4話 神からの贈り物の真相
気がついていなかったが、実はサラリーマンの頭上にも黒いビー玉状の物体はあった。吸い込まれるまでの間に受け取れれば良し。
神は前途多難が目に見える人類への最後の贈り物としてスキルを与える事にした。
世界中の国へ、人口を配慮した数が贈られた。運の良い者が掴み取るであろう贈り物だ。
しかしスキルの取得に与えられた時間はたったの30秒。渦にのまれ転移するまでの時間だ。
謎の声に疑心を抱きつつスキル選択を行う者たちもいたが、スキル一覧には多岐に渡り大量のスキルが表示されていた。しかも最初に目につくのは同じ名称ばかりだ。
全スキルのうち90%は攻撃系のスキル、残りの9%は防御系のスキルであった。
たった30秒で一覧を把握するのは難しく、取得出来た者の多くはたまたま触れた攻撃系スキルを入手した。
詳細を見ようと一番上にあった「物理攻撃(微)」に触れた途端、そのスキルを入手してしまった者が多数出た。
『このスキルを入手しますか? yes/no』など親切な問いかけはなかったのだ。触れたら即入手。
そんな中、取説読まない系のスクロールしまくりサラリーマンはスキル「完全防御(箱型)」を入手した。かなりのレアスキルである。
攻撃(微)でもスキルを取れた者はマシだ。ほとんどの人類が、スキルを取得せずに30秒を見送った。
一覧表と睨めっこをしていた人の目の前から無情にもスキル一覧は消えていく。
神からの贈り物を受け取る事が出来なかった者は、その事を後悔する日はすぐにやってくる。
また受け取れたとしても使いこなせなかった者も同様である。
ブラックホール(空間に空いた穴)を挟んだ先に現れた世界、そこに引き込まれた者も残された者も、過酷な未来が待っているのは確実であった。




