【主な登場人物 用語 1章あらすじ】
【1章の主な登場人物】
【ピアース・デュナミス】
年齢20歳/身長165糎
・レイゲンの義姉。孤児院にいたところを、デュナミス夫妻に引き取られる。幼少期に実父から虐待を受けており、男性不信を引きずったまま成長した。今でもわざと男らしく振る舞っており、彼女が受けた心の傷の深さを窺い知ることができる。昔から人成らざる者を描いた物語を好み、年頃の少女が経験するような色恋には興味を示さない。もともとは反帝国組織の武具の整備士だったが、テレサに見いだされ彼女の助手になる。
【クライスター】
・反帝国組織の三尉。五等級で構成されている尉官は、軍の中隊長を勤める。
故郷を死天使に滅ぼされているため、死天使に対しての恨みは他の兵士よりも深い。
彼が兵士に命じて、フェイヴァを痛めつけた。
【1章に登場した用語】
【ルネ】
・【フレイ王国】の一都市。農業と牧畜が盛ん。
様々な都市を移り住んでいたフェイヴァとテレサが、最後に落ち着いた都市である。
フェイヴァはこの都市の放牧地で出会った牛の一頭に、ドンちゃんと名づけ可愛がっていた。
【ネルガル】
・ロートレク王国に位置している都市。首都の次に広大な面積を持つ。【ウルスラグナ訓練校】が建設されている。フェイヴァたちはこの都市で一年間を過ごすことになる。
【ウルスラグナ訓練校】
・【ロートレク王国】、都市【ネルガル】に設立された兵士養成学校。【死天使】であるフェイヴァの戦闘技術向上を目的として、【反帝国組織】が入学を強制した。
在学生は百人。一年間の実地、筆記の授業を受けた後、成績優秀者は【反帝国組織】に迎え入れられる。他にも都市の治安を守る【守衛士】や都市の外で【魔獣】を狩る【狩人】などに就職を斡旋してもらえる。
【魔獣】
・聖王歴後期に現れたと言われている、異様な生物の総称。人を襲い喰らう。その食欲は際限がなく、時として同族にさえ向けられる。その狂暴さから逃れるため、人類は都市に防壁を築いた。
小型の鼠型や大型の犬型のようにその種類は幅広い。かつて世界に生息していた動物の姿と似通っているが、そのどれもが元になった動物と比較にならないほど、気味の悪い形姿をしている。
【ダエーワ支部】
・反帝国組織が所有する塔のひとつ。ロートレク王国に位置している。周辺の哨戒を行うために、兵士が駐屯している。
フェイヴァが預けられ、その安全性を図るために一月、鉄格子の中に軟禁された。
【1章あらすじ】
フェイヴァとテレサがディーティルド帝国から逃れて、一年が経過した。記念すべきフェイヴァの誕生日──その日、テレサは贈り物とともにある提案をフェイヴァにする。それは、ウルスラグナ訓練校という兵士養成学校に、フェイヴァを入学させるというものだった。
テレサは自分たちの安全と引き換えに、反帝国組織から出されたいくつかの条件を呑んだ。フェイヴァをウルスラグナ訓練校に入れるのも、反帝国組織との取引の結果だった。
ウルスラグナ訓練校入学までの一月、フェイヴァは反帝国組織の支部であるダエーワという塔で過ごすことになった。死天使であるフェイヴァの安全性を確かめるためだという。レイゲンに連れられてダエーワ支部に向かったフェイヴァは、高圧的な態度を崩さないクライスター三尉に監禁されてしまう。自らの置かれた状況に恐怖するフェイヴァだったが、自分が人間ではないことを理由に無理やり納得する。
フェイヴァと同じくウルスラグナ訓練校に入学するというレイゲン。彼はフェイヴァの監視と教授を命じられていた。渋々フェイヴァと関わる内に、彼女の中に自分と同じ苦しみを見出すことになる。しかし、穏やかな交流の時間は長くは続かなかった。フェイヴァは、死天使の襲撃により家族や故郷を奪われた兵士たちによって、暴行を受ける。絶望の中、意識を失ったフェイヴァを救ったのは、レイゲンだった。彼はフェイヴァの傍らに腰を落とすと、慰めの言葉をかける。
フェイヴァの一月の拘禁期間が終了し、反帝国組織の指導者、ベイルのもとに報告が届く。テレサはその時初めて、フェイヴァが非道な仕打ちを受けたことを知り、娘に思いを馳せるのだった。




