に立ち塞がる。


 鶏を連想させる髪型をした男は、忙しく息を吸い込むような笑い方をする。


「俺とは会ったことがねえから知らないだろうな」

「……まさかテメェ」


 リヴェンの声が、緊張をはらむ。


「長話してる暇ないんだわ。扉を開くために、そこの人形が必要なんだよ」





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