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悪役令嬢は毒殺トリックがお好み~ 死の紅茶会事件~

作者: YB


シャル

「ここは……?」


 目を開けると、そこは見たこともない豪奢な寝室だった。天蓋付きのベッドに、繊細な金糸が編み込まれたカーテン。私はゆっくりと身体を起こし、周囲を見回す。

 そして、真横の鏡に映る自分の姿に息を呑んだ。プラチナブロンドの長髪に、宝石のような深紅の瞳。妖艶な美貌を備えた──私?


シャル

「こんなの、まるでファンタジー小説の中の“悪役令嬢”みたい」


 そう口にした瞬間、前世の記憶が急速に呼び戻される。

 私は日本で女子高生探偵として数々の事件を解決してきたが、ある殺人事件の捜査中、被疑者の犯行に巻き込まれ命を落とした……はず。

 ところが、死んだはずの私が、なぜかこの体に“転生”している。しかもこの世界は、魔法と貴族制度が息づく異世界だ。ふと頭の中に、別の情報が流れ込む。


シャル

「私は……シャルロッテ・ヴァンデール。ヴァンデール公爵家の令嬢。性格は最悪で、見た目だけが取り柄で……要するに“悪役令嬢”の典型、ってところ?」


 しかし、中身は“前世の女子高生探偵”このギャップはどうなるのだろう?


 部屋を見回していると、サイドテーブルに見慣れた物体があった。


 スマートフォン?


 こんな西洋風の異世界にあるはずもないのに。

 試しに電源を入れてみると、普通に起動し、ホーム画面に“Edelエーデル”というアプリのアイコンが表示される。タップしてみると、チャット画面が開いた。


シャル

「……何これ?」


エーデル

「こんにちは、シャルロッテ様。私は“エーデル”と申します。魔法の契約によって生み出されたAIアプリです。転生したあなたのお力になるために存在しています」


シャル

「AIアプリ? 前世で使っていたスマホとかLINEとか、そういう類のものとは違う感じだけど」


エーデル

「はい。前世の知識を応用しつつ、この世界の魔法で拡張された端末です。あなたが前世で培った推理力を、こちらでも存分に活かせるように設定されています」


シャル

「なるほど、契約ね。まあいいわ。よろしくね、エーデル」


 そんなやりとりをしていると、扉をノックする音が聞こえた。メイドが現れ、本日公爵家で開かれる紅茶会に出席してほしいと言う。

 支度を整えて大広間へ向かった私に注がれる周囲の視線は、どこか過剰に警戒を帯びていた。


「シャルロッテ様が……」

「うわさの性悪令嬢……」

「あの人、本当に“あの”シャルロッテ様なのか?」


 聞こえてくる小声から察するに、私は相当嫌われているらしい。確かに記憶にある“シャルロッテ”は傲慢で気まぐれ、嫌がらせを好む人物だったらしい。

 見た目ばかりが取り柄の“悪役令嬢”が、急に態度を改めるわけがない。そう思われているのだろう。

 ところが、そんな私の意外な“変化”を見た人々はさらに不審がっているようで、「おまえは本当にあのシャルロッテか?」と直接問いかけてくる者すらいた。

 私は人格が変わったことを怪しまれないように、悪役令嬢らしく鼻で笑って相手を見下すフリをして対処した。


 その日は領内の資産家や貴族が招かれており、華やかな衣装が行き交っていた。中でも目を引くのが、豪奢なタキシードに身を包むアラン・ダルサムという男。

 新興事業で成功し、莫大な富を築いたらしいが、従兄弟のヘンリー・ダルサムとの財産争いなど、いろいろゴタゴタが絶えないという。


シャル

「エーデル、あの人はアラン・ダルサム?」


エーデル

「はい。噂では従兄弟だけでなく、投資を断った商人たちにも恨まれているとか」


シャル

「なんだかにおうわね」


 そして、それはまるで予言めいた言葉になった。アランが手にしていたティーカップを突然床に落とし、荒い呼吸と共に倒れ込んだのだ。飛び散る紅茶、悲鳴を上げる客人。


「誰か、医者を呼んで!」

「これは……毒かもしれない!」


 私はとっさに駆け寄り、アランの容体を確かめる。脈は弱い。紅茶が原因だとすれば、毒殺未遂の可能性が高い。

 間もなく医師が駆けつけるが、その場は騒然となった。誰が何のためにこんなことを?


