モラルによる異世界生活
愛玩動物が死ぬ描写はありません。
※度の過ぎた下ネタ注意
ある日、俺はいつものようにFANZAを徘徊していた。しかし満たされない、私の求めるエロスが3次元には存在しないことを日々痛感するばかりでだった。DMMを見限りDLsiteへ赴いてもまた、私のエロスが満たされることはなかった。激しく、広く、深く開発されてしまった平生の性癖において、二束三文ばかりが陳列する貧しい市を回る所業にも飽きてきた。
そんな中、私はある一つの作品に出逢った。異世界転生モノだ。今ではありふれてありふれ過ぎたジャンルだったのだが、シチュ重視という表紙に誘われ思わず手に取ってしまった。思えば、これが神の思し召しだったのかも知れない。地球の限界を知ってしまった私への啓示だったのだと。
左手で本を開いたとき、そこは見たこともない、そう、異世界であった。先ほどまで、ベッドで発電をしていたはずが、表紙を捲った刹那、丸で漢ここに有らずと言わんばかりに激しく熱り勃った息子を天へ主張しながら、私は森のど真ん中で寝そべっていたのだ。
「キャ―――!!」
ん、なんだ。少女の悲鳴が聞こえる。これは一大イベント発生だ、転生後、チュートリアルがてら一発ヤってやるか。
「大丈夫かい、君?」
勃った息子と同じように主人もおっ立ち、悲鳴を上げる少女へ近づいてゆく。え、もしかして、これ俺が悪いのか?
「いや!助けて!」
「は――」
プチっ
***
先ほどと同じ場所に私は寝そべっていた。
「キャ―――!!」
耳鳴りのする鼓膜に先ほどと同じ声が聞こえる。
しかし、変わった部分もある。
プチっ
悲鳴を上げていた少女が、クマのような化物の圧倒的な質量で潰されたのだ。
私が立たなかったことで、対象が少女へと向かってしまったのだ。
「う、うあ、あ...」
化物が退けた手の先には、先程まで人の形をしていたとは思えないほどまでに、ぺちゃんこに潰された、所々肉片や骨の残る少女だったモノが残っていた。
「うおぇ...」
グロモノだけが苦手だった私にとって、いや、いけたとしても実際に見て、あまりの不快感に吐瀉物が止まらない。最後の飯はなんだったか、チーズ牛丼だった気もするし、いや最期か。
しかし大きな影は私を覆い、それから、それから。
プチっ
***
起きた、起き勃った。息子の調子は頗る良い。
「キャ―――!!」
ここが俺の、この世界に来た意味だ...!
「イけ!息子よ!全てを出すのだ!」
急いで全裸になった俺は、少女と化物の間に割って入り、アンストッバブル状態の息子から1億の結晶を解放する。
どぴゅるるるるるるる!!!!!どびゅーーーーーー!!!!!
よく、EDの検査で射精力の測定がある。まさしくカンスト、飛び出した子供達は争うことなく一つとなり、化物の心臓を貫いた。
「や、やったか」
絶命したと思われる化物に恐る恐る近づきながら、その冷たさに安堵をする。
「大丈夫かい、君」
「キャ―――!!」
ああ、やっぱり原因は俺だったみたいだ。
「まずはモラルの勉強から始めないとな」
こうして俺の異世界生活は始まった。
書いていて、本当に気持ちよかった。