【業火の魔女編:フィリス王国】
はじめまして、えす椎名と申します。
ずっと書きたかった物語を、思い切って投稿してみました。
この作品は、
「なりたくなかったのに魔女になってしまった子」をテーマにしています。
シリアスもありますが、最後はちゃんと光が射す物語にしたいと思っています。
不慣れな部分もあると思いますが、
少しでも楽しんでもらえたら、それだけで幸せです。
どうぞよろしくお願いします。
「フィア、悪いが……その、フィリス王国へ行ってくれないか?」
「……はい? 私がですか?」
フィリス王国とは、500年前に『業火の魔女』が誕生した国である。
そのフィリス王国があるルーナリア大陸は今でも業火に覆われており、足を踏み入れた者は一秒も経たずに焼かれてしまうという。
「いやぁ、フィアとフィリス、名前も似てるから相性もいいだろう?」
上司のアルグが意味不明な理由を口にする。
いつもこの人は適当なのだ。
「嘘ですよね」
「あはは……実は、陛下からの命令なんだ。僕の部下で一番優秀な子を連れて来いと」
「はぁ……ならしょうがないですね」
面倒だ。
心の中で小さく悪態をつく。
いくら噂だとしても、地獄の業火に焼かれて死ぬなんてごめんだ。
でも、陛下の命令なら行くしか選択肢はない。
「じゃ、準備はしてあるから明日出発ね〜」
「わかりました」
これはもう逆らえない。
王都が恋しい気持ちも束の間、フィリス王国へ向けて着々と事が進められていった。
「うぅ……フィア様ぁ……悲しいです……」
「ルミ、これは仕方がないことなんだ……」
「うっ……でもぉ……」
親友のルミが泣き、ルミの兄のルイが窘めている。
二人の目元には涙が浮かんでいた。
「私も悲しいわ。でも……しょうがないの。私がいなくなっても、元気でね」
「「わかりました。それでは……」」
二人の声が重なる。
こんなところでは、しっかりと兄弟なのね。
お読みいただきありがとうございました。
まだ描きたい場面がたくさんあるので、少しずつ形にしていこうと思っています。
もしまた読みに来てもらえたら、とても励みになります。




