12月26日(木)
原案をぼやいた人:蒼風 雨静 書いた人;碧 銀魚
朝起きると、昨日とは打って変わった状況になった。
僕はお姫様の命を救った恩人ということで、急ごしらえながら、感謝&歓迎会を催すことになったのだ。
そこで、色々な事情を聴くことになった。
まず、お姫様はエレーナという。
僕が降り立ったこの地はアグレスという国で、日本と同じく島国らしい。
素人目に見て、中世ヨーロッパくらいの文化水準で、剣や盾、甲冑が現役で活躍している。
国としては、結構栄えているようで、城を中心として立派な城下町が広がっており、その外側には農業や酪農らしきものも行われているのが、城のバルコニーからも見えた。
だが問題があるは、そのさらに外側。
というのも、国の南側は港があるだが、東北西側は森や山に囲まれており、そこに多くのドラゴンが生息しているというのだ。
ドラゴンは強力な生物で、度々人間を襲い、時には今回のように戦闘になることもある。そのたびに多くの死傷者が出ているそうだ。
今回も、エレーナの護衛が数人亡くなったとこのとだ。
そして、つい先日のこと。
エレーナの両親に当たる、王と女王がドラゴンの襲撃を受け、亡くなってしまった。
それで、アグレスは現在、存亡の危機に立たされている。
いくら島国とはいえ、王不在のままでは、他国の干渉や侵略を受けかねない。かといって、まだ若干15歳の姫であるエレーナを女王とするのも、政治的に難しい。
打開策としては、エレーナが夫を迎え、その夫を新たな王とするのが最善とのこと。
ところが、その矢先に今度はエレーナがドラゴンの襲撃を受け、そこに颯爽と現れたのが、僕だった、というわけだ。
で、ドラゴンの親玉を倒してほしいと、家臣たちにお願いされることになった。
ドラゴンを討伐した暁には、何でも褒美を授けるし、望むなら、この国そのものを渡してもいいとまで言われた。
それは、エレーナを妻とし、この国の王となることを意味しているが、流石にそれは卑らしいので、とりあえず考えておくとして保留にした。
それはそれとして、これ以上多くの人が命を落とすのを、見過ごすことはできない。
せっかくドラゴンを圧倒できる戦闘スキルと、現世仕込みの知識や教養があるのだ。これを人助けに役立てない手はない。
僕はドラゴンの討伐を引き受けた。
こうして僕は、藤嶺麗人から勇者レイトとなった。




