1:人生はうまくいきませんでした
最近無職になってニートな生活をするのも大変だな~と感じます。
親は、働けといいますし怖いですし。
就活をした方がいいんでしょうが、外に出るのが怖くなってしまったんです。はい。
この小説の主人公も同じ目線で見てみると感じるものがあります。
3×4×3
この数字が意味する事は俺の部屋の体積…
誤差はあるかもしれないが大体あっているだろう。
この中でなら俺は最強になれるはずだ、一人しかいないからな。
「ハァ…」
口を開けばため息ばかり。
この俺、岡田壮の人生は単純だ。
幼稚園、覚えてない。小学生、確か鼻水たらしてた。
中学生、クラスで虐められてた同級生を助けた。
もちろんその後、俺も苛められた。
高校に上がり虐めが無くなると希望をいだいて入学。
虐めの主犯格&その他大勢が同じ高校に入学。
虐め続行!
現在24←今ここ
くだらん!実にくだらない…
「ハァ…」
自らの世界に閉じこもった。
外に出ようにも足は動かない。
やさしい両親のおかげで今日まで生きることができている。
することといえばただキーボードを叩くだけ…
何もしない、何も生み出さない。ただ、知識だけが集約されていく…
もし俺が外に出たら何をしよう?
両親に謝る?仕事を探す?
たぶん、どちらもしない…
彼に会いに行こうとする。中学生の時、一緒に虐められた彼を探すだろう。
それが、いつになるかは分からない…
「ハァ…」
三度目のため息、もう嫌だ。
ボスッ
布団にもぐりこむ、まだ昼すぎだが寝てもいいだろう。
眠気を手繰り寄せる。すぐにでも眠りたい。
頭が痛くなる妄想はもうしたくない。
意識が遠のいていく。
暗闇の中に落ちていく。
その時、不意につぶやいてしまった。
「もう二度と目が覚めなければいいのに」
何年ぶりにつぶやいたのだろうか?
なぜ、自分がそんな言葉をつぶやいたのか理解できないまま意識を手放してしまった。
彼は後に思うだろう、「こんな事ならつぶやくんじゃなかった!」と…
だが彼の運命は、彼が虐められっこを庇った時点で決まってしまったのだ。
もう、後戻りは出来ない…
「お・・・・き・て・・・」
起きて?誰も俺の眠りを妨げることは出来んよ…
これでも、超がつくほどのロングスリーパーなんでね。
「おいガーナ、こいつ死んでんじゃないのか?」
「おかしいですね?強制転生は成功しているはずですが?」
「まさか…副作用で中身まで赤子の様に…」
「可能性はありそうですね」
なんだ?どこかのチョコレート会社みたいな名前が聞こえたが…
てか、俺死んでねえよ!
ただ何だ?さっきから体動かそうとしても動かないだけだから!
「かわいそうですが殺処分しておきますね。」
「しょうがないのぅ、私の力を使ってもだめじゃったか…」
殺処分!?え?俺、消されるの?クエスチョンマークが荒ぶってんですけど!
ハイハーイ生きてますよ!生きてマース!
ピチピチの24歳でーす!
だからお願い!俺の体うごいてーよ!
九年間溜めに溜めた俺の力よ今こそ放出するときだ!
ビュン
「ふぉう…たたたたぅた立ったノジャー!」
「お下がりくださいエルカ様!攻撃かもしれません!」
立った…何が立ったんだ?エルカとかいう女の子がすごく動揺していたが…
まさか…
立ったらいけないものが今立ってんじゃねえか!?
え?何これ俺もしかして人生最大の過ちを女の子に見せてるの?
はぁ?
頼むから俺の体よ!目を開けてくれ!
俺の最悪の想像が正しければ…
目が開いた…
俺はどうやらうつぶせに倒れていたようだ。
そして、俺の目の先には…
そそり立つトカゲの尻尾みたいなのがあった。
「ガーナ!立った!儀式は成功じゃ!」
「そのようですね」
立ち上がり周りを見渡すとさっきから物騒な事を言っていた2人を見つけた。
冷静な声の持ち主である黒髪ショートの女性と…
「お~う勇者よ、魔物に転生するとは何事じゃ」
などと笑いながらいってくる。
白ロングの幼女がいた。
「テ…テンプレ乙…」
これが、俺の新たなリザードマン生の産声だった。