表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜更かしから始まる青い春  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/6

ep.6ーマユ、襲来ー


 【ピーンポーン】


 今日は日曜日、そして、昼。

 両親は2人で出かけており、不在だ。

 つまりこの鳴り響いたチャイムは俺が対応しなければならない。


 「……はい」


 インターホンの画面に映っていたのは、ピースをしている天月さんと、出るの遅い!とちょっとにこやかに膨れているマユだった。


 階段を降りてドアを開けると、


 「こんにちは!」


 と、満面の笑みを浮かべている天月さん。


 「お邪魔するね」


 と、スタスタ遠慮なしに上がり込むマユ。


 「ケンヤの部屋変わってないよね?」


 と階段を上がり始め、まるで我が家にいるかのように振る舞うが……以前と変わらないな、この感じも久し振りだ。


 「本当に仲良しだねっ、マユと天童君」


 お邪魔しまーすと言いながら天月さんも続く。

 すると上がって正面の部屋だからー!との声。


 「……まったく」


 ため息をつきつつしょうがない奴だ、と呆れて俺も部屋へ。


 ガチャリ、ドアが閉められていたので開ける、なんで閉められてんだ、俺の部屋なんですけど。


 「あ、ケンヤさー悪いけどお茶ある?」


 漫画棚からチラリとこちらへ目だけやり、飲み物を所望された。


 「私は……お構いなく……」


 ヘヘッ、と気まずそうに笑う天月さん。


 「マユ、少しは遠慮ってものをだな」


 「いや、ケンヤの家は私の実家みたいなもんだし」


 「それ!母ちゃんがうちの家族だからって言ったのずっと覚えてるだけだろ!


 「そう、ね。いや?」


 「そういうわけじゃねえけど」


 「ふーん、嫌じゃないんだ。じゃ、お茶な」


 ニヤリとするマユ。


 まあ最初から飲み物くらいは出すつもりでいたからいいんだけどよ、天月さんの少しそわそわした感じを見ろ、俺らの空気に気まずそうじゃないか。

 少しは気を遣え!


 と、内心では言いつつも言ったら言ったで長引きそうなのでやめる。

 こういうところの引き際は大切だ。


 「2人とも麦茶と紅茶どっちがいいんだ」


 「あ!それなら!」


 と、持っている袋をガサガサとする天月さん。


 「マスド買ってきたから紅茶の方がいい、かな?」


 おお!さ、さすが天月さん!こうやって気を遣えるところがまさに委員長!

 と、ジロリ。


 「あ、いや、ほら、私はぁ〜まあ、私が来たし」


 目を向けたマユはなんだかさっきまでの態度とは打って変わり、何やら言い訳をしている。

 それになんだ、私が来たって、私がいるんだからそれ自体に感謝しなさいよ、みたいな。


 マユとは家族絡みの付き合いで気兼ねしない仲なのでそういうのは気にしないから特に求めてもいないがな。


 「ドーナツ食べんのいつぶりだろ!ありがとう天月さん。マユも紅茶でいいな?ちゃんと天月さんにお礼言えよ」


 「言われなくてもするわ!」


 あはは、となんだか楽しそうに笑う天月さん。

 よかった、少し慣れてきたかな。



 お茶を淹れて部屋の前まで来たところ、中から何やら物音と話し声がする。

 なにやってんだあいつら、気になって耳を澄ます。


 「……マユ、やっぱやめとこ」


 「なんだ凛、気になんねえのか?」


 「いや、そういうことじゃなくて!」


 「そういうことじゃないならなんだよ」


 「だからあ……」


 「大丈夫だって、ケンヤは昔からここに……あ、場所変えたか?」


 ガチャ、嫌な予感がして扉を開ける、と。


 「何やってんだお前ら」


 ベッドの下の衣装ケースを手前に引き出し四つん這いで潜り込んでいるマユ、そして天月さん。

 俺の声に気がついたマユと天月さんはひょっこり顔を出して、天月さんはバツが悪そうに苦笑い。

 口を開いたのはマユだった。


 「ケンヤ、お前エロ本の隠し場所変えただろ」


 なっ!!!


 「お前!何やってんだ!エロ本って、お前!なんでしって……じゃなくて!やめろ!」


 「えっ、天童君エロ本持ってる……の」


 やばい、このままだと天月さんにドン引かれて嫌われてしまう!

 あの腐れ根性悪魔め……。


 「あ、いや、違う!違うんですよ!エロ本じゃなくて、その、漫画雑誌の表紙がグラビアで!」


 「おっ、最近はリアル嗜好になったのか。前まではマジの18禁漫画を……」


 「やめろ!いいから!もう!ねえ!ねえよこの部屋にそんなもん!」


 ぜえぜえと息を吐き、額には吹き出る汗を感じた。

 するとマユは腹を抱えてひぃひぃしながら爆笑している。


 「ひ、ひ、必死すぎだろ!腹いてぇ!」


 終わった……。


 天月さんの方を見ると、天月さんも俺から目線を逸らし、肩を揺らしていた。


 あ、さらば青春の光。


 もう俺は天月さんの中で変態が確定してしまったに違いない。



 「悪かったって!機嫌直せよケンヤー」


 本当に悪いと思っている人は、ドーナツを食べて漫画を読みながら謝らないと思うんですけど。


 「いや、別にもういいよ、それよりドーナツ食べながら漫画触んな!」


 「それにしても本当にたくさん持っているんだね!ケンヤ君のおすすめはなに?」


 本棚の前で漫画本を眺めている天月さん。

 と、俺の漫画好き魂が少し燃えてしまった。


 「ここにあるのもいいんだけど、まだあるんだ」


 と、ウォークインクローゼットの前へ誘導する。


 「ここにもあるの?」


 こちらを見上げる瞳がキラキラしている、凄い期待感だ。

 が、その期待を裏切ることはないだろう。


 ガラッと勢いよく開けると、俺渾身の漫画コレクション!

 すごい!すごいね!天童君!と足を踏み入れていく天月さん。

 本当に喜んでくれているみたいだ。


 「多分その奥にちょっと古いんだけどマドラーヌ系とからぼん系とかもあるから好きに見てね」


 ふふっ、ただの少年漫画好きではない、少女漫画の名作ももちろん履修済みだ。

 これで天月さんの評価も上がること間違いなし、だ。


 「あっ!そういえばケンヤ、そのクローゼットに昔本を隠したんだ私!見つかってないかもだけど!」


 と、マユがはっと思い出したような顔を本から覗かせている。


 「はあ?一体何を隠したんだよ」


 「なんだっけな、いたずらでやった記憶があるんだけど……」


 「て!天童君!」


 奥から天月さんのちょっと悲鳴めいた声。

 なんだ、どうしたんだ、虫でも出たのだろうか。


 「こ、これ……」


 少し声を震わせている天月さんが姿を現した。


 「おお!懐かしい!ケンヤ!それだよ!」


 背後からは感動し、はしゃいでいるマユの声。

 そして、俺の胸を覆うぞわぞわっとした、感情。


 天月さんが手にしていたのは……。


 「違う……違うんだ!天月さん!」


 身に覚えがない、エロ本だった。



「面白かった!」


「次話以降も読みたい!」


「今後どうなっていくの?」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!

⭐︎1〜5の中で皆様の評価をいただけたらとてもありがたいです!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです!


何卒よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