3話 異世界転移の真相(ただし主人公らは知らない)
事件の起こり。
ある日、どこかの国の実験に地球上の全世界が巻き込まれた。
元はブラックホールの研究から始まり、現れた小さなその黒い空間、ソレを越えた先に送り込んだマウスは次の瞬間とんでもない化け物となり弾かれるように戻ってきた。
科学者はマウスが変体したと思ったがそうでない事に気がついていなかった。
実際は、マウスと入れ違いに向こうの空間から押し出された魔物であった。
その生物により研究所のあった一帯はあっという間に焦土と化した。国はその一帯全てを隠すように焼き尽くす攻撃を行なった。
国は何とかその生物を葬る事に成功をした。だが、研究者から受け取っていた途中までのデータによりその有用性を見出してしまった。戦争につかえる、と。
そして『危険性』を理解しない軍事関係者の指示により実験は場所を移して秘密裏に続けられた。
勿論、次に送り込むのは実験動物ではなく人間(兵士)だった。
10名が知らされずに送り込まれた。代わりに化け物が10体出てきた。
前回の魔物より数十倍の力そして知能を持っていた。新たな研究施設ではそれらを押さえ込む事は出来ず、世に放たれる事となった。
そして穴(通路)は完全に広がってしまった。向こうで手ぐすねを引いていた魔物らは大群をして穴を潜り抜けてくる。
それに伴い、向こうの世界へと引っ張られる近隣の住民。
人間を吸い込む黒いビー玉のような物体が穴から溢れ出し、人へおそいかかる。
そして向こうから入り込むのはあちらの世界ではただの虫や獣、しかも大量の。それが地球へきた代わりに何万もの人間が。大型の魔物が一体通るたびに何百人の人間を引っ張るための黒いビー玉状の物体が、地球上へと降り注いだ。
某国の実験の事などつゆ知らず、人々は普通に暮らしていた。他所の国で起こる実験の失敗や研究所の爆発のニュースが漏れてきても大して気にする者もいなかった。
そんなある日。
突然世界中に降り注ぐ黒いビー玉のような物体、それは人を狙って追ってくる。
接近した球は黒い渦となって肉体は吸い込まれるように消滅していく。
−−−−−−−
『やりおった、馬鹿者めがっ!』
愚かな人間を見守っていた神々の嘆き。
『何度めか……愚かな』
『流しますか? 前回は水でした、今回はどうします?』
『…………変わるに任せる』
『人間は滅びますが?』
『しかたなかろう』
『ですがっ』
『おくって、やれ』
『ありがとうございます。主神。贈らせていただきます』
『気づき、受け取れる者だけでも、せめての御加護を』




