カエル肉
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「あー気持ちよかったです。温泉って最高。毎日でも入りたいぐらいです」
温泉に入ってさっぱりしたのか、マリーナが機嫌よくつぶやいた。
「一応、気をつけろよ。油出ガエルは倒したけど、他の妖蟲がいるかもしれないからな。一人で行くなよ」
リカルが忠告すると、マリーナは素直に頷いた。
「わかりました。ならこれからはリカルさんに護衛を頼みますね。私を温泉に送り迎えしてください」
「俺はそんなに暇じゃないんだけどな……あ、そういえば、肉を持って帰らないといけないんだった」
リカルは何をしに来たのかを思い出す。
「肉を?なんで?」
キョトンとした三人が聞いてきたので、リカルはムッとなった。
「なんでって、お前たちのせいだろ。騎士たちが言っていたぞ。お嬢様たちが新鮮な肉を食いたいから狩をしろって」
リカルから聞いた三人は、首をブンブンと振って否定した。
「僕は知らないよ」
「あたしたちの食事って、普通にパンとか野菜だよな。たまに魚もでるけど」
「私はもともと小食なので、あまりお肉が好きじゃないですし」
嘘は言ってないようで、リカルは首をかしげた。
「あれ?だったらなんて騎士たちは肉をよこせなんていったんだろうな」
「もしかして、シャルロットかも」
タハミーネが言うと、他の二人も同意した。
「確かに。彼女なら我侭を言いそうだね」
「悪い子じゃないんですけどね。ちょっとプライドが高すぎるというか。お魚が出たときも、こんな下賎なものは食べられませんって言っていましたもの」
それを聞いて、リカルはまだ会ったことのないシャルロットという少女に腹を立てた。
「よし。だったらこの蛙の肉をもっていってやろう」
リカルはニヤッと笑って、残っていた蛙の足を袋に入れた。
「お、おい。いくらなんでもひどくないか?」
タハミーネたちがドン引きしているが、リカルは笑って首を振った。
「心配ない。たぶん食べられると思う。蛙って鶏肉みたいな味がして結構美味らしいぞ。試してみるか?」
「い、いや。やめておくよ。さすがに無理だから」
三人の貴族令嬢はそういって首をふるのだった。
リカルは蛙の肉を持って、村に帰る。予想通り狩の成果は上がらなかったようで、漁師たちは兵士に怒鳴り上げられていた。
「この無能どもめ!鳥の一匹もしとめられないとは何事だ!」
「うるせえ!だったらてめえらでやってみろ!」
騎士たちと漁師たちが言い争っていて、一種即発の雰囲気である。あわててリカルは間に入った。
「遅くなりましたけど、ちゃんと肉をもってきました」
そういってリカルは袋をあける。中からピンク色の生肉が出てきた。
それを見て、漁師たちが歓声を上げる。
「さすが坊ちゃんだぜ」
「まだ10歳なのに、 こんな大きな獲物をもってくるとはな」
リカルを褒め称える漁師たちを無視して、騎士は生肉を受け取る。
「ん?なんで皮がついてないんだ?」
「この鳥の皮は食べられないんで、肉だけ削いで持ってきました」
リカルはぬけぬけと言い放つが、もちろん嘘である。さすがに蛙の皮がついた状態で持っていったら、怒鳴られるからだった。
「ふん。まあいい。今日の所は許してやろう。ふふ、これだけあれば、たっぷりと食えるぜ」
兵士たちは鼻で笑いながら、肉をもって館に帰っていった。
(ふふ。バカなやつらめ。せいぜい蛙を食べて喜んでろ)
リカルは含み笑いをしながら、家に帰っていくのだった。
次の日、リカルたちが漁に出るために村に行くと、いつも威張って歩いている兵士たちの姿が見あたらなかった。
「あれ?どうしたんだろう?」
不審に思ったリカルが館を探ってみると、騎士たちは大パニックを起こしていた。
「は、早くトイレを代わってくれ!下る!」
「俺が先だ!」
「ふざけるな!俺だ!」
いかめしい鎧を来た兵士たちが、トイレの順番を争って殴りあいをしている。
「いったい何が起こったんだ?もしかして、あの蛙に当たったのかな」
リカルがそう思っていると、後ろから肩をたたかれた。
「やれやれ。君はひどいことしてくれるね」
振り向くと、呆れた顔をしているコロンたち三人がいた。
「おかげで昨日から大変だったぜ。あたしたちもトイレが使えなくて困ったし」
「まあ、彼らにとってはいい薬かもしれません。村の人たちに我侭言って迷惑かけたんですから。たっぷり反省してもらいましょう」
三人とも蛙料理は食べてないみたいで、平気な顔をしていた。
「そういえば、シャルロットとかいう子は?食べたのか?」
リカルが聞くと、三人は首を振った。
「もし食べようとしたらあたし達がとめていたんだけどな」
「昨日は気分が悪いといって、ずっと部屋に引きこもったままだったよ」
「ちょっと心配です。ここに来てからホームシックにかかっているみたいですし」
三人ともシャルロットとは仲が良いみたいで、心配している様子だった。
「そうか。ならまあいいか」
自分たちを追い出した兵士たちの所属するキャメリア公爵家の令嬢には隔意を感じるが、積極的に危害を加えようとまでは思わない。リカルはシャルロットのことは忘れて、漁に出るのだっ
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