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第20話 ピンクのしるし

「フフン、大魔導士ラナ。良いわね 」

 鼻高々になるラナ。


「ククク、魔法のコントロールを覚える事が出来たらだがな 」


「良かったじゃねーかラナ。とっとと魔法のコントロール覚えて大魔導士になっちまえ 」


「うん。なるなる。大魔導士になっちゃうよ〜 」


「すみません。ラナはすぐに調子に乗って失敗するんです。扱いに困る子ですが、悪い子じゃ無いんです 」


「大丈夫だ。俺達が責任を持って魔女の村に届けるんで、安心して欲しい 」


「クックック、それよりアンタらも何かあったらシーデス人魔国に寄ってくれ。うちの国は優秀な人材を常に募集しているからな 」


「ありがとう。ラナも気になるし、いずれ寄らせて頂くよ 」


 勇者ミックと勇者グーヘンは握手をして別れた。


 ・

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 馬車に乗って揺られて行く3人

「クックック、ラナ、お前の問題は2つあると俺は見ている 」


「2つ……」


「あぁ、お前。味方や敵に魔法を直撃させた事があるのか? 」


「無いわ。私の魔法、当たらないんだもん 」


「ククク、無意識で威力の大きさを恐れて、コントロールが狂うんだ 」


「うーん、確かに魔狼の大群も、(やぐら)や防壁とかの下敷きになっただけだし……物にしか当てられない 」


「クックック、次だ。ラナ、魔力を止めてみろ 」


「魔力を止めてみろってどういう事? 」


「クックック、お前さんの魔力量は桁違いだ。それが常に溢れ出て来てコントロールを難しくしているんだ。消費量よりも生産量の方が大きい状態だな 」


「うんうん 」


「だから、魔力の生成や回復を止めるんだ。と言っても無意識に多量の魔力を生成しているようだな……」


「どうすれば良いのかしら? 」


「ククク、そうだ。このペンダントをやろう 」

 ピンクミイラさんは淡いピンク色に光る宝石のペンダントを取り出した。


「これは? 」


「クックック、これがピンクのしるしだ 」


「ピンクのしるし? 」


「ククク、このピンクの宝石は魔力を吸収して膨大な量を貯める事が出来る。

 俺が認めた極少数の魔法使いにだけ渡しているんだ。毎分吸収量は……これくらいか。ほら付けてみろ 」


「うん 」

 ラナはピンクのしるしを身につけた。


「クックック、どうだ? 」


「うん、何か疲れが取れるみたい 」


「ククク、丁度良さそうだな。今日からお前もピンクの使徒だ 」


「ちょ、ちょっと恥ずかしい名前ね……」


 ちょっとじゃ無いぞと思うミック。関係無くて良かったと安堵の溜息をつく。


「ピンクミイラさん。ミックさんも欲しそうな顔をしてるわよ 」


「はい? 」


「クックック、何だ、欲しかったのかミック。

 魔力吸収量をゼロにする事も出来るからな。勇者ミックは俺の認めた逸材だ。特別に授与しよう 」


「え? 」


「良かった。これでミックさんもピンクの使徒ね。仲間がいるって素晴らしいわ 」


「えーっ!! 」

ミックの叫びが、馬車が走行中の森林の中に響き渡った。





ラナ達と別れた3人は酒場で夕食をとっていた。


「いや〜、素晴らしい剣だ。こんな凄い剣は見た事が無い 」剣に頬ずりする勇者グーヘン。


「しかし、変わった2人組だったな。ピンクのミイラは底知れない感じだし、勇者の方も全く隙がなかったからな 」


「勇者ミック、勇者ミック、聞いた事がある気がするのよね 」


「ミックって珍しい名前では無いからな 」


グレースがパンと手を叩く。

「思いだしたわ。勇者ミックって戦闘国家パルタスで魔族領内の人族の村を100以上解放した大英雄よ。消息不明とは聞いていたけど生きていたのね 」


「パルタスのミック……まさかミック ライトニング カントリーか? 」


「そうだと思うわ。黒髪の勇者で普段はそんなに強そうに見えないって話に合致するわ。それに極炎の魔剣を簡単に人にあげるには、それ以上の剣を持ってないと無理よ 」


「この剣を上回るって、あり得ないだろう 」

勇者グーヘンが話しに入って来る。


「それが出来るミックは、ミック ライトニング カントリーしかいないって話しよ 」


「確かにな……」

スキッドが酒をゴクゴク飲む。


「しかし、あの剣帝パルタスの弟子のミックだとしたら、何でこんな所にいるんだ 」


「2〜3年前にパルタスから出奔(しゅつぽん)して行方不明になったと言う噂なんだけど……」


「まぁ、いいじゃねーか、悪い奴らじゃなかったし、依頼が終わったら、ラナの様子見のついでにシーデス人魔国に寄ってみようぜ 」


「そうだな、ノーコン破壊神(デストロイ)の成長ぶりが見たいしな 」


「うふふ、それじゃあ、吸血鬼退治を早く終わらせて、ラナ達に早く会いに行きましょう 」




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