安全神話
踏み出した鉄靴の先が
いつの間にか
ごっそりと持っていかれていて
ここは安全だ
ここまでは安全だ
そんな神話はなかったと
思い出す
思い知る
そんなピンク色の世界
ひしゃげた鉄の熱さと
そこで焼かれた皮の臭い
まぜこぜになったホコリが
その上にどんどんと積もっていって
燃えろ
燃えろ
勢いを増していく
僕はどうしたらいい
悩むまま
一目散に逃げ出せばいい
どこに行こう
新しい靴を買って
履きなれない靴で逃げ出せばいい
道々石ころを蹴って
その痛みが響かないことを祈って
足跡だけは続いていく
ありがとうございました。