96話 遺跡地下探検
-----(大島視点)-----
疲れたな。
連日、自衛隊のレベリングに付き合わされている。まぁ俺は真ん中でジッとしているだけだが、たまに吹き飛ばされそうになる。
それに無理をした自衛官が怪我を負ったりすると気持ちは疲弊する。
だが徐々にではあるが自衛隊のレベルは確実に上がっている。もう、(微)はいない。全員が(弱)へと上がったはず。
それでも、小さな魔物を倒す事は難しい。やはり、この世界の武器か魔法が必要なのではと思う。
外での訓練が続く中、遺跡隊長から相談を受けた。
「遺跡内ですか?…………以前に隊員が戻らなかったと聞きましたが」
「そうです。ですがあの時はまだスキルも微の下でした。今は隊員も全員弱になりました。それに大島君の完全防御があります。奥まで行くつもりはありません。前回戻ったあたりまで、進んでみたいのです」
うーん。うむー。断りたい。今までの俺なら即お断りなんだよな。
けど、毎日頑張りを見せられてると……、でもなー。
「どうでしょうか? 少しだけ遺跡奥に進んでみたいのです」
まぁねー。遺跡の奥が危険ってのはわかってるわけでしょ。で、いつそいつらが出てこないとも限らない。自分達の力が通じるのか通じないのかを確かめておくのは必要かもしれない。
でもなぁ。そうだ!
「わかりました。清みんを引き込みましょう。正確には清みんのところのポヨンさんにチームに入ってもらいましょう」
名案。俺、天才。
遺跡奥へと探索が決定した。清みんが眉間に皺を寄せて俺を睨む。ごめんって。ポヨンさんの力が必要かもなのよ。
遺跡奥。
この遺跡には天井が大きく崩れている場所がある。そこは、地面も崩れているので、避難民達はこの辺には寄ってこない。
上(天井)に大きな穴、下(床)にも大きな穴。
大昔、ここで何があったのだろうか。空から何かが降ってきたのか、地中から何かが噴き出したのか。
自衛隊はその床穴の端にロープの梯子を垂らしていた。
近づくと床石が崩れそうで怖いな。けど、覗いてみたくもある。
俺は床に這いずるようにして穴淵へと近づく。隊員が作業をしている場所からは少し離れる。皆が同じ所によると重みで床が落ちるかもしれないからな。
俺が覗いた場所からは暗くて下の階が見えない。穴は広く、そして深い。隊員が今下げているロープの長さで足りるのか?
だが、前はそこから降りたんだよな?
清みんが仏間から持ってきた懐中電灯の取手に紐を付けたものを俺に渡してきた。
俺はそれを穴の中へと下げていった。
思ったほど深くない。暗さが深く感じさせていただけか。
「清みん、この紐何メートル?」
「ええと、7メートルって言ってたかな。あ、でも掴むとこに結んだから実質6メートル半くらい?」
なるほど。穴の下の床に懐中電灯が着いた。穴の深さは6メートル強か。
俺が下ろした電灯で作業がし易くなったのか、隊員も梯子をスルスルと設置し終えたようだ。
「紐を離してください。受け取ります」
先に降りた隊員が下で懐中電灯を受け取ったのを見て紐を離した。梯子の方では隊員が降りたようだ。
「大島さん、清見くん、どうぞ、降りてください」
清みんが嫌そうに顔を顰めた。
「行くぞ、清みん。先降りるか?」
「大島氏が先に行って」
不安定だが、下でもロープ梯子を抑えていてくれたおかげで何とか降りる事が出来た。
清みんは1歩目で足をロープから滑らせたが、その後は腕だけで縦雲梯を降りるがごとく、器用に降りてきた。
梯子ロープの上で数名の隊員は待機だ。降りてきたのは遺跡隊長とその部下2名、そして清みんと俺だ。
今回は様子を探るのが第1目的なので少数で進む予定だそうだ。何かあった時も戻りやすいからな。
「気をつけてください。穴があります」
ライトを持った隊員から声がかかる。大穴はもっと下へ続いていた。
隊員が穴から離れて壁側へと下がった。足場が狭いので俺と清みんもそちらへと密着する形になる。
その時、隊員が手をついていた壁が奥へと崩れた。密着していた探索メンバー全員がそちらへと倒れ込んだ。
と、今度はその倒れ込んだ床が崩れた!
俺らは一緒に団子になり崩れた穴へと落ちてしまった。




