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林檎ノ森

林檎ノ森


 その林檎は、森で迷う余所者の前に現れるという。

 見た目は普通の林檎。

 普通よりやや良質な色の、作り物のような林檎。

 美しい赤で着飾り、見る者を怪しく誘う。

 林檎に誘われた者は、男であれ、女であれ、皆、同じような幻想に浸る。

 モノクロでもなく、カラーでもない。赤でもなく、青でもない。白でもなく、黒でもない。光でもなく、闇でもない。暑くもない。寒くもない。

 周りには、ただ大きな命に包まれた雰囲気のみ。

 恍惚としたその世界に浸った後に、林檎はそっとその者を手招く。

「さあ、私を齧りなさい」

 何も考えず、何も迷わずに。

 私を齧りなさいと。

 そして、その林檎を齧った者は――……。



 私は生まれた時から森の傍に住んでいた。

 平原の中にぽつりと建っている木の家だ。明るいオレンジの屋根の三階建ての家。もともとは、赤い屋根の家だったのだが、私の代になって色を塗り替えた。この家は祖母の代から続いており、私は三代目として此処に一人きりで住んでいた。

 祖母はもういない。それどころか、母ももういない。父は知らない。母だって、自分の父を知らないし、祖母だって、自分の父を知らない。だから、その事で寂しがる事はない。

 でも、独りはやっぱり寂しくて、私はいつも誰かを待ったり、誰かを探したりしていた。しかし、そんな私が胸をときめかせるような訪問客は、なかなか来なかった。

 一人っきりの家。ずっといると、気持ちが塞ぎ込んでしまう事がある。まるで、私だけ世界から取り残されてしまったかのような感覚。このまま浸っていたら、駄目になりそうな雰囲気。

 そんなとき私は、よく森に入った。森では沢山の出会いがあった。ヒトと会う事は滅多にないけれども、寂しい私を慰めてくれるかのように、森の生き物たちが姿を見せてくれる。私はそれが嬉しくて仕方なかった。だから、よく散歩していたのだ。

 そんなある日、また私は森に入った。森の中での出会いを求めて、心の赴くままに進んでいった。森の中は生き物の気配がちゃんとする。声も聞こえるし、姿も見れる。それだけでよかった。私はいろんな生き物と出会いながら、森の中へと入り込んでいった。不思議なほどに、中へと入り込んだ。今思えば、どうしてあんなにも必死に森の中へと入り込んだのか分からない。私は何を求めて進んだのだろう。それとも私は引っ張られていたのだろうか。

 ふと我に返った時、辺りは真っ暗で、四方同じような景色が続いていた。

 私は我にかえったばかりだというのに、頭の中が真っ白になりそうだった。迂闊にも、私は知らない道を進み、何処から来たのか分からなくなるまで巡ってしまったのだ。

 帰れない。

 私はすぐにそう思った。帰れなくなるというのは非常に危険なことだ。森には危険な生き物も沢山いるし、第一、寝具もないのに夜の冷たい空気を乗り切れるのか不安だった。どうすればいいだろうか。私はさらに彷徨いながら途方にくれた。帰り道が分からない以上、同じ場所に留まっても仕方無い。きっと明るくなっても、帰り道は分からないままだろうから。

 姿を見せる者が、夜の者ばかりになっていくなかで、私は孤独に森を歩いた。このまま歩いても、行く場所なんてないけれど、動かずにはいられなかった。

 止まっていても意味がない。歩いていても意味がない。

 そう思った私は、どうすべきか懸命に考えた。上空を見上げる私の目には、暗闇しか映らない。月すらも姿を見せない夜。それか、立派に伸びる木の枝達が、月の光を独占しているのだろうか。ともかく、私はがっかりして目線を戻した。やはり、寝よう。寝てしまおう。きっと大丈夫だ。獣の臭いなんかも、気配なんかもしない。大丈夫だ。

 そうして、私は切り株に身を寄せた。切り株があるってことは、近くに木こりでもいるんだろうか。そう思った私の眼は、だんだん閉じていく。近くに居ようが居まいが、今の私には木こりの家を探す力も気力も残されていなかった。もう寝る。御休み。

 一瞬だけ来る暗闇。

 と、私はふと瞼を開いた。瞼の裏側から、光を見たような気がした。まさか、とは思いつつ、私は周囲を見渡した。そして、唖然とした。私は闇に目が慣れていなかったのだろうか。それとも、焦るあまり、目が節穴になっていたのだろうか。

 今、私の目の前には、大きな家があった。とても可愛らしい家。

 とある童話で、森に捨てられた兄妹が見つけたのはお菓子の家。この家にぴったりのイメージだった。さすがに食べれはしないだろうけれども、とにかく非現実的な可愛い家だったのは確かだった。

