第14話 嘘つき対決
「物の価値がわからぬ奴め……」
シーデスはフラフラと立ち上がる。
「なんだ、もうフラフラではないか。そんな弱さでよく国を作る事が出来たものだ。
この周辺には弱い魔物しか居らんかったようだな 」
「シーデス様を守るんだ 」
シーデスの周りに警備兵が集まる。
「邪魔だ 」
ブンッ!!
魔龍は尻尾でシーデス達を攻撃する。
「ぐわぁあああ 」
警備兵と一緒に弾き飛ばされるシーデス。
「弱い、弱過ぎる 」
「舐めるなよ……」
シーデスはフラフラと立ち上がり血を吐き出した。
「お前は魔王を怒らせた。その罪は万死に値するぞ 」
「えーい、口だけ魔王め。そろそろトドメを刺させてもらうぞ 」
魔龍は尻尾でシーデスを攻撃……
シュルルルン
何かが尻尾に巻きついて、尻尾が動かない。
「クックック。魔王様、ありがとよ。そいつの動きは見極めた。もういいぜ 」
薄いピンク色をしたミイラ男が現れた。
「なんだ。貴様は?儂の尻尾に変な包帯を巻きつけおって 」
「クックック、俺の名前はピンクミイラ。
魔王軍 新四天王 兼 医療部隊の責任者だぜ。 みんな、負傷者の救護を頼む 」
ミイラ男達がワラワラと現れて怪我をした警備兵達を運んで行く。シーデスはその場で回復呪文を受けていた。
「愚か者め、たかがミイラ男の分際で魔龍に逆らうとは、貴様に容赦する必要は無い。死ぬがよい! 」
魔龍は大きく口を開けて魔力を集めて、ブレスを撃つ準備を始める。
シュルルルン
魔龍の口に包帯が巻きついていく。
「ククク、知ってるか?ワニは噛み付く力は凄いが、口を開く力は弱いんだぜ 」
ギューッ
包帯が口を縛り上げる。
ドカーン!!
口に集まった魔力が暴発して爆発した。
倒れこむ魔龍ディストラ。
「クックック……お前の弱点は準備動作に時間がかかる事だ。魔王様と俺のタッグに死角は無い 」
ピンクミイラは魔龍の両手、両足、両羽を包帯でグルグルと縛り上げる。
「ククク……これでいい。さ、口の包帯を緩めてやろう。教えて欲しい事があるんだ 」
「誰が貴様なんかに答えるものか!! 」
「クックック、俺は心が読めるんだ。お前は答える必要は無いぜ 」
「な、なんだと 」
「クックック、お前は魔帝国マズルの手先だな 」
「違う。儂は10億ギルドが欲しくて……」
ギューッ
口の包帯が締まる。
「クックック、嘘を付くと包帯が締まるんだぜ。次の質問だ。マズルは我が国を侵略するつもりだな? 」
「知らん。儂は金がもらえると聞いたから……」
ギューッ
口の包帯が締まる。
「ククク、嘘をついても無駄だ。次の質問だ。マズルは中央諸国一帯を侵略するつもりだな? 」
「俺は、ただ魔王シーデスを……」
ギューッ
口の包帯が締まる。
「ククク、嘘ばかり付くドラゴンさんだな……」
「嘘を付いているのは貴様だ……」
ギューッ
口の包帯が締まる。
ピンクミイラは顎に手を当てて考える仕草をした。
「クックック、わかった。俺は心が読めるんだ。包帯を解いてやったら大人しく帰るか? 」
「あぁ、大人しく帰るから解いてくれ 」
このミイラ、嘘ばかり吐きおって。何を考えているのかはわからんが、解いたら皆殺しだ。
「ククク、好きにしろ 」
魔龍を拘束していた包帯が解けていく。
「ククク、じゃあな 」
ピンクミイラは片手を上げて、背を見せて帰って行く。
包帯が解けてピンクミイラの元に戻っていく。
「死ね!!ミイラ!! 」
魔龍の尻尾をピンクミイラに向けようとした瞬間、何かが魔龍の尻尾を掴んだ。
「き、貴様はシーデス!! 」
シーデスは魔龍の尻尾を引っ張って、思いっ切り空高くぶん投げる。
そして練りに練った魔力を拳に乗せる。
「ジャスト5分、愚かな魔龍よ、散るがいい。魔導の極み 天の時 魔導拳!! 」
一直線に魔龍に向かったシーデスの魔闘気は魔龍の心臓を貫いた。
「グハァ……」
絶命するディストラ。
ピンクミイラは振り向いて呟く。
「クックック……やっぱり嘘つきドラゴンさんじゃねーか 」




