時刻
担当:尖角
自己紹介も終わったところで、俺は時間が気になり公園の時計を覗いてみた。
すると、時刻は17時。
確かに、周りも暗くなってきつつあるし、移動しなければ日が暮れてしまいそうだったので、とりあえず俺は行動を起こすことにしてみた。
「あのさ、ここが何処かわかりま……わかるかな……?」
「別にヘンに気を使わなくたっていいって……」
「私の方が少しだけ年が上なだけで、そんなに変わんないんだから……」
そう言って、松井さん……じゃなかったな、ユウコは笑った。
だが、俺も同じように笑うことは決して許されなかった。
それもそのはずだろう?
だって、今の季節は冬。
そして、今いる場所は外。
さらには、現在は夕暮れ時。
早く今日寝る場所とかを見つけなければ野宿をすることになってしまう。
『あぁ、無駄に半年も前に来るんじゃなかった……』
俺は心の中で呟いてみた。
だが、後悔先に立たずだな。
俺はそう思って、ユウコに聞いてみたわけなんだ。
そして、ユウコは俺の言葉使いを少し気にした後に、まともな返事をした。
「一応わかるよ?」
「だって、通ってる高校のすぐ近くだもん……」
「ってか、そのイリュージョンを起こすボックスって同じ場所にタイムスリップするわけじゃないんだね?」
ここで、イリュージョンだと言いつつも俺に質問を投げかけてきたユウコ。
ん? ユウコの通ってる高校の近くだって?
なるほど、なるほど、、、 じゃあ一つだけいい手段があったな。
「あのさ、ここから家は近いわけ?」
「俺は自分の家がどこかもわからないし、それに日も暮れ始めてウインドブレーカーだけじゃ寒くなりつつあるから、とりあえずユウコの家に向かうことにしないか?」
「タイムスリップする場所については歩きながらでも話すことにするからさ……」
俺は、そういって彼女の返事を待ってみる。
すると、ユウコはどうやら機嫌を直してくれたようで「いいよ、私の家に行こうか」と言ってくれた。