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王立魔法学園『ウィザード』  作者: 黒鬼
嵐神純の入学
5/5

出会い

5話




夢を見ていた



10年前、住んでた町に大量の兵士が送り込まれた、親も、友達もみんな殺された



生き残ったのは僅か50人、だけどその中に大切な親友がいた



親友の名は節野紅(セツノコウ)、家も近くよく一緒に遊んだ



紅は言った……魔法使いになって皆んなを守りたいと



俺も同じ考えだった



それから数ヶ月、2人で魔法の修行をした、幸い町にあった魔導書は残っていた



俺は全ての属性に適合していた、たいして紅は一つも属性に適合していなかった



俺は無属性魔法の中でも稀に発現される【ユニーク魔法】を発現させていた、皆んなを守る為にユニーク魔法を必死に修行した



対して紅は魔力こそ膨大だったが何も出来なかった



そしてその時は来た、今度は兵士ではなく魔法使いが大量にやってきた



俺には何故執拗にこの町の人を殺そうとするのが分からなかった



だけど俺は戦った、相手の魔法使いも沢山殺した、じゃないと自分が殺されるから



そこで意識が途切れる



またあの場面が思い出される、もう何度も夢で見た



もう……やめてくれ



俺はいったい…………



どう選択すればよかったんだ…………



分からない



分からない



分からない



分からない



分からない



最後に親友の言葉が聞こえる










「……………………………卑怯者」

















「ッ…………!」



そこで目が覚める、時計を見ると時刻は7時

またこの夢である、何度うなされたか分からない



「……………………………卑怯者……か」

















俺たち1年5組は今、学園の校庭に集まっている。

これから行うのは実戦授業といって、生徒同士で実際に魔法を使って戦う組み手の様なものだ。



「はーい、それじゃあ番号順でいくよー」



陽子先生の呼びかけに皆答える、俺以外の生徒達は何度かやったことがあるらしいが俺は全くの初めてである。



「じゃ、雨宮さんと嵐神くん、前に来て」



いきなりのご指名か、まあ俺は番号2番だから当たり前か、それに相手はあの雨宮さんである、

…………どさくさに紛れて身体に触れちゃいましたーとかいいんですか? 特に胸とか……



「ほら、早くしなさい」



くだらない事を考えてないで真剣にやらなければ、丸さんから無属性とカリバーンは使うなと言われている。



「よろしくね嵐神くん、女だからって手加減しないでね」



恐らく俺はそんな事をしなくても、マトモにやりあえるか分からない、何故ならーーーー



「お手柔らかに」




俺はーーーー




「始め!」




無属性以外の魔法を使えないからーーーー






開幕早々雨宮さんは、風属性Dクラス初級魔法『風輪(ストームサークル)』を俺に放ってきた。

風属性の特徴は速さと切れ味である、もうスピードでやってくる風輪(ストームサークル)を横に飛びながら避けると直ぐさま次の風輪(ストームサークル)が飛んでくる、だが避け切れないスピードではない、体を仰け反り、避ける。