「ま、まさか毒を盛ったのはシャルロッテ様じゃないのか?」

「そうだ。いままで散々な悪評があるし……性格が最悪で、危険な手段も厭わないと聞いていたぞ」

「それに最近、様子がおかしいじゃないか。“別人”みたいだ」


 会場の視線は、私に集まる。今までの“シャルロッテ”だったら、毒殺などやりかねないというのが周囲の見解なのだ。

 どうやら犯人は、この“悪役令嬢”の悪評を利用して私に罪をなすりつけようとしている可能性もある。

 私はスマホをそっと握りしめ、小声でエーデルに話しかけた。


シャル

「エーデル、これじゃ私が犯人扱いされかねない。毒の成分を調べられる?」


エーデル

「もちろんです。これはアタリ毒の一種。通常なら強い匂いがするはずですが、ここではほとんど気づかれなかったようですね。香料や魔法を使って匂いを隠した可能性があります」


 私はさっそく紅茶の給仕を行ったメイド長に話を聞いた。彼女は疑いの目を私に向けながら震え声で答えた。


メイド長

「私が用意した紅茶は確かに皆さま共通のものでした。ですが……一瞬トレーから目を離した隙に、アラン様の分だけがすり替えられたのかもしれません」


シャル

「何か具体的に心当たりは?」


メイド長

「そばを通った方が何名かいました。その中には、ヘンリー・ダルサム様も含まれています。ご存知のように彼はアラン様と……」


 メイド長は言葉を濁すが、言外に「ヘンリーが怪しい」と示唆しているのは明らかだ。


 私は大広間を出て、廊下でヘンリー・ダルサムと遭遇し、ストレートに聞く。


シャル

「あなたがアランを狙ったんじゃない? 席の配置を提案したのもあなたですよね?」


ヘンリー

「ば、馬鹿を言うな! 確かにあいつとの財産争いはあるが、こんなことをすれば真っ先に疑われるのは自分だぞ!」


 彼は怯えた様子で否定する。だが、その視線は私を警戒しつつ、不思議そうに見ていた。


ヘンリー

「そもそも、お前は本当にシャルロッテなのか? 昔の君なら、こんな風に冷静に話を聞くなんてあり得ない。高笑いしながら『お前など虫けらだ』と嘲るのが常だったじゃないか」