 よかった。明かりも点いているし、人がいるようだ。今夜はここに泊めてもらおう。

 そんな図々しい思いで、私はその家の扉を叩いた。二回叩いたところで、すぐに扉は開かれた。童話の兄妹を迎えたのは、老婆の姿の魔女。じゃあ、私を迎えるのは誰だろう。なんて考える間もなく、家の者は姿を現した。

「こんな遅くにどなた?」

 女だった。明るい茶の髪を美しく伸ばす、異様に茶色い目の女。魔女のイメージとは対照的な真っ赤なドレスを着ている。女は私を見下ろすと、軽く欠伸を殺した。

「夜分にごめんなさい」

 私は勇気を振り絞って言った。

「でも、迷ってしまったんです。もしよければ、一晩泊めてくれませんか?」

 女は目を細め、「ふうん」と腕を組んで言った。

「こんな夜遅くに貴女みたいなチビが訪問するなんて変だと思った。いいわよ、お入り。でも、貴女、明日には帰れると思ってるの?」

 私はどきりとして女を見上げた。女はうっすらと笑んで、首を軽く傾け、扉に寄りかかった。少しだらしない姿だった。答えない私に、女はもう一度訊ねてきた。

「帰り道が分からないのに、どうやって帰るつもり?」

 そう言えば、そうだ。どうしたら森を抜けれるだろう?

「森を抜けて西側の平原に行きたいんです。どう行けばいいんでしょう?」

 私は女にそう訊ねた。女は何故かくすくすと笑み、「まあ、お入りなさい」と私を家の中に引き入れた。中は暖かかった。そして、心の落ち着く香りがする。もしかしたら、暖炉にくべられているのは、変わった木なのかもしれない。

 パタン、と扉を閉めて、女は振り返った。

「教えてあげてもいいけど、その分、私の頼みを聞いてくれるかしら?」

 女が言った。

 頼み。それは尤もなことだ。夜遅くに急に訊ねてきて、泊めてくれなんて言いだすんだ。それ相応の見返りを求められて当然というもの。私はすぐに頷いた。すると女は安心したように微笑んだ。

「そう、それはよかった。じゃあ、明日言うわ。今日はとりあえず眠りなさい」

 私は相当疲れていたみたいで、その女の言葉を聞くなり、欠伸をしてしまった。すぐに堪えたけれどもう遅く、女に笑われてしまった。

「さあ、寝る場所を案内してあげる。おいで」

 女の差し出した手。掴んだその手は、思いのほか暖かかった。



 私が通された場所は、信じられないくらい素敵な部屋だった。寝台もふかふかで、ほのかに漂う香りも心地よくていい香り。 

 こんな場所に泊まれるなんて、私はついているのかも知れないな、なんて思いながら、私は寝台に寝そべった。

 本当にふかふかで気持ちいい。ゆらゆらと優しく揺れる揺りかごみたいな朗らかな雰囲気が、私をふわりと包み込んでいく。ちらちらと燃える暖炉の灯りを見つめながら、私は全身で、この部屋の味を感じていた。

「どうかしら? 気に入っていただけた?」

 不意にそんな声がして、私は慌てて起き上がった。

 いつの間にだろう? 部屋の入り口に、此処の主人である女が居た。この部屋の雰囲気さながら、朗らかな笑みを湛えて、寝台に眠る私を見つめている。

「いいのよ、寝ていても。お疲れでしょう? 今日はもう休みなさいな」

 女の微笑みに安堵した私は、そのまま言葉に甘えて眠ることにした。柔らかな寝台の寝心地は非常によく、私はすぐに夢の中に足を踏み入れていた。確か、空を駆けるというまさに夢幻の世界を体感していたと思う。しかし、それも唐突に醒め、私は目をぱちりと開けた。不思議な音がしたのだ。起き上がってみて、それが私のいる扉の向こう側からだと分かった。

 木の軋む音。否、それ以外にも聞こえる。

 思えばここはあの女の家だ。きっとまだ起きているのだろう。何をしているかは気になったが、彼女のしていることと、私とは全く関係のないこと。そう思い、私は再び眠りについた。

 さて、次の朝起きてみると、居間にはすでに朝食が準備されていた。

 ハニートーストにゆでたまご。それに、とても香ばしい匂いがする。紅茶だろうか、と私は用意されたカップを手に取った。林檎の匂いがする。

「どうぞ、召し上がれ。特製のはちみつに、林檎のお茶よ」

 女が言った。

 私は感謝しきれない気持ちで女と共に食卓につき、朝食をいただいた。林檎茶は想像以上に変わった味がしたけれども、不快なものでは決してなく、気づけば私は図々しくもお代りを貰っていた。

