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アオハルなんて くそくらえ  作者: 社畜社会
3/6

第二話 「ぼっちはぼっちを呼ぶ」

 ――そう、あれは俺が入学してから間もない頃だったかな。

 当時友達が居なかった. . . . .あ、違う。生まれてからずっと友達がいなかった俺は移動教室も昼飯も放課後もずっと一人。ていうか誰かと一緒に行動するという意味側からなかった。


 いつものように俺は外の誰も寄りつかない倉庫で昼飯を食べていた。その倉庫は、昔は使われていたらしいが今は新しい倉庫が校舎内に作られたため、グラウンドの隅にあるこの倉庫は誰にも使われていない。そのくせして鍵は開いていたので、初めて見つけたときは「ここが俺の居場所なのかなぁ?」と一人でつぶやいてしまった。


 静かに弁当のしめ、卵焼きを食べようとしているといきなり倉庫のドアが開いた。


「え?何?誰?え、ええ?」


 普段誰とも話さない俺は人としゃべるなんてもってのほか、ギャルゲーでもまともにしゃべれずヒロインたち全員がヤンデレ化するまでである。あ、それはスクールがデイズしたときだけだな。

 そんな感じで戸惑っていたら、そいつは俺に話しかけた。


「なぁ、お前って友達いるか?」


「. . . . .は?」


 それが、俺が高校生活での第一声だった。いつも一人だから何もしゃべらず家に帰ったら声の出し方を忘れてたときがあったんだよね。皆もそんな経験あるよね!あるよね?ねぇ!


「だ·か·ら、お前って友達居るのか?」


 えー、いきなりそんなこと言われても. . . . . .。ていうかこいつ誰?見たところ髪の毛ショート、茶髪で顔立ちもいい女の子。はっきり言ってドストレートにタイプである。

 そんなことはどうでもいいんだがなんで友達居ないって知ってんだよ!まぁ俺なりのひねくれた回答を出してやろう。そしたら変なやつって思って今後話しかけられることはないだろう。


「い、いや?俺は友達いる. . . . . . . . .予定ですよ?」


「なぜ疑問系なんだ。ていうか予定って何だ?友達居るのか?居ないのか?」


「. . . . .察してください。」


 くそ、冗談が通じなかったか。俺って冗談言ったら本気にされそうな嫌な顔してるもんね。仕方ないよね。中学時代に冗談言ったらもっと距離あけられたのも仕方ないよね。ははは、ほんと冗談であってほしかった。


「ま、まぁ大丈夫だ。」


「何が大丈夫なんですか?」


 ほんと何が大丈夫なんだろうね。ていうか初対面の人にはつい敬語使っちゃうよね。それが後輩だったらすごいなめられていじられるよね。ソースは俺の中学時代。なんか、色々いじられてたから「俺、お前らのこと友達だと思ったことないんだけど。うっとうしいんだけど。」といってやったら楽しい空気が一瞬で真空状態。やったね!この空気一番好き!


「だってほら、私も友達いないから!」


「いや、そんな誇らしく言われても. . . . .」


「そ、そんな悲しい目で見るな。お前だって友達いないだろ?」


「いえ、居ないんじゃなくて作らないんですよ。」


「友達いないやつは皆そんなこと言うんだよな。」


 くそ、痛いとこつかれてしまった。でも、そんなもんだよな、人間って。暴力反対とか言ってるやついるけど、その言葉が暴力じゃね?って思ったりします。ちなみに何でもかんでも青春の一言で終わらせる輩も嫌いでございます。


「ま、まぁそんなことは置いといて。なんですか?何か用ですか?」


「ああ、そうだ!思い出した。君、部活に入っているか?」


 部活、か。中学校の頃は陸上部に所属していた経験がある。ちなみになんにも打ち込めることなかったし友達も居なかったから陸上めっちゃ頑張っていたな。だから全国大会で1500mで五位になることができた。ある意味のいい思い出だ。


「えっと、今は入っていません。ていうか入る気ないですけど。」


「え?で、でも君ってスポーツ推薦で入ったんじゃないの?」


「えっと、なんで知ってるんですか?」


「それはな、私は陸上部だからだ!!」


 . . . . . .え?陸上部なの?勧誘しに来たの?でも陸上の勧誘に友達いるかって普通帰化なくない?それとも地雷処理班なのかな?


