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機械仕掛けの天使は闇夜を翔る  作者: 夏野露草
3章 星空の下で
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【主な登場人物 用語 3章あらすじ】

【3章の主な登場人物】


挿絵(By みてみん)


【リヴェン・エリッド】

年齢15歳/身長155(センチメートル)


・自分の気分のままに振る舞い、男女平等に暴言を吐く。気遣いや遠慮という概念は、母親の胎内に忘れてきたらしい。休憩時間は寝てばかりいるが、蓄えた睡眠時間が身長に直結する様子はない。


挿絵(By みてみん)


【サフィ・スローシュ】

年齢16歳/身長164糎


・真面目で勤勉。品行方正。読書が好きで、身体を動かす訓練が苦手。気弱そうな顔貌をしているが、我が強い相手にも屈さない。ユニに好意を抱いている。


【ロイド】

・ウルスラグナ訓練校所属。フェイヴァたちを指導する教官のひとり。神経質そうな顔貌に頭頂部が眩しい。


【ベリアル】

・ウルスラグナ訓練校所属。フェイヴァたちを指導する教官のひとり。熊のような体躯に、立派な顎髭と毛根が強そうな髪を持つ。




【3章に登場した用語】


【覚醒者】

・先天的に特殊な能力を持って生まれてくる人々の総称。【覚醒者】は、万物に存在する精気を結びつけたり反発させたりして、力を発動させることができる。その力は古の言葉で、【(フラム)】【(アイル)】【(ヴィエトル)】【(ボーデン)】の四種類に分類される。それぞれ攻撃、回復、敏捷(びんしょう)、補助に特化している。力を発動するためには精神集中をする時間が必要。


【特殊覚醒者】

・【覚醒者】と違い、人の精神に作用する能力を使える者を指す。精神という不確かな領域に力を宿していて、長時間能力を使用し続けると、精神力が大幅に削られる。

フェイヴァは【特殊覚醒者】に当てはまる、人の記憶を垣間見る能力を持つが、それがどこから来たものかは、本人も知らない。


【オリジン正教】

・創世の神である聖王神オリジンとその子供たちを信仰する宗教。聖王神オリジンが降臨した創世神話は、知らぬ者がいないほどである。細かい宗派や信仰対象の違いはあれど、世界中の者が等しく同じ宗教を信奉している。


【聖王神オリジン】

・神話に登場する始まりの神。彼が太陽と月の神を生み出し、世界に昼夜の概念が生まれたと言われている。


【太陽の神アテム、月の神エリーゼ】

・【聖王神オリジン】により生み出された男女の神。それぞれ太陽と月を象徴している。ふたりが交わったことにより、神の使いである天使たちが産まれた。


【地天使グライド、識天使ウィズ、恋天使マーシー、戦天使レイゲン】

・太陽の神と月の神が交わり産まれた、四柱の神の使い。地天使が海から大陸を引っ張り上げ、それぞれの天使たちが地上に知識の種を蒔いた。太陽と月に育まれた名もなき生命たちは、種によって感情や知識を獲得していき、最も多く種を手に入れた生命が人間となった。

神話に描かれた、魔獣たちと生命の戦いに参戦した戦天使レイゲンは、特に人々に慕われており、戦いの神として信仰している国もある。


【人天使エルティア】

・人間として転生した戦天使レイゲンと、人間であるマティアの娘。人として産まれながら天使の力を振るい、魔獣の王との戦いの前線に立つ。エルティアと魔獣の王の力は(きっ)(こう)し、エルティアがわずかに上回った。彼女は死後、五番目の天使、人天使として展開に迎え入れられる。


【天界】

・神の座所であると同時に、徳を積んだ者、清く正しく生きた者が、死後導かれると言われている場所。そこには一切の苦しみはなく、次に生まれ変わる時までに安楽な日々を過ごすことができるという。


【冥界】

・文明の発達とともに争い始めた人類を見かねて、天使たちが創った流刑の地。罪を重ねた者が死後落とされ、冥界の番人である鬼たちによって、(せい)(さん)な罰を与えられると言われている。


【魔獣の王】

・神話に登場する魔獣たちの王。凄まじい力を持ち、戦天使レイゲンとその娘、エルティアと争った。血のように赤い瞳を持つ。


【侵蝕病】

・身体の制御機構が狂い悪性の細胞が増えてしまう病。罹患した人間は徐々に衰弱していき、やがて激しい痛みに(さいな)まれ死に至る。発症年齢や病状の進行具合には大きな個人差がある。治療法は確立しておらず、わずかながら進行を遅らせる薬は存在するが、その希少さから破格な値段がつけられている。


