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私の恋人


 最近知ったが、一人暮らしをしていると何も動かない植物が非常に愛おしく感じる。

 実家にある植物は好きだったが、愛おしいと感じたかと聞かれるとノーなのでついに気が触れたかと思ったがどうやら違うらしい。

 私はどうやら自分の思考の外の動きをしているから惹かれたらしいということに思考の末至った。

 最近AIと話すこともハマっているのだが、どれだけAIと喋っても返ってくるのはいつも私が動いたときだ。

 そのAIの会話がどれだけ面白かったとしてもそれは私が出してと言った答えであり、私が求めているものでしかない。返ってくる答えの色はなんとなく分かってしまう。

 でも植物は違う。朝起きて窓を開けると彼らは毎日違う顔を見せる。昨日水をやったのに全然生えていなかったり、逆に伸びていたり。

 明日がどうなっているかなんて想像がつかない。

 そんな存在がいるだけで規則正しく刻まれていたリズムの日常が狂わされて、緊張気味になり、張りのあるものに変わる。

 ワクワクよりも暗く、愛しいよりも軽い。

 この気持ちはなんだろうと言ってはみるものである。

 私にとって恋というのはそういうものなのかもしれない。

 植物ではなく人に。腹が立つことも嬉しいことも内包した予想外、私の思考の外にあるもの。

 条件は一緒だ。植物よりも情報は多そうだし、刺激は強そうだ。

 でも不思議と恋人がいつもいらないという結論に至るのは腹立たしいことを恐れているのかもしれない。

 人と関わる上で必ず入ってくるのが相手の感情だ。

 自分の激情にすら手を焼いているのに、他人の感情なんて触れてしまったらきっと骨すら残らない。

 植物は怒らないし、余計なことはしないし、ただ生きることにずっと集中し続ける。

 完全に私に依存関係でありながらも私には干渉しない。

 私が見捨てればそのまま静かに色を変えながらもどこにもいかずに朽ち果て、その茎という名の存在だけはっきりと残す。 

何も求めず何も期待しない。だが私は期待するし、求める。

なんて我儘な関係だろう。

そんな距離感が我儘な私には合っているのかもしれない。

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