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天才魔法オタクが追放されて辺境領主になったら、こうなりました  作者: 優木凛々
第1章 魔法研究者アリス、辺境に追いやられる

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6/14

【一方その頃】 思惑(1/2)


本日2話目です

 

 アリスが王宮を出発した、その日の昼過ぎ。


 王宮の離れにある豪華絢爛のティールームで、王妃がお茶を飲んでいた。

 窓からは、12,3歳くらいの少年が剣の稽古をしているのが見える。


 彼は、セドリック第1王子。

 王妃の最愛の息子だ。



(国王に相応しい風格が出て来たわね)



 王妃が満足げな顔で少年をながめていると、1人の黒い執事服の男がやってきた。

 彼は丁寧にお辞儀をすると、王妃に囁いた。



「ジャネット様が、魔法研究所の所長に就任されることが決まったそうです」

「そう。それは良かったわ。上手くやれそう?」

「はい、問題なさそうです」



 王妃は満足げに笑った。



「あの子には、この国のため、ファーガソン公爵家のために、がんばってもらわないとね」

「ごもっともです。――それと、例の魔法研究者ですが、今朝王都の街を出ました。魔法士たちによると、まっすぐヴェルモア領を目指しているそうです」

「それは良かったわ」



 王妃がにっこり笑った。



「単なるビクターの腰ぎんちゃくだったとはいえ、生きていてもらっては困るものね」

「国防の観点から見れば、当然のお考えかと」



 男が恭しく頭を下げる。



「大規模結界魔法があれば、我が国の力は格段に上がるでしょうね」

「ええ、間違いありません」



 王妃は満足そうに微笑むと、男に手で下がるように合図をした。

 再び窓の外に目をやると、自分の息子を嬉しそうにながめる。


 彼女の出身であるファーガソン公爵家は、軍事貴族だ。

 今後は、公爵家を中心として大陸統一を進め、最終的にはセドリックを大陸の王にするのだ。


 そのために必要な魔法研究所の掌握は、今回のことでずいぶんと進んだ。

 あともう少しだ。


 彼女はしばらく息子をながめた後立ち上がった。

 メイドたちを引きつれてティールームを出る。


 彼女の頭の中からは、自分が辺境においやった魔法研究者のことなど、すっかり消え去っていた。





 ――そして、これとちょうど同じ頃。


 魔法研究所にある所長室で、ファーガソン公爵家のジャネットが、満足そうな顔で所長の椅子に座っていた。





(2につづく)






もう1話投稿します



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