「あ、そうなんですか。でもスポーツ推薦で入ったけれど部活やめたら学校やめさせられるって訳じゃないでしょ?」


「そんなこと計画して入ったのか?信じられないな。でもいいアイデアだ。私もそうすればよかったなぁ. . . . .。」


 相手はそんなこと言っている。っちょ、同情しちゃ駄目でしょ. . . . . .そこ。そこであることに気がついた。


「え?てことは. . . . .先輩. . .ですか?」


 相手は手をあごに当ててなにかを考えている。そして、数秒たった後、にやりと笑ったように見えた。


「ああ、私は先輩だ。だから陸上部に入れ!先輩命令だ!」


「っちょ、それおかしいでしょ。ていうか先輩命令って何?後輩だったら後輩命令になるの!?」


「へりくつは言うんじゃない。これは強制だ。強制の意味分かるか?入らなきゃ殺すってことだよ!」


「それどこで知ったの!?辞書って便利だよ?!」


 先輩はただ陸上部に入ってほしいだけで、僕はなんか入りたくない。だって計画してたんだもん!


「と、とにかく入れ!じゃないと殺. . . . . . . .半殺しにするからな!」


「いや、それ言い換えなくていいから!ていうか陸上部って本当にあるんですか?」


「え?いやいやー、あるに決まってるじゃないか。」


「いや、そうはいってもグラウンドで陸上部らしきものが部活やってるのみたことないんですよね。しかも先生に聞いたらあきれて、そんな部活ないって苦い顔しながら言われたし。」


 そう、俺はちゃんと陸上部を訪ねたんだ。顧問に会わせてくれと言ったら陸上部はないって言ってたし、グラウンドに行っても野球部サッカー部しかいないし。しかも俺ぼっちだから誰にも部活のこと聞けないし。どうすればいいの?


 と、そこで相手は苦い顔をしながら答える。


「ま、まぁこの学校の陸上部は少し特別なんだよ。だけどちゃんとある。だから入らないか?今部員が少なくて困ってるんだよ。」


「. . . . .はぁ、陸上部あるんですか。. . . . .分かりました。入ります!」


 何で入ろうと思ったかって?それは陸上部で青春することを少し願ってしまったからだよ!本当はありえもしないことを願ってしまった自分がものすごく恥ずかしい。だけど、願うも望むも個人の自由じゃないか。だったら俺は少しの可能性を信じてみようと思う。


 相手は僕に向かって手をさしのべてくる。


「ようこそ、陸上部へ!」


 僕はさしのべられた手の意味を理解するのに数秒かかったが、意味を理解すると急いでその手を取った。


「はい、よろしくお願いします!あ、まだ名前言ってなかったですね。」


「いや、君の名前はもう知っている。言っただろ、お前がスポーツ推薦で入ってきたことを知っているって。君の名前は霧里悠人だ。合ってるか?」


「はい。先輩の名前は何ですか?」


「先輩. . . . . . . . . .いい響きだ。もう一回言ってくれ。」


「先輩。名前を教えてください。」


「ああ、またしてもいい響きだ。あ、それと私の名前は高宮だ。高宮凜だ。よろしく!」


「よろしくお願いします。あ、ていうか俺まだ正式に部活に入っていないんですけど. . . . .。」


「ああ、君はもう入っているぞ。スポーツ推薦で入ったんだろう?だからもう名前が入ってるんだ。」


「なにそれ?俺の作戦意味ないじゃないですか!」


「まぁいいじゃないか。それより部室に行かないか?早速皆に報告したいんだが。」


「あ. . . . .はい。」


「じゃあ、私についてきてくれ。」



 . . . . .これが、陸上部との. . . . .高宮先輩との初めての会話だった。

 ていうか、高宮先輩って気が合いそうだね!これはラブコメの予感!?絶対一年後にはラブコメとか死ねって思ってる。

 こんにちは!社畜社会です!今回は陸上部に入るきっかけみたいな感じの書きました!

 この後もたくさんの先輩とのエピソードを書いていく予定です。

 この小説がラブコメ展開に行くと思った方。大間違いです。僕はラブコメは好きだけどリア充は嫌いなんです。だから気が向いたら一部だけそういう展開に持って行こうと思います!

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