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天才魔法オタクが追放されて辺境領主になったら、こうなりました  作者: 優木凛々
第4章 結界探索と謎の地図

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02.結界の探索

 


「それでは会議を始めましょう」



 まず、広がった結界内の調査しているオーウェンが口を開いた。



「城を中心に広範囲に渡って魔獣がいない状態だ。安全地帯と知ってか、リスやウサギ、鹿といった害のない動物たちが集まってきている」



 結界内部は普通に歩いても問題ないほど安全な状況らしい。

 エマが笑顔で口を開いた。



「そういえば、リンダさんが、アリスちゃんに感謝していたわ」



 リンダさんとは料理人だ。

 どうやら夜に魔獣の声が聞こえなくなって、よく眠れるようになったらしい。


 なるほど、とアリスは思った。

 なんか最近よく、おやつをくれると思ったら、そういうことだったらしい。


 エマによると、子どもたちの夜泣きも減り、古城内は前よりも過ごしやすくなったようだ。


 みんなが感謝していたと言われ、アリスはやや照れながら頭を掻いた。



(確かに、城壁があったとはいえ、近くに魔獣がいたら落ち着かないよね)



 結界修復が成功して良かったな、と思う。



 その後も報告は続いた。

 植物系の魔獣も結界の外に押し出されている、といった話がされる。


 そして、話がひと段落すると、ビクトリアが口を開いた。



「安全性が確認できましたので、これから結界内の地図を作りたいと考えています」



 開拓をするにあたり、地形把握などのためにも地図は作った方がいいらしい。

 ビクトリアがアリスを見た。



「結界の境界が分かるアリスさんに調査に同行していただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか」

「はい、分かりました、大丈夫です」



 アリスがうなずいた。

 研究に没頭したい気持ちはあるが、結界がどこまで続いているか調べるのも面白そうだ、と思う。


 その後、調査に行くメンバーを決めた。

 調査の要となるアリスを起点に、護衛役にテオドール、作業担当としてオーウェン、エマ、それともう1人が参加することになる。


 アリスが首をかしげた。



「もう1人って誰ですか?」

「うちにいる地図の専門家です」



 ビクトリアの合図で、フレッドが「呼んできます」と外に出た。

 しばらくして、女性を1人連れて現れる。

 三つ編みの小柄な女性で、どこか緊張したような面持ちをしている。


 ビクトリアが微笑みながら女性を紹介した。



「彼女の名前は、リット。地図の専門家です」



 ビクトリアによると、リットは元文官で、地図を作る部署に所属していたらしい。

 今ある古城の見取り図も彼女が作っており、

 今回、周囲の地図も作ることになったようだ。


 リットが、カクカクと頭を下げた。



「リ、リットです! ええっと、地図が大好きです! よろしくお願いします!」



 好きなものを宣言する姿に、アリスは親近感を覚えた。

 何となく、自分と同じ匂いがする。


 その後、7人は打ち合わせを再開した。

 次の日から早速探索をしようということで話がまとまり、その場は解散となる。


 アリスは研究室に戻ると、そこから夜遅くまで研究に没頭した。



 *



 会議の翌朝。

 まだ夜が明けない暗いうちに、アリスはテオドールに起こされた。



「アリスさん、起きてください、時間ですよ」

「うん……もう少し……」



 アリスは毛布を頭からかぶった。

 テオドールがくすりと笑う。



「アリスさん、今日は探索ですよ」

「……そうだった」



 アリスは、むくりと起き上がった。


 寝ぼけ眼で身づくろいをすると、テオドールと共に食堂に行く。

 半分目を閉じながらパンをもぐもぐ食べていると、テオドールが苦笑した。



「昨日も遅かったんですか?」

「うん……なんか熱中しちゃって、気が付いたら日付が変わってた」

「……アリスさんって、どこにいても変わらないですね」



 テオドールがおかしそうな顔をする。


 食事を済ませると、2人は準備を済ませて外に出た。


 古城の前庭は朝靄に包まれており、朝の少し湿った匂いがした。

 小鳥の鳴き声が聞こえてくる。


 アリスは、夜明けの空を見上げた。



(そういえば、古城の外に出るの、ここに来てから初めてだ)



 3か月ぶりの外出に、胸がドキドキしてくる。


 畑の中央を通って行くと、城門の前に3人の人物が見えた。

 武装したオーウェンとエマ、緊張した様子のリットだ。

 オーウェンはスコップや大きなカバンを持っている。


 リットがアリスを見つけて、頭を下げた。



「おはようございます、アリスさん。今日はよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」



 アリスもぺこりと頭を下げる。


 その後、5人は軽い打ち合わせをした。

 結界の大体の大きさを計るために、まずは一番端まで行こうという話になる。


 歩く順番は、オーウェン先頭で、次がアリスとテオドール。

 その後ろにリット、最後がエマということになる。



「……緊張しますね」



 リットが、ゴクリと唾を飲み込んだ。

 彼女はここに来てから8年、外の魔獣が怖くて一歩も外に出ていないらしい。


 アリスは胸を高鳴らせながらリュックサックを背負い直した。

 何だか冒険に行くような気持だ。



(ちょっと楽しみだな)



 オーウェンが口を開いた。



「結界の際は魔獣が出ることがあるから、注意してくれ」



 全員が真面目な顔でうなずく。

 エマが明るく言った。



「では、出発しましょう」



 その声を合図に、アリスはわくわくしながら城門をくぐって外に出た。






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