第6話 老師vs勇者
「儂のお昼寝中に色々と暴れてくれたようじゃな……許さんぞ 」
猫老師の毛が逆立つ。
「さすがに片手で勝てる相手では無さそうですね 」
ツーリに食い込んだ剣を抜き、猫老師と向き合うアキレア。
ドーン
地を響かせて倒れるツーリに、シルヴィアが駆け寄る。
「回復魔法!! 」
「あ、姉さん……み、みんなは……」
「大丈夫よ。パパラスが水魔法で消火したわ。今は魔力を使い果たして寝ているわ 」
「あ、ありがとうございます……」
涙を流すツーリ。
シュン!!
アキレアの後ろに現れた猫老師が、後頭部に蹴りを放つ!!
「甘い!!」
アキレアは振り向きざまに猫老師の足を掴む。
「もらった!! 」
猫老師を地面に叩きつける!!
ポフッ!!
「幻影じゃ!! 」
猫老師の体当たりがアキレアの腹に突き刺さる。
ドーン!!
吹き飛ばされて建物の壁を破壊し、建物の中に消えるアキレア。
「ヤバイぜ!校長先生!!」
「あぁ、ヤバすぎる 」
「校長先生はヤバイわ 」
「ヤバイ、ヤバすぎる 」
騒めく子供達。
「これこれ、人に向かってヤバイとか言ってはならぬぞい 」
「はーい!!」
子供達の返事がハモる。
「ヤバイのはあやつの料理だけじゃ……」
猫老師の額から一筋の汗が落ちた。
「大丈夫、ミック。攻撃しなければ勝てないわよ 」
ガンッ!!
ガンッ!!
「もういいだろう、アイリス。諦めて帰るんだ。」
ガンッ!!
ガンッ!!
「甘いわね、ミック。アキレアは老いたりとは言え、七大勇者の一人だった男。ズイマ無しの後衛の2人や三流モンスター達には止められないわよ 」
「甘いのはお前だ、アイリス。たった一人の勇者に負けるほど俺の仲間達は甘くない 」
「仕方ありません。手加減無しでいきますよ!! 」
シュン!!
アキレアが猫老師に迫り剣を振る。
ポフッ!!
幻影が消える。アキレアはそのまま回転し、虚空へ回し蹴りを放つ!!
ドガッ!!
虚空から老師の姿が現れる。
ヒューン。
蹴り飛ばされる猫老師。
「爆雷!!
爆雷
爆雷」
アキレアが魔法で追撃する。
「しつこいわい!!」
猫老師は空中で回転して爆雷を蹴り飛ばした。
シュン!!
高速移動したアキレアが猫老師の頭上に現れて、魔力を込めた剣を上段から振り下ろす。
「終わりです。奥義 光波斬!!」
「むっ!! 魔奥義 4重白刃どり!!」
猫老師は魔力を込めた4本の手足を使って刃を抑えた。
アキレアの剣の魔力が抑え込まれる。
「ならば地面にこのまま叩きつけるまでの事。受け身を取らなきゃ死にますよ!! 」
「ヤバイんじゃ!猫魔導!口からファイヤー!!」
猫老師の口から炎が吐き出されアキレアを狙う。
「チィッ!! 」
首を捻り炎を避けるアキレア。
その隙に飛び去る猫老師。
「本当に只者では無いですね。並の魔王より遥かに強いじゃないですか……貴方は何者なのですか? 」
「儂は猫老師、猫師範と呼ぶ者も、校長先生と呼ぶ者もおるわい。ただし名は忘れた 」
「まぁ、いいでしょう。久々に楽しめそうな相手です。せいぜい楽しませて下さい 」
猫老師はイヤイヤと首を振る。
「いや、儂は歳なんでそろそろ限界じゃ。お土産が来たので、持って帰るが良い 」
「お土産? 」
「そうじゃ、匂わぬか。このなんとも言えぬ香りが。心を刺激する香りが 」
猫老師の口からヨダレが落ちる。
「来る!! 」
狼男の少年が鼻をクンクンと動かす。
「ヤバイのが来る!! 」
狼男の少年は目を輝かせて皆に告げた。
「おーい!!みんな〜!!お客様にお土産を持って来たぞー!! 」
はぐれエルフの少女に引き連れられて、料理長がお土産を持ってやって来た。