 どことなく漂った雰囲気の朝食だったが、私はこの上なく満足し、朝食を終えるとすぐに女に礼を言うとともに訊ねた。

「昨夜の頼みとは一体何でしょう? 私にできる事なら、すぐにいたします」

「そう急がなくてもいいのよ。必要になったら呼ぶわ」

 女はくすりと笑いながらそう答え、私を部屋に返した。そういうわけにはいかないと私は思ったのだが、女に言われるままに部屋に帰ると、どうやら昨日の疲れがまだ残っていたらしく、私はいつの間にか寝台に突っ伏して寝てしまっていたらしい。

 はっと気づいたとき、辺りはもう暗くなっていた。昼をまるまる寝て過ごしたという事だ。女はどうしているだろうか。私は妙に気が急いて、すぐに部屋を出た。居間に行くと、女は茶を啜っていた。私を見るなり、薄く笑み、訊ねてきた。

「あら、起きたのね。もっとゆっくりしていてもいいのに」

 そんな呑気な言葉に私は少しほっとしたが、同時に恥ずかしくなった。

「ごめんなさい。こんなに居座る気なんてなかったのに……」

「いいのよ。疲れていたのでしょう。もう暗くなってしまったわけだし、今夜も泊まって行きなさいな」

 これでまた借りが増えてしまったと私は密かに思ったのだが、とても有難かった。



 次の日の朝、朝食はやはり普通に用意されていた。今度こそ、私は彼女に役立つように努力しなければならない。そう思った私は、朝食ついでに、思い切って彼女に訊ねてみた。

「あの……おとつい言っていた、私に頼みたいことっていったい何なのでしょう?」

 注がれた林檎の茶を飲みながら、私は女の顔を窺う。女は笑みを崩さず、私の顔をじっと見つめ、うなずいた。

「そうね。お昼になったら頼みたいことなの。その時に呼ぶから、食事が終わったら部屋で待っていてちょうだい」

 そう言われた私は、朝食が終わると部屋に戻り、女に呼ばれるのをただ待った。

 昼に呼ぶとだけ言われたため、下手に部屋を出ることが出来ない。何もやることもないから、片づけだけでもしておこう。そう思った私は、部屋を軽く掃除することにした。動かした道具は元に戻し、ちりは拾って暖炉、またはちり箱へ。と、そこまでやると、もう何もすることがなくなってしまった。

 昼までは長い。一分一分がかなり長く感じてしまう。

 その所為でいいのだろうか。

 それとも、単に私がだらしない人間なのだろうか。

 私はまた、眠ってしまっていたのだ。

 慌てて目覚めると、部屋はもうすでに暗くなっていた。冷や汗をかきつつ起き上がった私は、女がその部屋にいることにやっと気付いた。

「ごめんなさい」

 私は目があってすぐに謝った。

「寝てしまうなんて思わなかったの。本当にごめんなさい」

「いいのよ」

 女はくすりと笑んだ。

「それに、本当はずっと居てほしいほどなんですもの。頼み事はいつでもいいことなの。ゆっくり寝なさいな」

 その会話を最後に、私の記憶はまた途切れた。



 夜のことだった。

 私は不思議な音で目を覚ました。

 物が摺れるような、耳に残る音。何の音だろう。

 最初、私は気にせずに寝ようとしたけれど、その音はいつまで経っても私の耳に残っていて、もう一度眠りの世界に堕ちようとする私を掬いあげてくる。

 私はとうとう起き上がり、部屋の扉をこっそりと開けてみた。

 音は別の部屋からする。少し遠い部屋のようだ。行ってみるか、否か。私は迷った。何しろ、ずっと世話になっている他人の家だ。用足しでもあるまいし、勝手に動き回っていいものか。だが、私は内より生まれし好奇心に負け、一歩一歩、猫のように、慎重に、歩み始めた。床が軋む音が、妙に気になった。出来るだけ、たててはいけない。そんな気がした。

 ひとつ、ふたつ、扉を過ぎていく。そこじゃないことは分かっている。もっと向こう。もっと向こうの出来事だって分かっている。

 みっつ、よっつ、扉を過ぎていく。もっと向こう、少しずつ近づいてくる。

 そして、いつつ、むっつ……奥に一つ、扉が残った。物の摺れる音、というよりも、磨る音。何かを磨る音が、向こうから聞こえる。

 好奇心。本当にそれだけだっただろうか。私の中に住む誰かが、覗いて行けと囁いた。覗いて行くべきだと囁いた。最後に残った扉に手をかけて、そっと中を覗く。灯りもついていない部屋の中を覗く。誰がいるのか、それは明白だった。此処には、私と、あの女しかいない。何をしているのか、それは分かりづらかった。そっと覗いた先には、音の通り、女が何かを磨っている事しか見えない。目を凝らして、よく見てみないと、分からない。じっと見つめ、灯りもつけずに何をしているのか、確認してみないと気が済まない。暗がりの中で、段々と、女の表情が見えてくる。彼女は楽しそうに、その何かを磨っている。窓から入り込む月の光を浴びながら、楽しそうに、その何かを磨っている。

