第25話 品評会と商談会
1週間が経ち、果実、野菜の品評会と大商談会の開催日の朝。
「それでは会長、行ってきます 」
アプルン、ジレンオ、ナッシーノ、ヤッシーノ、スイーカ、シーデス人魔国の誇る人面樹部隊の精鋭が集結していた。
「頼んだぞ、みんな。野菜や果実の商談は品評会の結果次第じゃ。我が国の命運はお主らにかかっておるんじゃ 」
「頑張って下さいね 」
「が。頑張るんだな 」
「はい、行くぞ!!みんな!! 」
「おう!! 」
人面樹達は品評会会場へと去って行った。
「それでは儂らは大商談会の会場に向かうぞい 」
「はい 」
「わ、わかった 」
パパラス、エル、ズイマの3人は大商談会の会場に向けて歩き出した。
果実、野菜の品評会は商業都市トレーディア南端の大農園の一角で行われる。アプルン達は荷馬車に果実と野菜を乗せて品評会に向かった。
「アプルン、人面樹の国の連中はどうだった 」
ジレンオが横に並んで来た。
「うん、バオさんのバオバブの出来はかなり良いね。ドリーさんのドリアンも美味そうだった 」
「やはり、今年もライバルは人面樹の国か? 」
「あぁ、人間の作った果物では、人面樹の丹精を込めた果物には敵わない。なにせ本人だからな。やはり強敵は人面樹の国だ 」
「まぁ、俺のヤシの実の出来も最高だからな、あんな奴らには負けん 」
「お、着いたぞ 」
アプルンは会場のシーデス人魔国のブースを探す。
「お、あそこだな 」
シーデス人魔国のブースに着いたアプルン達は、試食用の果物を準備する。
「今年の入場者予想は、一体どのくらいなんだアプルン? 」切った梨を並べながらナッシーノが問いかける。
「去年が2000人だったそうだから、今年は更に増えてそうだな 」
「入場者は一人当り、3ポイント、2ポイント、1ポイントの3枚の券を持っていて、美味しいと思った順に投票出来るんだよな? 」
切ったスイカを並べながら確認するスイーカ。
「その通りだ。それぞれの果実の中で得票が一番多いのが最高金賞なんだ。ただ去年はライバルのエラーでうちが優勝したんだ 」
アプルンも林檎を並べ始める。
「あぁ、去年はラフレシアのラフィーさんのゲップで人面樹の国から観客が離れていったんだっけ」
ナッシーノが思い返すように答える。
「一昨年は確か…… 」
スイーカが更に記憶を辿る、
「あぁ、ショクダイコンニャクさんが屁をこいて、人面樹の国から観客が離れていったんだ 」
ナッシーノが嬉しそうな顔をした。
「今年も何が起こるかわからない。油断せずに行くぞ!! 」
アプルンが檄を飛ばす。
「おう!! 」
人面樹達の心が一つになった。
大商談会 会場
「これで準備完了ですね 」
「うむ、これで充分じゃ 」
「は、発酵小魚〜ズイマ印の秘伝のタレ漬けが大人気になったらどうするんだな 」
「その場合は国の外れに工場を作って大量生産しても良いぞい 」
「一匹、一匹を丹精込めて、お客様の為に手作りで仕上げたいんだな 」
「それは駄目じゃ、ズイマよ。お主には戦士長としての重要な仕事がある。今は非常時じゃ、発酵小魚は部下に任せるんじゃ 」
「そうですね、ズイマさんには戦士長としての重要な仕事がありますからね 」
「わ、わかった。みんなを守るんだな 」
品評会 会場
ワイワイワイワイ
品評会会場は大勢の人達で賑わっていた。
「お〜っ、俺のスイカが、俺のスイカが飛ぶ様に無くなっていくぜ 」
「う〜ん.今年は俺の蜜柑も絶好調だ。去年はオレンジだと思ってエントリーを間違えていたから駄目だったんだな 」
「美味い 」
「美味すぎる 」
「美味い、美味い 」
「信じられないほど美味い 」
魔リスの群れがアプルンの林檎に群がっていた。
「フフフ、今年もてっぺん取りますよ……」
アプルンがニヤケながら呟いた時だった。
ドガーン
ドガーン
ドガーン
ドガーン
大きな地響きと共に巨大な足音が響き渡った。
「何だ?何だ? 」
「あっちだ!! 」
商業都市トレーディアの高く分厚い南端の城壁。その城壁の上から巨大な頭が見えた。
単眼の巨人。サイクロプスが現れた。




