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お茶会

それからのリカルは、ひたすら婚活を頑張った。

「お茶会を開きますので、参加しませんか?王都から取り寄せた美味しいお菓子もありますよ」

そうクラスメイトの女の子を誘うが、すげなくあしらわれる。

「ふっ。王都のお菓子だなんて。私たち食べ飽きているわ」

「美味しいお菓子も、同席者がマナーもしらない野蛮人だとねぇ」

そういって笑われるだけ。田舎育ちのリカルは、女の子の上手な誘い方というものを知らなかった。

「な、なら次は実力アピールだ!」

そう思ったリカルは、勉強に打ち込んだり魔法の実技で強さをアピールするが、令嬢たちからはさらに笑われた。

「あはははっ。在地貴族が勉強なんかしてどうするの?どうせ官僚にもなれないのに」

「強さを自慢しているみたいだけど、兵士でもあるまいしねぇ。私たち貴族って指揮官なの。強いからって王宮騎士になれても、軍での出世なんて望めないわよね」

このように陰口を叩かれるだけで終わる。法衣貴族が王国の官僚組織や軍権を握っている以上、いくら能力があってもコネがないリカルは出世できないことを見抜かれていた。

「さ、最後は金だ!」

破れかぶれになって、ダンジョンで稼いだ金を使ってプレゼント攻勢をかけるも、王子たちに言いつけられてしまった。

「おい!リカルとやら!いい加減にしろ。本当に下品だな。下賎な平民でもあるまいし、誇り高い貴族が金などに転ぶわけがないだろうが!」

王子に怒鳴りつけられ、令嬢たちはクスクスと笑われる。

「情けないわねぇ」

「地位はお金じゃ買えないもんね。田舎者がどれだけお金もちアピールしたって無駄なのに」

そう笑われたリカルは、何もいえなくなって黙り込む。

その姿を、シャルロットをはじめとした四武貴族の令嬢たちはじっと見つめていた。


「くそ……どうすればいいんだ。諦めてBクラスの在地貴族の女の子にアプローチしようとしても、すでに遅いし」

在地貴族の女の子たちは、Aクラスの法衣貴族とBクラスの在地貴族の男子から猛烈なアピールを受けて、選び放題である。また法衣貴族と結婚したら大都会である王都に行けると誘われて、結構受け入れる子がいた。

その結果、リカルをはじめといる辺境の弱小貴族の子息たちが大量にあぶれてしまう。

そんなある日、シャルロットたちに呼ばれてお茶会に参加した。

「リカル。みっともないことはやめい。学園中で噂になっておるぞ。婚活に焦っていて見苦しいとな」

ムスっとしたシャルロットに言われてしまう。コロンたちも同様に渋い顔をしていた。

「だけどさぁ。俺だって大変なんだよ」

辺境在地貴族の男子の切ない婚活事情を話すと、彼女たちから同情されてしまった。

「なんか、かわいそうだな」

「……でも、僕たちだって辛いんだよ。無理やり政略結婚をおしつけられているし」

「結婚相手が見つからないのと、望まぬ結婚相手を押し付けられるのって、どちらが不幸なんでしょうか?」

彼女たちもそれぞれ悩んでいるようだった。

「というか、お前たちもこのまま結婚してもいいのか?」

「ふん。政略結婚など形だけのものじゃ。王国の思惑がどうであれ、四武貴族の広大な領地と財産はワラワたちが引き継ぐことになる。王子など、王都に来たときにちょっと相手をしてやればよいだけじゃ」

シャルロットは大貴族の令嬢らしく、割り切った考えをしているようだった。

「だから余裕たっぷりなのか……」

しかし、心の整理がついてない他の三人は暗い顔をしていた。

「まあ、あたしだって形だけでもユリシーズ坊やと結婚するなんて嫌なんだぜ。自分の相手ぐらい自分で選びたいよ」

「……クルーダなんて堅苦しくて辛気臭い神官、僕のパートナーじゃない。冒険の旅に出たらすぐ死にそう」

「なんで私の相手がよりによって骨まで筋肉でできているようなガウシスさまなんでしょう。ああ、不幸な私……」

無理やり結婚相手を押し付けられた困惑もあるが、どうも相手との相性がよくないらしい。

そんな三人に、シャルロットはにっこりと笑いかけた。

「安心せい。ワラワたちは貴族らしく偽りの結婚を捨て、真実の愛に生きればよいのじゃ」

自信満々に宣言するシャルロットに、三人は意味がわからないという視線を向けた。

「……どういうこと?」

「簡単なことじゃ。そ、その、頼りになる、良いと思った男を愛人として、自分の領地で囲えばよい」

シャルロットはポッと顔を赤く染めてリカルを見る。それを聞いて、他の三人もパッと顔を明るくした。

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