37話 森の生物
山根さんの話を聞いた。
ここら辺には見かけないが、山根さんが目を覚ました場所は酷かったらしい。
「日本じゃほとんど見た事がない大きさなんですよ。もしかしたら沖縄とか北海道、奄美とかには居たのかなぁ、いや、居ないな、あのデカさ」
「アマゾンだかオーストラリアだか、どこかの国はゴキブリも巨大だと聞きますね」
「そうですね。外国のジャングルとかには居るのかな。ここは、もしかするとそのジャングル……なのか」
「俺らもデカイてんとう虫を見ましたよ」
「あれはデカイとかの話じゃないだろ。そもそもてんとう虫でもないかもしれないし」
「でもフォルムはてんとうっぽかったよな。ちゃんと赤い背中に黒い丸いのあった。サイズは30センチくらい」
「日本のてんとう虫はそんなにデカくないけどな」
「どの辺りでそれを見たんですか?」
「ここからそう遠くないよな? 徒歩30分弱?」
「襲っては来なかったのですか?」
「俺らビビって直ぐにそこを離れたから。でも、方向を変えた先では見なかったな」
「俺が目を覚ました場所には結構いましたよ。そもそも悲鳴で目が覚めた。それで、飛び起きて見回したら、その……、遺体に虫がたかって、しかも1匹1匹がかなり大きい、何の虫かはわからなかったけど、食い散らかしてました。遠くで聞こえた声の方からはもう人の声はしなくなってゴリゴリボキボキ。あ、すみません、食事中に」
パンで良かった。肉だったらもう食えなくなってたな。
「それでそこから離れようとしたんですが、また別のとこで悲鳴があがって……。震える足を叱咤してそっちに向かったけど、もう首が食いちぎられていて、見るとどんどん集まってくる。飛んでるやつも居たし、巨大なムカデみたいのも居た。もう無我夢中でそこを離れて、どっちに進んでるのかわからなくなり、日が暮れても寝たら虫に食われそうで眠れないしで。とにかく静かに静かに移動してたら、明かりが見えて、ここに辿り着きました」
俺と兄貴は咀嚼も忘れて口に物をいれたまま森をガン見していた。
先に兄貴の方が我に返った。
「あ、でもここに3日居ますが、今のところ虫は出てないですね。でも念のため蚊取りのお香を焚いておくか」
兄貴がこっちを振り返り相槌求めてきた。
「兄貴……あのてんとう虫に虫除けが効くと思うか?」
「でも一応、虫だろ? てんとう虫だから」
「蚊じゃないけどな。虫でもなさそうだけど…………」
「そ、そっか」
「とりあえずみんなに情報を共有しよう。山根さんに紹介もしたいし」
「そうだな。うん、そうだな。マジ怖いな」
何とか食べ終えた食器重ねてキッチンへ持っていくついでにママさん達も呼んでこよう。




