第38話 それぞれの提案
話は少し巻き戻る。
諸国行脚を終えたミック達はシーデス人魔国に向けての帰路についていた。
「ウヒヒ、ミック、ラナ。お前らは卵が先か、鶏が先かどちらだと思う? 」
「う〜ん、私は卵が先だと思うわ。だって卵から生まれて鶏になるんだもの 」
「ミック、お前はどうだ? 」
「俺は……鶏だと思う。鶏から卵が生まれるから、鶏がいなければ卵は生まれはしない 」
「それを言うなら、卵が存在しなければ、鶏も存在しないわよ。それに私はオムライスが大好物だから、卵の無い世界では生きて行けないわ 」
「おーい!! 」
「それを言うなら、俺は焼き鳥が大好きだ。鶏のいない世界では生きていけない 」
「あら、誰か呼んでる? 」
「ん? 話を逸らしてはダメだぞ、ラナ。俺は焼き鳥が大好きなんだ!! 」
ブァサブァサと羽の音がして、ハヤブサ丸がピンクミイラさんの肩に掴まった。
「ウヒヒ、ハヤブサ丸。何があった。顔色が悪いぞ 」
「焼き鳥……じゃなくて、人魔国が巨大軍隊蟻の大群に襲われて大変なんだ」
「ウ、ウヒヒ、何だと…… 」
「急いで戻らないと!! 」
「でも、ここからだと、まだ4〜5日はかかるぞ 」
「ウッヒッヒ ……ヤバイな、間に合わんかも知れんん。猫老師の必殺技は強力だが蟻の大群との相性は良く無い……」
「私の超強力な爆炎魔法なら…… 」
「ウヒヒ、そうだ、ラナ。お前向けの戦況なんだが、時間が足りん 」
ハヤブサ丸がコンコンと優しくピンクミイラさんの頭をつついた。
「なぁ、ピンクミイラさん、俺が親分を呼んでこようか」
「ウヒヒ、しかし奴は戦争中で国を離れられないだろう 」
「違う、違う、大大親分では無くて大親分でも無くて親分。大大親分のお孫さんの大いなる翼の事 」
「ウッヒッヒ 、グローリーか、懐かしいな、大きくなったのか 」
「それはもう、大きさだけなら、大大親分に匹敵しているんだ 」
「ウヒヒ、呼んでこれるか? 」
「おう!!グローリー様もピンクミイラさんに会いたがっていたから、きっと大丈夫 」
「ウッヒッヒ 、すまん。そしてありがとう 」
「じゃあ、俺は急いで鳥の国に戻ってグローリー様を呼んで来る。戻って来たら、グローリー様に乗ってひとっ飛びだぜ 」
「ウヒヒ、わかった。俺たちは、このまま人魔国への帰路を進む。見つけたら拾ってくれ 」
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帰路につくズイマ、パパラス一行の元に、ハヤブサ角がやって来た。ゆっくりとズイマの肩に止まる。
「おぅ、ズイマ、やっと見つけた 」
「ん?ハヤブサ角なんだな 」
「どうしたんじゃ、ハヤブサ角。国に何かあったのかの 」
パパラスがズイマに駆け寄る。
「大変だ。巨大軍隊蟻の大群が人魔国に攻めて来たんだ 」
「なんじゃと!! 」
「急いで戻らないと、みんな、死んでしまうぞ」
「しかし、ここからでは、どんなに急いでも8〜9日はかかるわい。しかも巨大軍隊蟻の大群相手に無策で挑むのは、危険すぎるわい 」
アプルンが前に出る。
「だからと行って皆を見捨てるなんて出来ないぞ 」
「わかっておるわい。しかし…… 」
「お困りのようね 」
ラフレシアの人面花、ラフィーさんがパパラスの顔を覆い被さった。
「『「『「ラフィーさん!!」』」』」
「うふふ、策ならあるわよ。お姉さんに任せてもらっていいかしら 」
モゴモゴ……
何か言っているパパラス。
モゴモゴモゴモゴモゴモゴモゴモゴ……
必死で何か言ってる、必死でラフィーさんを取ろうとしている、きっと反対してるんだ、と思うエル達。
ズイマが皆の前に出て、皆を見渡した。
「パパラスが喋れないから仕方ないんだな。ラフィーさんに任せてしまうんだな 」
「『「『「え〜っ!!」』」』」




