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悪役令嬢ですが、呪ってません!~断罪回避のため闇魔法を隠していたら、王子に正体がバレました~  作者: 志熊みゅう


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8. 協力

「……ああ。」


「令嬢たちの噂話ですが、魔王が復活し、領土が瘴気に晒され、王族には謎の呪いが広がっていると聞きました。もちろん、詳しい話は存じ上げませんが。」


「君は魔王崇拝教のことはご存じか?」


「ええ、名前だけは。」


「彼らの企みによって五年前、光の剣に封印されていたはずの魔王が復活した。そして剣は僕を"光の勇者"に選んだ。――僕は魔王と闘うことが運命づけられたのだ。」


「五年前というと、殿下とスクレの森で会う前ですね。」


「ああ。僕は光の勇者として、聖女・オレリアやアランの力を借りて、魔王の形跡を追っている。だがしかし、魔王崇拝教はこの国の貴族社会に根深く巣食っているようでね。なかなか一筋縄にはいかない。」


「魔王は魂だけの存在だと、昔祖父の書斎の書物で読みました。つまり、依り代になっている人間がいるということですか?」


「その通りだ。瘴気で増えた魔物を狩って、土地を浄化してもキリがないし、魔王崇拝教も尻尾が全く掴めない。何か手がかりを得られそうかと思うと、関係者が謀ったように消息を絶ってしまう。」


「王族の呪いというのは、具体的にどなたが呪われたのですか?そもそも、光属性は呪いにかかりにくいのでは。」


「そ、それは……。」


 もし原作通りなら、彼のお兄さん、第一王子が強い呪いを受けてもう何年も寝込んでいる。その呪いは看病をした婚約者の令嬢にも移り、亡くなった。また彼を見舞った王妃にも呪いが飛び、彼女も病に伏せった。皆に恐れられた第一王子は必要最低限の従者と北の塔に幽閉された。


 ピンチはチャンス。婚約者でもなんでもないモブ令嬢が、第二王子のリュカと話ができる機会は限られている。王族の呪いがどこまで進行しているかを確認しておこうと思った。


「呪いについては、祖父の書斎にあった本で学んでいます。詳しくお聞かせいただければ、多少、お役に立てるかもしれません。」


「――うむ。」


「殿下、彼女の力を借りてみるのはありじゃないですか?このままでは八方塞がりですし、聖女の浄化も表面的な邪気を払うだけで、根本的に呪いを解くことはできない。」


 今まで黙って話を聞いていたアランが口を開いた。


「そうだな、だが……。」


 呪い返しの食いつきが良かったからいけるかと思ったけど、さっきまであんなに疑っていたんだ、やっぱり無理か。何かを考えている様子のリュカに、私は告げた。


「――まあ私のことはご信用いただけないですよね。お話が終わったようなら、教室に戻ります。あと闇魔法のことは黙っていていただけるとうれしいです。魔王崇拝教に目を付けられたら大変ですから!」


「待て!待ってくれ。君に協力をお願いしたい。だが、母上はあんな呪い見たことがないと言っていた。未知の呪いかもしれない。部外者の君を危険に晒す訳には……。」


「えっ、未知の呪いですか?それは興味深いです。むしろ腕が鳴ります。」


「君には参ったよ……。レナ嬢。」


 その後、リュカから詳しい話があった。やはり呪いを受けたのは、第一王子・アレクサンドル殿下。婚約者や王妃の話も原作と一緒だった。唯一違うのは、第一王子が呪いを受けた五年前、私・レナは領地に籠っていた。それはリュカ自身も確認している。つまり、王族の呪いについて、私は疑いようのない白である。いくら私が闇魔法に長けていたとしても、この件で処刑はできまい。ほっと胸をなでおろした。


「そのお話だけでは何とも言えませんが、直接見れば、何かとっかかりが掴めるかもしれません。」


「ありがとう。恩に着るよ。魔王崇拝教の動向は不穏だ。君の言う通り、君が闇魔法の天才と知れれば、なにがしかの危害を加えられる恐れもある。ひとまず君の能力については伏せようと思う。」


「ありがとうございます。助かります。」

 

 "呪い返し"は一旦リュカが預かり、王立魔法研究所で極秘案件として、その応用と普及を考えると言われた。


「では、レナ嬢。よろしく頼む。」


「いえ、こちらこそよろしくお願いします。」


 部屋を出て、いつもの教室に戻る。廊下の先にふわりと揺れるピンクの髪――聖女・オレリアが現れた。


「あなた……、生徒会室にリュカ様に何の御用かしら?」


 確かに、この先には生徒会室しかない。オレリアは少し焦った様子だ。そうか。彼女はリュカが私を呼び出したことを知らないのか。


「ふふ。オランジュ侯爵家のレナ嬢と申します。殿下に呼び出されたんですよ。大した用ではありませんでしたが。」


 にっこり微笑みかけると、聖女固有の金色の瞳でオレリアに睨みつけられた。


「オランジュ侯爵家……。あなた、少し見目がいいからって調子に乗ってると、噂になってますわよ。とにかくリュカ様にご迷惑をかけないで頂戴ね。お忙しいんですから。」


「まあ、そのお噂、初耳ですわ。オレリア様こそ、少々思い上がっていらっしゃると噂になっておりますわよ。それに私が殿下と少しお話したくらいでなんだと言うんですか?まさか長く領地に籠っていた病弱な令嬢が王族の婚約者の候補になると思って焦っていらっしゃるんですか?」


「……あなたっ!分かっているなら別にいいわ。急いでいるので失礼しますわ。」


 どうしちゃったんだろう、私。あんなの相手にしなくてよかったのに、彼女の言葉、仕草がなぜか癇に障って、つい言い過ぎてしまった。それにリュカとオレリアの関係性は私が知っているものと違うのだろうか?アランを同席させていたんだから、オレリアを同席させてもよかったはずだ。私は少しそのことが引っかかった。

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