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第8話 魔王軍緊急会議

「これより、魔王軍緊急会議を始めるぞ。司会進行は俺、御意見番のミックだ。秘書室長のシルヴィアに助手をしてもらう 」


 ミックは皆を見渡す。


「議題は1年後に攻めて来る勇者連合軍への対応などだ。これから我々はどうすれば良いのか?

  みんなに遠慮なく発言して欲しい。まず会長、この世界の現状について説明してくれないか 」


 ミックがパパラスを指名した。


「この世界の現状について説明するぞい。

 まず、この大陸には大小合わせて100近い国や部族などがあると言われておる。離散集合を繰り返しておるので正確な数はわからんわい 」


「えらい多いですな 」

 ツーリが発言する。


「ただし小さい国や部族などがほとんどなんじゃ。特に大きな国は4つしかないんじゃ 」


 ミックが(うなず)く。

「魔族が支配するのは北の魔帝国マズル、西の魔導国家ハザルド。人が支配する東の王国フラウズはアイリスの実家だ。南のパルタスも人が支配する国だが戦争国家と呼ばれるヤバイ国だ 」


「大国ではないけれど、エルフの国や人面樹の国、傭兵国家やら通商国家、ドワーフの地下王国、村みたいな大きさの国なんてあるらしいわよ 」


「それぞれの大国が各地域を支配しているわけじゃな。しかし完全にはほど遠いし、大陸中央部には多くの国がひしめき合っているんじゃ 」


「なぜ、大国が勢力を伸ばせないのでしょうか? 」

 ツーリが質問する。


「お互いに、裏で相手の足元に工作を仕掛けているんじゃよ。相手が勢力を伸ばせぬように。それで数十年もの間、4すくみの状態が続いているんじゃ 」


「たしかパルタスは剣帝パルタスがクーデターで仕えていた国を乗っとったらしいの 」

 猫老師が聞いてくる。


「あぁ、前の国を含めての4すくみの継続だな 」

 ミックが答える。


「でも4すくみも悪い事ばかりじゃないわね 」


「そうなんだ、それは悪い事だけでは無いんだ。お陰で我々のような小国が多数残っているんだから 」


「そうね。大国は強固な専制国家ばかり。自由も無い国や、独裁者に支配されるのは嫌ね 」


「そ、そうだ、俺たちは料理の自由を守るんだ!!」

 料理長が勢いよく立ち上がる。


「そうじゃ、儂たちは料理の自由を守るんじゃ!! 」猫老師が賛同する。


 ガシッ!!


 固く握手をする二人。


「……」

「……」

「……」


「よし、「俺たちは自由の国を守る」と言う事で話を進めるぞ 」ミックが皆を見渡す。


 皆がしっかりと頷く。


「それで具体的にはどうするんじゃ」

 猫老師が手を上げて発言する。


「戦って勝つ準備をするしかない。まず戦力を増強する必要がある。そして戦力を支える国力をつけなければいけない 」


「そうすると魔王を呼び戻す必要があるわね 」

 シルヴィアが困った顔をした。


「お、俺の料理が口に合わなかったのか……」

 ズイマが暗い顔になる。


「気にするな、ズイマ。魔王を強くする為にハードコースを頼んだのは、俺と猫老師だ 」

 ミックがズイマの肩に手を置いた。


「ハードコース? 」

 林檎の人面樹のアプルンが聞いてくる。


「ズイマは、能力アップに繋がる魔力が込められた食材で料理したんだ。ただ魔力入りの食材は不味い物が多い。そして命の危険を感じた時ほど、魔力の吸収率が上がるんだ。だから強力な味付けにしてもらったんだ 」


「そうなんじゃ。儂なんか、この年で新必殺技を覚えたわい。魔王クラスでもイチコロじゃ 」

 自らの前足に息を吹きかける猫老師。


 臭い息とかじゃないわよね? 貴方は校長なのよ、と猫老師を見るシルヴィア。


「な、なんじゃ、シルヴィア先生。儂の新必殺技が見たいのかの? 」

 猫老師がシルヴィアの目を見る。


「え、遠慮するわ 」

 顔を逸らすシルヴィア。


「よし、『猫老師の新必殺技は遠慮する 』という事で話を進めるぞ 」


 ミックが皆を見渡す。

 皆がしっかりと頷く。


「残念じゃ 」

 うなだれる猫老師。


「みんな、聞いてくれ 」

 ミックが真剣な目で皆を見渡す。


「知らない者も多いと思うので、ここでハッキリと伝えておきたい……」


 皆がミックに注目する。

「俺たちは300年以上続く戦乱の世を終わらせる為に、人魔が共存出来る国を作りたいんだ。」


 


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