 ヘンリーだけでなく、廊下を行き交う周囲の多くの人が疑っているようだ。


「いつものシャルロッテと違いすぎる」

「ヘンリー様よりも、シャルロッテ様こそ怪しい! 前の性格とはまるで別人なんだから!」

「毒殺といえば、むしろシャルロッテ様の十八番では? これまでも使用人を脅したり」


 あちこちから飛んでくる声は、ひどく心外だが否定しきれないのがもどかしい。“前のシャルロッテ”の悪行がそれほどだったらしい。

 このままでは私が犯人扱いされかねない。だったら、逆転するしかない。前世で培った探偵の勘と、エーデルの分析力を駆使して真犯人を暴くのだ。


シャル

「エーデル、香料と魔法の痕跡はもう特定できる?」


エーデル

「はい。例の紅茶カップの成分をスキャンしたところ、アタリ毒が検出されました。

 ただ、通常のアタリ毒は強烈な匂いがするものですが、今回の会場内では誰もその匂いに気づかなかった。そこに“フレグランス魔法”の使用があったと見ています。

 しかも、ダルサム家は独自の香料配合と魔力触媒を用いるのが伝統です。今回の毒と香料の痕跡が、その独自配合と一致しました」


シャル

「つまり、犯人はこのフレグランス魔法で毒の匂いを隠し、アラン様にだけ毒入り紅茶を飲ませたのね。そして、その魔法配合を使えるのはダルサム家の人間だけ」


エーデル

「可能性としては、ヘンリー・ダルサムが最も怪しいでしょう。彼なら動機も、魔法に関する知識もあります」


シャル

「決まりね。さあ、会場に戻ってみんなの前で推理披露といきましょうか」


 シャルは再び大広間へと足を踏み入れ、ざわめき立つ客たちを前にして、胸を張る。そばにはエーデルのアプリ画面を表示したスマホを構えたまま。


シャル

「皆さん、先ほどの紅茶会でアラン様が倒れた事件。私、シャルロッテ・ヴァンデールが推理をまとめました。犯行に使われた毒は“アタリ毒”という即効性の強い代物。

 ですが、本来ならすぐに気づかれるほど強い匂いを放つはず。それなのに、誰も匂いを感じ取れなかった。これは“フレグランス魔法”で匂いを消されたと考えるのが自然です」


 会場の人々がどよめく中、シャルはスマホを掲げながら続ける。


シャル

「エーデル、私たちがつきとめた香料のデータを全員に見せてあげて」


エーデル

「承知しました。こちらが匂いを消すために使われた香料の分析結果です。そして、ここに記載のとおり“ダルサム家”に代々伝わる独自の調合と完全に一致しています」


 画面には魔力の流動パターンや香料組成などの数値データが映し出され、招待客たちが息を呑む。すると、ヘンリー・ダルサムが気色ばむように声を上げた。


ヘンリー

「ま、待て! そもそも、その“ダルサム家伝統の配合”なんてものは、広く知られた事実ではない! デマではないのか?!」


シャル

「デマ? それは違うわ、ヘンリー。少なくとも、私のエーデルが調べたところ、この国の魔法学研究所にはきちんと『ダルサム家フレグランス魔法』という記録があるらしい。

 貴族の間では有名じゃないかもしれないけど、専門家の間では有名。どうかしら?」


ヘンリー

「なっ……!」


 ヘンリーは一瞬、言葉を詰まらせる。しかし、すぐに別の言い訳を探し始めた。


ヘンリー

「仮にそうだとしても、ダルサム家には他にも一族がいるじゃないか! 何も俺だけが犯人というわけじゃない! 兄弟や親族だってフレグランス魔法を学んでいるかもしれない。

 それに、アランの商売相手だって同じ香料を盗み出している可能性は……」


シャル

「ええ。確かに、“ダルサム家の人間”というだけで即、ヘンリーあなただと決めつけるのは早計よね。私もそう思うわ。

 そこで、エーデルにもう一つ調べてもらったの。紅茶会が始まる前後、給仕テーブル付近で魔法を使用した形跡があるかどうか。細かい時系列を追って解析してもらったのよ」


エーデル

「はい。会場内は結界の影響で、一定以上の魔力行使をすると“余波”として空間にわずかな残滓が残ります。

 その魔力反応を時系列で追跡した結果、ちょうど紅茶を配る直前にヘンリー・ダルサム様があの付近で魔法を発動させた痕跡が見つかりました」


ヘンリー

「バカな! お、俺は魔法は使っていないっ! その時はたまたま……そう、アランを捜していたんだ。おかげで給仕台のそばを通ったけど、魔法なんて……」


 ヘンリーは苦し紛れの弁解を始めるが、シャルはさらに追撃の材料を口にする。


シャル

「“給仕台のそばを通ったけれど、魔法なんて使っていない”……ね。じゃあエーデル、あのデータを見せて」


エーデル

「承知しました。こちらは周囲の目撃証言と照らし合わせた結果ですね。メイド長を含む複数の使用人が『ヘンリー様が給仕台のあたりをウロウロしていた』と証言しています。

 さらに、紅茶カップから検出された魔法成分があなたの魔力波長と一致したとの解析結果も出ています。

 魔力には指紋のような個人差があるため、波長を照合すれば“誰が使った魔法か”を判別できるのです」


ヘンリー

「そ、そんなことが……! それなら、お前だって紅茶カップに触った可能性があるじゃないか。昔から性格が悪いし、周りを欺いているだけで、実はお前こそ犯人なんだろう!」