さて、俺は無属性以外の魔法が使えない、それはこの状況においては魔法が何も使えないという事である。

使えないというのは修練した事がないという意味であり、幼い頃から無属性しか修練していない付けがここで回ってくるとは思ってもいなかった。



彼女が次に放ってきたのは風弾(ストーム)、それも1個ではなく10個ほど彼女の周りを浮いている。



「よく避けるわね……でも、これはどうかしら! 」



風弾(ストーム)がバラバラの軌道で襲ってくる……






甘い、組織の仲間でこれを数100個やってのける化け物がいたと思い出す、それに比べれば何て事ない。



10個全て避けきり雨宮さんに接近する、彼女は後退しようとするが、後ろに先回りし足を引っ掛け転ばせる、手加減するなといったがやはり女性を殴るのは気がひける。



「きゃっ…………早い……」



転んだ彼女の顔の前に魔力を帯びた拳を向ける、ゲームセットだ。



「勝負あり……ですよね?」



陽子先生に確認をとる



「ええそうね、そこまで!」



雨宮さんに手を差し伸べさりげなく紳士アピールをしておく、こういう積み重ねが信頼関係を築くとどこかの本で読んだ気がする。



「大丈夫?」



「うん、ありがとう」



雨宮さんが俺の手に掴まって起き上がる。



「それにしても貴方凄いわね、魔法も使わないであそこまでやるなんて」



違います、使わないじゃなくて使えないんです。



「まっ……まあね、ははは」



笑って誤魔化していると良と逸がやってくる。



「すげーな純!身体強化も使わないであのスピードは! 次俺とやろうぜ! 」



そんな……勘弁してください、正直今の凄いしんどかった。



「何いってんだ良、今日は1人1回だぞ、ほら、お前の番だぞ」



「うおっ! 本当だ、いってくる! 」



良が先生の元へ行き2回目の組み手が始まる、見学しながら俺は今後についてもっと真剣に考えないといけないと思っていた。

このままだと魔法が使えないというのはいつかバレるだろう、そうなる前に何かしら魔法を覚えなければならない。



「(こりゃ今日から特訓だな、なるべく人がいない時間を見計らって……)」



これからの事に思案する純をよそに、良は叫び声を上げながら戦っていた。






現在夜の10時、俺はこっそり演習場に居た。

理由は簡単、人が多くいる時間に下級魔法の修練などしてれば逆に目立ってしまう為、本来来てはいけないこの時間帯に来ている。

演習場には鍵がかかっていたが、とある魔法で直接館内に入り込んだ。



「おお、こうして見るとやっぱ広いな、前に来た時は邪魔がはいったし」



先日の赤髪男を思い出す、今回は邪魔など入らないだろう。



「それじゃあ先ずは……雨宮さんが使ってた風弾(ストーム)をやってみるか」



風属性Eランク初級魔法『風弾(ストーム)』、チョイスとしてはいいと思う。

手のひらに風属性の魔力を流し込む、魔法で大切なのはイメージだ、さっき雨宮さんが使っていたのを思い出す…………よし、いい感じだ。



風弾(ストーム)!」



演習場の的に掌を向ける……サイズは小さいが確かに風弾(ストーム)が出来上がっていた…………と思ったら風を巻き起こしながら消えていってしまった。



「うわっ! ……まあ最初から成功する訳ないか」



気を取り直してもう1度魔法を発動させようとした時、後ろから声がかけられる。



「誰かそこにいるの? 」



女性の声だった、マズイ、先生か⁉︎



後ろを振り返る、そこには先生ではなく、女子生徒がいた……その姿を見て言葉を失う。



身長は俺より少し高いだろうか? 銀髪の長い髪を腰の辺りで縛っている、透き通るような美しい白い肌に燃えるような赤い瞳、クールそうな整った顔立ちに俺は見惚れてしまった。



「貴方、ここで何をしているの? 」



彼女が至極当然な質問をしてくる。



「あっ……ええと、魔法の特訓をしようかなと……」



うん、嘘は言ってないぞ。

すると彼女はこちらを咎めるような顔をして問いかける。



「今の時間帯は演習場の使用は認められてないわよ、私は生徒会の仕事で見回りをしていたの、そしたら演習場から音が聞こえてきたの、来てみたら……貴方がいたのよ」



生徒会だって⁉︎ この学校にもそういうのがあるのか、取り敢えずそれは置いといてこの状況をどう打開するか考えなければ。



「その……人には余り見られたくない魔法でして」



こうなったら事実を話して見逃してもらえるよう祈るしかない。



「人に見られたくない? ……怪しいわね」



「……Eランク初級魔法の特訓を」



瞬間彼女の顔が未知の物体を見るような顔に変わる、まあそりゃそうか。



「Eランクが使えないって、貴方どうやって入学したのよ……」



もっともな意見だ、これに対してはどうするか……俺は試験を受けていない、組織の権力で入学したのだ。



「俺、この前転校してきたばかりで、入学はコネ的なアレで……」



「………………」



彼女は黙ってしまった。



「呆れた……実力も伴わないのにそんな理由で入学して、あなた恥ずかしくないの? 」



鋭い目つきで言い放ってくる、うぐ……しかし本当の事は話せない、それに魔法が使えないのは本当だがここまで言われて黙ってられないぞ!



「おっ……俺だってそんなの知ってるさ! だからこうやって特訓してんだ! 文句あるか! 」



プライドも何も無く、開きなおった考えで言い返す。



「大有りよ、まず時間は守りなさい」



ぐはっ…………!



「でも……その考えは嫌いじゃないわ」



「へ?」



突然の肯定に戸惑う俺。



「そういう自分を受け入れて考えて、そんな自分が嫌だから、わざわざ忍び込んでまで努力してたんでしょう? 」






『努力』その言葉に俺は反応する、確かに魔法を扱うには努力しなければならない、だけど…………そんなスタートラインに立つ事すら許されなかった者を、俺は知っている。



「あっ……ああ、そりゃどうも」



ぎこちなく返事を返す。



「そうだ……私が1回だけ見てあげるわよ、貴方の魔法」



「えっ⁉︎ アンタが! 」



突然の事に驚く、なんでだ?



「何かの縁よ、あと、私は鬼龍院零菜(きりゅういんれいな)よ」



ついでに名前まで教えてくれた、鬼龍院……その名を胸に刻む、こんな美女そうそう出会えない。



「じゃ、見てくれ鬼龍院」



掌を差し出し魔力を流し込む、イメージだ……



風弾(ストーム)……! 」



掌に風が集まり1つになっていく……これはもしや……成功か!



「鬼龍院! これって! 」



「まって、気を抜いたらすぐ……」



遅かった、掌の風は先程と同じく風を巻き上げながら消えていく。



「くっ……油断したっ…………あっ」



俺は風が舞ってるなか、鬼龍院のある部分を凝視してしまう。

鬼龍院のスカートが風によってめくれていた……



「何…………なっ⁉︎」



ようやくきずいた鬼龍院、白い肌を真っ赤にしながらスカートの裾を抑える、だが時既に遅し、俺の目にはバッチリ焼きついている。



「………………ッ!」



彼女がこちらをギロリと睨みつける、えっ……今のって俺のせい?



「まあなんだ……以外にかわいい下着履いてんじゃねえか、ピン…………」



俺が色を言い終える事は無かった、何故なら彼女が放った氷属性Cランク上級魔法『氷衝撃(アイスショック)』により俺は吹き飛んでいた。


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