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第2話 女勇者 来襲

「敵だ!!敵が攻めて来たぞ!!」

 ボロボロになった人面樹達が魔王城の(ふもと)町に逃げ込んで来た。


 騒めく町の人々。


「貴方達、大丈夫?」

 長い銀髪の若い美しい女性が前に出る。


「シルヴィア姉さん!!」

 安堵する、林檎の実をつけた人面樹。


「シルヴィア姉さん?」

 蜜柑の実をつけた人面樹が聞いてくる。


「知らねーのかよ!ジレンオ。魔王軍 秘書室長 兼 聖女のシルヴィア姉さんを……

 この国の裏の支配者なんだぜ。だから情報通は、敬意を込めて『シルヴィア姉さん』もしくは『(あね)さん』と呼んでいるんだ 」


「裏の支配者とかじゃ無いんだけどね 」

 人面樹達に回復呪文をかけるシルヴィア。


「それで、どうなったのかの?」

 白いひげの老人、魔王軍 会長のパパラスが前に出る。


「か、会長様。はっ、敵は2人。紫色の髪の女勇者と、執事っぽい老人です 」

 林檎の実をつけた人面樹 アプルンが答える。


「紫の髪の女性と執事か……」

 呟くパパラス。

「間違い無く、あいつらね 」

 鋭い目付きになるシルヴィア。


「国境防衛 果樹部隊は奮戦するも敗北。私なぞは、全てのブドウの実を奪われて……」

 涙を流す、果樹をつけていない人面樹。


「恐らく今頃は、国境防衛隊長のツーリ様と杉の木

 部隊が交戦中と思われます 」

 ジレンオが報告する。


「おぉ、魔王軍二天王の1人のツーリ様か!!」

「歩く人面樹と恐れられるツーリ様なら 」

「魔王軍の守護神!!ツーリ様!!」

「歩く人面樹!!ツーリ様!! 」

 盛り上がる町民達。



 ドドドドドドドドドドドドドドドド!!!


 物凄い爆音が町に近づいて来る。


「何だ、何だ!!」

「敵か?」


 物凄い勢いで爆走する大きな人面樹が近づいて来る。


「止まるんじゃ!ツーリ!! 」


「おっとっと……」

 身体を傾かせながら止まるツーリ。


「か、会長!! 」

 安堵の表情を見せるツーリ。


「どうしたんじゃ? というか今日のツーリはえらいデカイの。普段の小さいのは何なんじゃ?」


「普段のは、我が枝から生まれた分身のような者でございます。あれは室内用、こちらは屋外用。今日のが本体でございます 」


「そうか。それでどうしたんじゃ?」


「そ、それが賊がこの国に侵入して参りまして、部下達と戦ったのですが、奮戦及ばず部隊は壊滅……援軍を呼ばねばと駆け戻った次第です 」


「紫の髪の女勇者に執事かの?」


「そうです。鬼のような顔、いや、悪魔のような顔の2人組でごさいました。グレプンなどは沢山成っていたブドウを全部食べられて泣いておりましたぞ 」


「なんて奴らだ!!」

「俺は見たぜ。女勇者がブドウを頬張って、口から血のような真っ赤な果汁を垂らすのを 」

「なんて下品なんだ!!」

「そんな奴は人間じゃない!悪魔だ!吸血鬼だ!」

 ヒートアップする人面樹達。



 ツーリが前に出て、腕(枝)を突き上げて叫ぶ。

鬼面勇者(きめんゆうしゃ)に天罰を!!」


 部下の人面樹達が追従する。

「鬼面勇者に天罰を!! 」



 再びツーリが腕を上げ絶叫する。

「鬼面勇者に〜天罰を〜!! !」


 部下と町の人々が追従する。

「鬼面勇者に〜天罰を〜!!!」



 調子に乗るツーリ。

ワン モア プリーズ(もう 一回)

 鬼面勇者に〜天罰を!!」


 追従する人々

「鬼面勇者に〜天罰……」


 バキッ!!バキッ!!バキッ!!

 ツーリの天頂部の枝が次々と折れていく。


「ギャアアアアアアアア」

 ツーリの絶叫が響き渡る。


「て、天罰……」

「ツ、ツーリ様に天罰が……」

 部下達の顔が青ざめる。


 ストッ


 ツーリの葉っぱの生い茂った枝の中から、人が2人落ちて来る。


「誰が鬼面勇者よ、失礼ね 」

 紫色の髪をなびかせた女勇者が現れた。


「姫様に対して何たる無礼。枝3本で済んだのを感謝するべきですな 」


 シルヴィアとパパラスが前に出る。

「また、お主達か 」


「ご機嫌用 パパラスさん。勇者ミックはどこかしら? 」


「知らないわ、知ってても教えないわよ 」

 シルヴィアがパパラスを(さえぎ)る。


「貴方には聞いてないんですけどね。シルヴィアさん 。貴方達がミックを(そそのか)すから、大変な事になっているんですけど 」



「変な理由をつけて、ストーカーするのを辞めて頂けるかしら。アイリスさん 」


「何度言えばわかるのかしら。(わたくし)はストーカーなどではありません。フラウズ王国 第三王女 アイリス フラウズよ 」


「何だって!!」

「フラウズ王国って言ったら、対魔族 強硬派じゃないか!!」

「俺の昔住んでた国は、こいつらに滅ぼされた……」

「私の家族は……」

 騒めく魔族達。




「たった2人で魔族領に来るなんていい度胸だ!! 」林檎の実をつけた人面樹 アプルンがぶち切れる。


「俺の葡萄の実の(かたき)

「迷い込んで来た人族を殺したら法律違反だから……半殺しだ!!」

「半殺しも法律違反じゃないのか? 」

「奴らから攻めてきたんだから、正当防衛だ!!」

「後で怒られないかな? 」

「これは戦争なんだ!!生きるか死ぬかだ!! 」

「私の大切な枝の仇……」


「ごちゃごちゃ言わないで掛かって来なさい 」

 アイリスが挑発する。


「行きますよ!!」

 ツーリが指示を出し、皆で襲い掛かる。


「ダメじゃ!! 」

 パパラスが止めるも皆止まらない。


「死ね!!勇者!! 」


 ドガーン!!


 襲い掛かった魔族達が吹き飛ばされる。


「姫様には指一本触れさせませぬ。老いたりとは言え、元世界最高ランク勇者の一人である私、アキレアがいる限り」





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