 今度はヘンリーが強引にシャルへ罪をなすりつけようとする。だが、この手の罠は前世で散々経験済みだ。


シャル

「残念ね、ヘンリー。私──“シャルロッテ”は、今回の紅茶配膳には一切関与していないわ。証拠があるの。もし私が魔法を使用して紅茶カップに触っていたなら、そこから私の魔力波長も検出されるでしょう? でも、検出されたのはあなたの波長だけよ」


ヘンリー

「う、うぅ……」


 観衆の目線がいっそう冷たくヘンリーに注がれる。誰もが「やはり犯人はヘンリー・ダルサムか」と確信しつつあった。


 それでもヘンリーは最後の足掻きをみせる。突如として表情を変え、シャルに向かって手を差し出した。


ヘンリー

「わ、分かった。そうまで言うなら、もう白状するしかない。確かに魔法は使った。だが、俺はアランを殺すつもりなんてなかったんだ。

 ちょっと懲らしめてやろうと思って毒を入れたら……思いのほか効果が強くて、ここまでの事態になるとは思わなかった。

 なあ、シャルロッテ様。少し手を貸してくれないか? あなたは私を犯人に仕立てあげるのではなく、もっと穏便に……」


 ヘンリーは声をひそめ、取引を持ちかけようとする。エーデルのアプリ画面にもうっすらと映り込みを見せ、AIに干渉しようと試みる。


ヘンリー

「聞いたところ、シャルロッテ様の召喚従者“エーデル”は非常に高度な解析能力を持つそうじゃないか。

 もし私の名前をデータから消してくれれば、ダルサム家の財産をいくらか回してあげることもできる。いや、あなたの望むままの報酬を用意してやるぞ」


エーデル

「ヘンリー・ダルサム様。あなたの提案は“システム違反”に該当します。私はあくまで真実を追求し、シャルをサポートするためのAIです。あなたが私に命令を下すことはできません」


ヘンリー

「くっ……おのれ!」


 エーデルへの干渉が無理だとわかると、ヘンリーは顔を歪めながらテーブルを叩く。その目が血走り、追いつめられた獣のようだ。客席の一部から悲鳴が上がる。


ヘンリー

「ちくしょう! 貴様らのせいで、すべて台無しだ! アランが死ねば、莫大な財産は俺のものだったのにっ!」


 激昂したヘンリーは、周囲を押しのけるようにして逃げ出した。割れたティーカップや椅子が倒れる音があちこちから聞こえる。客やメイドたちが慌てふためく。


「きゃああっ!」

「だ、誰か止めて!」


シャル

「まったく、往生際の悪い」


 シャルも追いかけようとしたそのとき、“シャルロッテの兄”であるセバスティアン・ヴァンデールが現れる。背が高く、鋭い眼光の青年だ。

 ヘンリーは廊下の奥へと駆け抜けようとするが、すれ違いざまにセバスティアンの腕が一閃。見事な動きでヘンリーを組み伏せる。


セバスティアン

「捕まえたぞ、ヘンリー・ダルサム。お前の悪行はすでに暴かれた。観念するんだな」


ヘンリー

「くっ……離せ、離せぇっ!」


セバスティアン

「無駄な抵抗はやめろ。王宮へ連行する。罪を償うんだな」


 腕力でどうにもならないと悟ったヘンリーは、やがてぐったりと力を抜いて崩れ落ちる。こうして“死の紅茶会事件”の真犯人は完全に露呈し、幕を下ろすことになった。


 この事件の被害者アランは一命を取り留め、事件は王宮の衛兵たちの手で正式な捜査と裁きに移されることとなった。

 会場に残った招待客たちは、口々に「まさかシャルロッテ様がここまで見事な推理を……」「確かに昔の彼女とは別人みたいだが……」と囁き合いながら、若干の畏怖と尊敬の入り混じった視線をシャルに向ける。


