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状況説明


 コーダ。俺の名前だってこの男は言った。確かにしっくりくる。当たり前だ、前世で16年間使って生きていたのだから。



 コーダか、何だか懐かしくなってくる。そういえば他のみんなはどうしているだろうか、普通は1才なんて激しい運動させたりしないだろうから、ゴロゴロしているのだろうな。とかつてのクラスメイト達に思いを馳せていると、


「っし!じゃあ疲れているところわりいけど、コーダ、何があったかって分かるか?家族とかってどうしてるか分かるか?」

「その前に、自己紹介っすよ団長。コーダ君、こっちのデカいのはガスティマ。

 こんな図体だから自警団の団長しててけっこう強いんだよ!それで僕はバーリーって言ってこのデカいのの部下だよ。」

「おい、デカいは余計だろうが。」


 この掛け合いにふふっと笑ってしまった。笑ったのっていつ振りだったかな。

 正面では、俺が笑ったのを見て2人ともホッとしてるように見えた。



 それよりも大きい男はガスティマ、小さい男の方はバーリーと言うみたいだ。この2人は自警団だって言ってるし味方になってくれると心強いなあ。


「ぼくは、おとうさ、おかあさ、から・・・」

「にげて、きた。」

「ころす、って、いわれた。」


 俺は先ほどあったことを途切れながらも一生懸命に2人に話す。これだけでもけっこう疲れてしまう。途端に2人の表情が険しくなる。


「おい、コーダ。そりゃあどういうこった?説明できるか?」



 急に雰囲気の変わったガスティマにびくつきながらもおずおずとうなずく。テーブルに置いてある綺麗な水を一口飲んでから話し出す。


「ぼくは、まえに、おとうさ、と・・・」

「おかあさ、と、いっしょに。」

「にげた、ことが、ある」


 一旦疲れたので一息ついて休憩をする。2人は俺の言葉を待っていた。


「おとうさ、ふくろ、もって、きた。」

「おおきい、だから、にげた。」


 少し水を飲む。2人は黙って聞いていたが、先ほどより顔が険しくなっている気がした。


「にげた、あとは、かわの、いえだ、った。」

「おとうさ、おとこの、ひと、に、ふくろ、あげた。」


 ここで一拍おくと、ガスティマが何がを喋っている。


「っ!?まさか、南側に行ったヤツって・・・!」


 よく分からないので俺は続きを話す。


「おとうさ、ぼくのこと、も、うる、って。」

「おかあさ、も、いっしょに。」

「だから、にげた。」

「きづい、たら、ここ、だった。」


 ふう。頑張って喋れたぞ俺!すごい疲れた。横になりたいけど、話が終わってからにしないと。



 俺が黙ったのを見て、ガスティマから質問がくる。


「じゃあ、坊主の親達は探してるってことか?」


 俺は言葉を発さずにうなずく。


 そんな俺を見てバーリーが声を掛けた。


「ありがとう、コーダ君。いっぱい話して疲れたよね。うん。今日はもう寝ていいから、ベッドに入ってお休みしよう。」


 バーリーが、俺をベッドに寝かせてくれる。俺も今日は頑張りすぎて疲れたので、お言葉に甘えることにした。



 眠る前に、ちらっと見えたガスティマの顔はまだ険しいままだった。


話す時の一人称が僕なのは、子どもらしさを出すためにコーダがわざとしています。



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