2話 スキルかっ!
「倉田さん、解析スキル取ったんだ」
「って、スキル!」
「あ、スキル!」
「そうだ、スキル!」
「スキルって何?」
4人同時に口にした。若干一名、疑問符が居た。
そう、あの捻れて渦巻きに巻き込まれる直前、頭の中に変な問いかけが出現したのを思い出した。
あの時頭の中で聞こえた「スキルを授ける」と言う謎の声、あれは俺の希望の空耳ではなかったのか。
しかしスキル選択に与えられた時間はたったの30秒だったのだ。
まぁ、吸い込まれる絶体絶命の寸前だったのだから30秒は長いとも言えるか。
俺は取説を読むのが苦手だった。苦手というか面倒くさい事は全て嫌いであった。
例えばネットで何かを登録する時もスクロールボタンを激しくクリックして読まずに最後の行まで飛ばし、最後に承認ボタンや同意ボタンをクリックするタイプ。
本当に大事な事は一行にまとめてくれよ、と常日頃思っている。
なので今回のスキル一覧も開いた途端にズラズラと載っているのを見た途端、スクロールしまくった。
「1週間時間をくれると言われても無理。読まん」
猛烈にスクロールしまくる、何処がラストだ?レアスキルは赤字とか太字であってくれ。
そう思いつつグイングインとスクロールした。
そろそろ30秒か?右上の空中に出ていた数字はカウントだろう。30から減り始めて今は残り3。
太字も赤字も目につかなかった、もうこれでいいか。指を止めそこにあった「完全防御(箱型)」をクリックした。
俺はスキル「完全防御(箱型)」をゲットした。たぶん。
その直後に俺は自分が捻れて引っ張られていくのを感じながら意識を失ったんだ。
「ステータス!」
うん、出てこないな。ステータス系の異世界転移ではないのか。
本当にスキルが貰えたのか確認したかったんだ。アレは夢だったのではと言う気もするし、選んだスキルが完全防御箱型であっているのかも知りたい。そもそも箱型って何だ?
高校生の男子らもステータスを連呼している。そう言えば女子高生は『解析スキル』を取れたのか。
知らない世界で『解析』は使えるな。
だが、待て。さっき俺の事をキモイとか言ってなかったか?
何て失礼なんだ。こっちは巻き込まれだぞ? 君らに巻き込まれてこっちに来たっていうのに。
これはラノベでも『召喚勇者』と別行動するモブ系のストーリーだ。
いいさ。たとえ防御系のスキルしかなくてもひとりで生き抜いてやる。
俺は立ち上がり、周りを見渡した。