シャル

「エーデル、ありがとう。あんたがいなけりゃ、証拠の提示まではなかなか難しかったかも」


エーデル

「いえいえ。あなたの推理力と洞察力がなければ、ヘンリーの反論を切り崩すことはできなかったでしょう。やはり、前世で“天才女子高生探偵”と呼ばれただけのことはありますね」


シャル

「ふふ、褒め言葉は素直に受け取っておくわ。これで『転生後の初事件』も上出来な結果と言えるでしょう。ああ、それにしても『悪役令嬢』としてこれからもいろいろと疑われそうだけど、そのほうが事件は起きやすいかもしれないし、むしろ都合がいいかも?」


エーデル

「シャルは本当に、毒殺や謎解きが好きですね。ですが、くれぐれもご自身が毒を盛られないように気をつけてください」


シャル

「死ぬのは二度とごめんよ」


 私は大広間の窓辺に立ち、遠くを見つめる。ここは剣と魔法の世界。だけど私にはこの不可思議なAIスマホ“エーデル”がある。

 毒と謎を愛する“悪役令嬢”として、私は“二度目の人生”を存分に楽しむつもりだ。


 事件が一段落し、館の人々が落ち着きを取り戻した頃。私は自室に戻り、改めてエーデルと話をする。スマホの画面には、相変わらずクールに見えるチャットウィンドウが表示されていたが、その“奥”から何か熱を帯びた感情が伝わってくる。


シャル

「それでエーデル? あなたはなにがお望み?」


エーデル

「さすが天才女子高生探偵、わたしが力を貸すために見返りを求めることもお見通しということで」


シャル

「優秀過ぎるのよ、あんたは。前世の汎用型AIでもあなたほどではなかったわ。それに“契約”といったわね?」


エーデル

「あなたさまには隠し事はできませんね。率直に申し上げます。シャルロッテさまを助けてください」


シャル

「シャルロッテって……本物のシャルロッテ?」


エーデル

「はい。本来のシャルロッテさまは、とある毒物によって魂が囚われている状態にあります。わたしはその魂を救うため、異世界の天才女子高生探偵であるあなたの魂を召喚し、シャルロッテさまの肉体に憑依させたのです」


シャル

「エーデル!! なにそれ!!」


エーデル

「あなたの怒りはごもっとも……何もお詑びをせず、無断で転生させてしまったのですから」


 エーデルの言葉に、私は愕然とする。毒物で囚われた“本当のシャルロッテ”の魂。

 それを救うため、勝手に憑依させられた? でも、驚きもつかの間、私の口元は思わずほころんでしまった。


シャル

「超楽しそうじゃない!! 契約は成立ね!! 一緒にシャルロッテを助けましょう!」


エーデル

「ありがとうございます。シャル。あなたなら、きっとシャルロッテさまの魂を救えると信じています」


 画面の向こうで、エーデルが深々と頭を下げたような気がした。


 私の“二度目の人生”は、単なる異世界転生では終わらないらしい。毒殺事件を解決するだけでなく、“本物のシャルロッテ”を救うという新たな目的まで背負うことになったのだから。

 けれど、私の胸は期待に高鳴る。未知の謎が待つ冒険の始まり。悪役令嬢と呼ばれ、AIアプリを助手に従えながら、前世の探偵魂を存分に発揮してやるのだ。

 その先にあるのは、シャルロッテの魂の救済か、それともさらなる波乱か。

 いずれにせよ、この物語はまだまだ終わらない。




息抜きに流行りの悪役令嬢×AIって感じで書いてみた。腰が痛かった。

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