星空との約束 エピローグ
「晴樹?・・・おーい!晴樹ったら!?」
ふと視線を向けると作楽が心配そうにこちらを見ながら呼びかけていた。
「あ、ごめん」
「晴樹、大丈夫?なんか思い詰めてた表情だったけど」
「あ、全然。それよりなんだっけ?」
「ちょっと!ちゃんとしてよっ!コレ!」
彼が持っていた写真にもう一度指を指す。写真を見ると確かに生き霊のようなものが微かに感じる。存在こそ見えないが視線ぐらいは感じる。しかし、写真にまで映り込んでいる、意識と言うことは思った以上に複雑ことになっているのかもしれない。彼はしばらく考えた、が別に良い解決策を見いだせるわけもなく分かった事だけを彼女に告げる。
「さっきも言ったけどこれは霊でも生きた人が出している生き霊の分類。悪霊と違ってすぐに害になるってことはないだろうけど、いつ悪側に反転するか分からないね。それに姿が見える訳でもないから小さい女の子って断言するのは難しいかも」
「なるほどね。了解!ありがとう!やっぱりか!これで取材が続行できるよ」
そう笑いながら言うと彼女は写真を彼から受け取りカバンへとしまい歩きだす。すると、なにかを思い出したのか、あっ!、と大きな声を出しこちらへ視線を向けてくる。
「そう言えば桜井っち結婚するらしいよ!」
「マジ!?誰と!?」
彼女は彼の問いには答えず笑いながら立ち去ってしまう。本当に聞きたかったら追いかけて聞けばよかったのだろうけど、なんとなく相手が誰かと言うことは分かっていた。なんとなく。すると携帯電話が鳴り液晶には花の名前が出てくる。すぐに電話に出ると帰りは遅くなるのか?と言う電話だった。慌てて彼はすぐに帰宅すると言う事を告げ急ぎ花宅へ向かおうと足を進めようとした瞬間になんとなく空を仰いでみる、と昔懐かしい見覚えのある星空が広がっていた。
次回 ストロベリーハート