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恋人捜しは騎士団で  作者: 如月美樹
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 朝食後制服に着替え、花純は直哉たちと共に学園へと向かった。直哉の友人たちとは学園の入り口で別れ、花純たちは事務室へと赴く。

「花純さん、学園は皆土足だからね。上履きとかないから」

「うん」

 また気軽な感じの言葉尻に戻った直哉に、花純はほっとした。

 もしかして怒らせたか、はたまた呆れられたかと思っていたが、そうでもなかったらしい。

「失礼いたします」

 事務室の扉を開くと、大勢の人たちがこちらに顔を向けていた。花純たちに気付いて、ケニーが笑みを浮かべて立ち上がる。

「おはようございます」

 近付いてきて朝の挨拶をされた。

「「おはようございます」」

 二人の返答に、ケニーは笑顔のまま頷いた。

「何処の教室を使えばいいのか解からなかったので。あと花純さんの荷物は置きは何処になるのかも」

「少し待って下さいね」

 そう告げてから、ケニーは一度自分の席に戻った。

 鞄を持って二人の前に戻る。手に持っていた鞄を花純に差し出した。

「この鞄は学園指定のものです。これは貴女のものですよ」

「あ、ありがとうございます」

 慌てて花純はその鞄を受け取った。

「中には教材や筆記道具などが入っています。何か他に入り用があれば私に言って下さいね。何か必要なものを買う為のお金も入っていますから、ご確認を。これは毎月支給されるものなので、月末になったら私の所へ来て下さい」

 ケニーは直哉に視線を移し、言葉を重ねた。

「しばらくは第三会議室を使って下さい。常識を教え終えたら、学力試験を受けていただき何処の課へ行くか判断します」

「え・・・? 初等課から始めるのではないのですか?」

「落ち人は学力能力が高い人が多いのです。日本人対応の教本もありますから、文字は徐々に覚えればいいかと思います」

 何とっ! 日本語対応の教本があるとは。それは心強い。先にこの世界に来た日本人が、頑張って作ってくれたのだろう。その日本人に、花純は大いに感謝した。

 ケニーは鍵を直哉に渡す。

「第三会議室の鍵です。なくさないように」

「はい」

「カスミにはこれを」

 もう一つ鍵を差し出す。

「荷物入れの鍵です。ナオヤさん、案内お願いしますね」

「解かりました」

 ケニーとはそこで別れ、二人は荷物入れの場所へ行く。

 その間も学園では落ち人がきたと噂が立っていたのか、学生が興味深そうに二人を少し離れた場所から眺めていた。

「何だかパンダになった気分・・・」

「パンダって白黒の大きな獰猛な動物のこと?」

「うん、でも獰猛って・・・・・・」

 確かに見た目はクマだけど、パンダが獰猛って表現した人は直哉が初めてかもしれない。あの色で騙されそうだが、確かにクマみたいなので獰猛なのかもしれない。

「日本の動物園では可愛いって人気者なのよ」

「花純さんは獰猛じゃないよ」

 何と返していいのか返答に困るところだ。

 いつの間にが校舎の入り口に戻っていた。

「この左右に荷物入れがあるから。花純さんの鍵、何番って書いてある?」

「・・・九八三番」

 この番号を見て、やはり千人近くこの学園には生徒がいるのだと実感した。

 花純から番号を聞いて、直哉は歩き出した。途中、可笑しそうな声を出す。

「荷物入れって日本では確かロッカーって言うんだよね。日本の学校や職場でもあるって聞いた」

「うん、そうだよ。あと靴も替えてから校舎には入るの」

「ははは、掃除が大変だろうって父さんも言ってたな」

 たくさんの荷物入れがある場所に着く。基本的に学園指定の鞄が入るくらいの大きさみたいだ。

「九八三・・・。ああ、ここだね」

 花純の目線の高さだった。よかった。下の方ではなくて。高いのも困るけど。一番高い荷物入れなどは、花純の背の高さでは届かない。もしかしたらケニーが、そこのところは気遣ってくれたのかもしれない。

「でも花純さんにはこれも当分必要ないかも。第三会議室は当分僕たちが使うから、誰も入ってこないだろうし。そこに荷物も置いて、鍵をかけてから出ればいいからね」

 確かにそうかもしれない。

「じゃあ、早速第三会議室に行こうか」

「うん」

 花純たちは二階へ続く階段を上がった。

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