表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/63

第一部 幸せな時間③-2


「そういえばさ、亜里沙とは一緒に帰ったことあるの?」


片手にたい焼きを持ってほおばりながら帰るには自転車を押さなければならない。二人は右手で自転車を押しながら左手にたい焼きを持ち、並んで歩いていた。


「んー…たまにかな。…基本時間会わないから」


隣で歩いている泰樹が抹茶クリームたい焼きを食べながらそう答える。


「そうなんだ…これ、亜里沙知ったら嫉妬したりして」


「んなわけないでしょ」


泰樹が即答する。何馬鹿なこと聞いてるんだ、と言いたそうな顔を私の方に向けていた。

だから私はにーっと満面の笑みを向けた。泰樹は由佳の顔を見るなり、ふと我に返ったかと思うと顔を赤くして私から目線をそらした。そういうところ、かわいいんだよなー。 


「あ、そういえば、ひとつ泰樹に謝らないといけないことあるんだ…」


「ん?なに?」


泰樹がぽかんとした顔をする。


「実は、あの店、地元の友達から聞いてたから知ってた」


「…まあ、だろうと思ったよ。有名だし」


泰樹が少しがっかりとした表情をしたので、由佳は「まー気にすんなって!」と自転車を泰樹にちょっとだけぶつけると、泰樹は「別に気にしてないから」とプイと反対側を向いてしまった。

由佳は何故かその仕草が可笑しくなってくすくす笑ってしまった。


ふとしたことだけど、小さな幸せ。ずっと続けばいいのにな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