再び
担当:尖角成り
俺はわかりやすく季節の違う半年前に時間をセットして、再び《GO!》というスイッチを押した。
そして、周りの景色が光によって歪む。
正直、二度目の体験ではあるが気持ち悪い。
前はギュッと目を閉じていたから、時空を超える瞬間を見届けることはなかった。
しかし、今回の俺は目を開けていた。
それは、ちょっとした好奇心と、彼女がちゃんとついてきているかの確認を兼ねてのことである。
だからか、とにかく俺は時空を超える瞬間を目にした。
だが、それは漫画やアニメでよくあるような光景で、散りばめられた光が高速で駆け抜ける“あれ”みたいな感じ……。
だから、あまり見ても仕方がなかったというか、つまらないものではあった。
そして、俺は時空を超えてからすぐ、彼女の肩をつかむ。
それは彼女に言葉を投げかけるため……。
だから、俺は彼女に向かって言葉を発した。
「これが君の言っていた“ファンタジーな嘘”だよ!!」
「わかったか!?」
「これが現実なんだよ!!」
俺達がついた場所は、前にいたところとは明らかに違っていた。
なぜなら、そこでは前の季節の夏とは違い、雪が降っていたから……。
だから、彼女の説得にも時間はかからなかった。
「嘘……でしょ……?」
「これが現実ですって??」
「ありえない!!」
「ちゃんとどんな仕掛けを使ったか説明しなさいよ!」
なんと、彼女は“現実の出来事”を“イリュージョン”と勘違いをしているらしい。
だから、俺は惑うのである。
『説明しろって言ったって、どうやって……?』
『どうやってしろって言うんだ~~~!!!』っと少し乱心気味に。