 一体、何をしているのだろうか。

 月の光が、何かに反射する。それは、女の手元から。金物。金物を磨っている? 私はもっともっと目を凝らし、そして、一瞬身を凍らせた。彼女が磨っているのは、包丁だった。綺麗に、丹念に、磨ぎ澄ましている。やがて、手を休めて、それを持ち上げ、きらりと月の光を浴びせ、光らせる。やっぱり包丁だ。咄嗟にその場から後退りし、その光景を覗くのをやめた。何を怯えているのだろう。彼女はただ、包丁を磨いでいただけ。きっと切れ味が悪くなったから、磨いでいただけだろう。それだけのことだ。それなのに、私の鼓動は強く、強く、一向に落ち着かず、私の身体を芯から震えさせた。何かが身体の底から叫んでいる。私に何かを忠告している。早く部屋に帰ったほうがいい。そして、明日の朝は、早く心安らかになれる我が家に帰ったほうがいい。そう告げているようだった。

 その時、かたん、と背後で音がした。何の音か気にする余裕すらなかった。振り向くなんてとんでもない。私は凍りついた体を何とか溶かし、汗だくの、重い体を引きずって、宛がわれた部屋に戻った。彼女はただ、包丁を磨いでいただけ。それだけだ。なのに、どうしてこんなに怖いのだろう。私はどうしてこんなに怯えているのだろう。部屋に戻ると真っ先に寝台に潜り、毛布を手繰り寄せた。頭からかぶり、瞼をぎゅっと閉じる。外からの刺激を全て遮断して、朝が来るまで待とうと思った。けれど、そんな私への嫌がらせのように、唐突な冷たい感覚が、毛布を掴む私の腕を襲った。

 思わず短い悲鳴をあげた私。だけど、毛布から顔を出して、私の腕を掴む冷たい何かを確認するなんてとても出来ない。それに、確認しなくても、すぐに正体は分かった。

「起きているんでしょう? 毛布をどけなさい」

 あの女の優しげな声だった。だけど、その裏に、何かおぞましいものが秘められているかのような声。従う事も、抗う事も出来ず、私は固まった。その私の心をさらに握りつぶすかのように、彼女は掴んでいる私の腕を上下にゆっくりと撫でていく。

「ごめんなさい……」

 私は思わず謝った。謝ればいいのか、違うのか、そんなことは全く関係なかった。ただただ怖い。怖いから謝った。そんな私の姿が滑稽だったのか、女はくすりと笑い、毛布をぐっと掴む。ゆっくり時間をかけてずらし、私から毛布を奪っていく。私はぎゅっと瞼を閉じた。閉じたまま、力のこもる身体を抱え、丸まった。

「目を開けて頂戴、おチビちゃん」

 それでも私は開かなかった。抗うつもりじゃなかった。開けなかったのだ。怖くて身体が動かない。女はそんな私の体をゆっくりと撫でていく。解すつもりなのか、さらに固めるつもりなのか、分からない。

 でも、その時に感じたのは、頬の肌にぴたりとつく冷たい感覚。一瞬で、それが何なのか分かってしまった。恐る恐る私は薄目を開けた。目に映るのは、女の目。目に映った瞬間、私の瞳は囚われてしまった。彼女の目。彼女の瞳。赤く光っている。熟れた果実のように、赤く光っている。恐怖で動かない私の心と体を、さらに縛り付けるかのように、目を光らせて、私を見つめている。もう、私には、彼女の目しか見えなかった。真っ暗な部屋の中で、彼女の目しか見えなかった。このまま朝が来るとしても、来ないとしても、私には、彼女しか見えない。彼女の瞳しか見えない。この赤い果実のような、彼女の瞳しか目に映らない。今、私がどういう状態でいて、どうなっているのかなんて、私の思考には上りもしない。ただ、私の意識は、私の存在は、彼女の瞳の中に、どっぷりと包まれていくだけだった。もう反らせない。もう閉じれない。もう逃げられない。もしも朝が来ても、きっと朝は来ない。このまま、このまま、彼女の瞳の中に呑みこまれてしまう。赤い果実の中に、閉じ込められてしまう。どうしてこうなったのだろう。何が原因だっただろう。そんな反省をする自由すら、もう、私にはなかった。

 彼女の目が、細められた。

 その中の赤い果実は、月の光を浴びながら、私の口に、甘酸っぱい味で誤魔化した絶望を、ぽとりと落としていった。

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