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Cyber survivor  作者: 無名人
6/20

Bronze memories

 戦いが終わった後、アイナはアパートに戻り、センボウの部屋で充電していた。

「どうして私はこたつのコードで充電なんですか…」

「もう少しの辛抱だからな、ちょっと待ってくれないか」

センボウは箱の中を漁り、何かを探していた。

「あの…、私って何から出来ているのですか?」

「何からって…、皮膚は特殊な樹脂、身体を動かすモーターは合金やシリコン、後は…」

「そうじゃなくて…あの…、私を造った時の感情いうか…、そんなのが知りたいのですが…」

「へぇ、君が感情に興味があるとは…」 

「センボウさん、私は、センボウさんのどんな気持ちで造られたのですか?」 

「そうだね…」

センボウは箱の中から小さな鍵を取り出した。

「アイナにはね…、僕の“思い出”が入ってるんだ」

「センボウさんの…、“思い出”?」

センボウは少し寂しそうな顔をした。

「アンドロイドに限らず、ものを作る時って、その時の感情に左右されるんだ。アイナの前に…、九つのアンドロイドを造ったんだが…、全部失敗した。あの時の僕は、心が荒ぶっていて、焦りもあった。早くこの事を成し遂げなければならないと、必死になって…、周囲が見えていなかった。」

「えっ…」

「その時、一度心を落ち着かせて…、自分にとって何が大切か…、考えたんだ。そこで思いついたのが、“家族の思い出”それこそが、僕が大切なものだと思ったんだ」

アイナはセンボウを見て、考えた。


 翌日、司令棟に来たアイナは、ヒトミに呼ばれた。アイナは最初、怒られるのかと思い、ビクビクしていたが、ヒトミの顔は怒っているというよりも、真剣だった。

「アイナ、あなたは誰に造られたの?」

アイナはセンボウとの約束を守り、こう言った。

「私は、アマチュアのアンドロイド技師に造られました」

すると、ヒトミはため息をついた。

「やっぱり…、口止めされてるのね」

「やっぱり…?」

「私には分かるのよ、おまけにそのヘッドホン…」

「これですか?」

アイナはヘッドホンを外してヒトミに見せた。

「私を造った人の妹さんが大事にしていたものらしいです。その人は妹さんの事を凄く思ってて…」

「それは…」

ヒトミは何かを言おうとしたが、アイナに言い出せなかった。


 アイナはその後、タケルの元へやって来た。

「タケルさん、大丈夫ですか?」 

「大分落ち着いたよ」

タケルは椅子から立ち上がると、ドアの横に立った。

「今の俺を見たら司令官はきっと悲しむ、そう思ったら立ち直れたんだよ」

「そうですか…」

アイナはホッとした。

「いつか…、成長した俺を司令官に見せてやるんだ」

「そうですね、きっと喜びますよ」

 アイナは司令官の顔を思い出してこう答えた。そして、ドアの向こうに行こうとしたその時、ドームが赤く光り、サイレンが鳴った。

『緊急!BC-4地区に反乱軍出現!直ちに出動せよ!』

「あっ!」

「急がなきゃな…」

アイナ達は直ちに支度をすると、現場に向かった。


 BC-4地区には暗黒博士が現れ、街を襲撃していた。

「またあいつが!」

タケルとハヤテは真っ先に暗黒博士の元へ向かったが、弾丸の雨に撃たれ、倒れてしまった。

「そんな…」

アイナは光線銃を握り締めると、暗黒博士に向かってこう叫んだ。

「もうやめて!」

暗黒博士はアイナの方を向くと、黒い銃を撃った。アイナはそれを避け、暗黒博士に光線を撃つ。

「なんでここまでするの?」

 アイナの問いに、暗黒博士は一言も答えない。どんな時でも、暗黒博士は話すというのがなかった。

 タケルとハヤテは立ち上がって、アイナの元へ向かおうとしたが、暗黒博士は、アイナ以外は近づかせまいと、光線を壁のように張ってきた。まるで、暗黒博士はアイナとだけ話をしたいと言っているようだった。

 アイナは光線銃と閃光弾を駆使して、暗黒博士に攻撃する。周囲には爆発が起こり、街の一部が破壊された。暗黒博士は、アイナの攻撃を避け、銃を撃ち込む。

 二人の激闘は、他の人が入り込む隙がなかった。

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