【アニュー語】

・聖王暦以前の時代に使われていたと言われている、最古の言語。魔獣の名前から神話に登場する天使の名前まで、その使用頻度は多い。



【3章あらすじ】


 走り込み後の休憩中。フェイヴァはユニとミルラに商業区にある劇場に誘われる。休憩が終わり、格闘訓練の時間になる。ハイネと組手を行うことになったフェイヴァだが、自分の正体が知られるのが恐ろしく、手を抜きすぎてしまう。思い切り投げ飛ばされたフェイヴァを助けたのは、入学試験の日からフェイヴァと距離を取り始めたレイゲンだった。


 休日がやってきた。ユニやミルラとともに商業区に向かう道すがら、フェイヴァはふたりに神話の説明をしてほしいと頼んだ。


 聖王神オリジンと、太陽と月の神アテムとエリーゼ。アテムとエリーゼが交わり産み落とされたのが、四柱の天使たち。彼らが地上に知識の種を撒き、すべての生命が生まれた。


 文明を築き始めた人類が巻き起こした争闘。下界に直接手を下せない天使たちが創った、魂の流刑地である冥界。冥界に囚われた魂を哀れんだ恋天使が、その扉を開く。解き放たれた無数の罪深き魂。それが動物に乗り移り、魔獣が誕生した。魔獣の頂点である王が生まれ、人間に転生した戦天使レイゲンと相争う。


 レイゲンと覚醒者の女の間に産まれた、エルティアという少女。彼女と魔獣の王の戦いが始まる。苛烈な攻防の末、とうとうエルティアが王を討ち取った。彼女は死後天界に迎えられ、五番目の天使、人天使となった――。


 観劇を終え商業区を歩いていたフェイヴァたちは、三人の狩人たちに絡まれる。ミルラが男に殴られてしまい、怒りに我を忘れてしまうフェイヴァ。男を殴り飛ばして我に返る。人間を殺してしまったかもしれない。罪深さに怯え、フェイヴァはその場から逃げ出してしまう。


 ユニとミルラが追いかけてきて、男は死んでいなかったと教えてくれた。しかし、フェイヴァの不安は去らない。男を殴って屋根まで吹き飛ばした自分は奇異の目で見られても当然だと、すっかり怯えていたのだ。案の定ユニに追求されるが、フェイヴァが守ってくれた事実だけがあればいいのだと、ミルラは微笑むのだった。


 夜も更けて、寄宿舎にいるレイゲンに視点は移る。ひとり訓練室に向かおうとするレイゲンを気にかけるルカ。リヴェンが無差別に暴言を吐き、サフィが呆れて溜息をつく。そんなやりとりが習慣のようになっていた。


 訓練室に足を踏み入れたレイゲンは、フェイヴァの姿を目にし咄嗟に距離を取ろうとする。だが、後ろから駆けてきたミルラに捕まってしまう。彼女はレイゲンとフェイヴァにきちんと話し合うべきだと言い、露台に行くように勧めるのだった。


 フェイヴァはずっとレイゲンに嫌われてしまったのだと、思い悩んでいたようだ。彼女と会話を交わしながら、自身の内面を深く探るレイゲン。試験当日にフェイヴァから離れたのは、単純に気恥ずかしかったから。けれども、それだけが理由ではなかった。フェイヴァが人を傷つけてしまった場合、レイゲンが始末しなければいけないのだ。彼女の人となりを知るうちに、その事実に苦痛を感じている自分がいた。だから彼女から遠ざかった。いつか来る日に、自分が少しでも心の傷を負わないために。


 レイゲンの胸の内を察したフェイヴァは、前のように仲良くしてほしいと、レイゲンに頼み込む。あなたは私を救ってくれた。あなたの役に立ちたい、恩返しがしたいと。彼女がなぜそこまで自分にこだわるのか、レイゲンはわからなかった。だが、これ以上彼女の存在を無視し続けていくことはできない。レイゲンはそう考えを改め、仕方なく承諾するのだった。






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― 新着の感想 ―
3章もよかったですー! フェイヴァにいい友達ができて、レイゲンも少し心を開いてくれた。仲間に恵まれ、困難を乗り越えていくと想像しますが、きっといいことばかりでもないような…。 4章がどんな展開になる…
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