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天宮4つ目

ちょい短いです

 人工知能無しでは暗号解析がここまで可能とは思えない。

 そうなると人工知能を操る乗員がいると考えるとある程度現状が説明できるが……

 「人間が操作しているとなると前回のUIの挙動が説明できません。」

 ?

 「人間以外の生物が操作しているとでも言いたいのか?」

 「はい、ちょうど候補が上がってきました」

 「アゲアゲー、ひゅるりポン!」

 目の前の兎が騒ぎ出した。

 「弥生? アリス? どっちが見つけたんだ?」

 「最初はアリスです」

 「でも、Gカップトレイナーと相談したのは弥生でーす」

 Gカップトレーナーって、あのイルカのトレーナーのことか?

 だとするとイルカが操作してるってことなのか?

 「イルカって殆ど目が見えないうえに水中で生活するので、宇宙での生活はドンとこい。生活環境も人間より制御しやすいし、最悪水を推進材にして衛星の寿命を延ばせるカモカモ」

 説明がいろいろぶっ飛んでるが言いたいことはわかる。

 気密漏れについては空気よりも水の方が宇宙空間では対応しやすい。

 水圧も問題なく(無重力)表面張力で勝手に球になる水滴。直径100m程度でも楽にできるだろう。

 イルカは呼吸器をつけておけば内部の気圧は下げることもできる。

 外壁にスターリング機関をつけておけば衛星をゆっくり自転させることで太陽面と日陰の面の温度差で発電も可能である。

 その電力を使って水を濾過再生、電気分解、反応、加熱噴出すれば、高度を上げて衛星の寿命を延ばすことも可能であり、補給で水を追加すれば半永久的な運用も目に入ってくる。

 天宮はコアモジュール天和、実験モジュール巡天と門天の3ブロックで構成されているが、アリラン衛星の観察結果ではそれに加えて直径100mにも及ぶ完全球体の謎のユニットが確認されており、輸送方法を含め用途がわからなかった。

 結果的にはそこでイルカを飼っていたわけか……

「推定ですがイルカは中国の揚子江産のスナメリと推定されます。あの種は小型で30年近い寿命と50kgの小型種であることに加え、淡水に生息しています。」

 問題はイルカにそこまで複雑なAI制御ができるか?

 考えてみると、彼らは聴覚が主感覚で副感覚は嗅覚である。

 これをうまく使えば音波制御で指示を出すことは難しくはないはずだ。

 スピーカーで3Dでの反射音で脱出ルートを探すプログラムと穴あけ用のプログラム指示だけでハッキングは可能かもしれない。

 「敵の正体の予測がついたのはいいが?どうやって攻略するんだ。地上から400km上空の敵なんて対応できないぞ。」

 「彼らの調教方法さえ判明すれば、再教育すればいいだけです。」

 「調教方法?それは神威太湖之光にでも入り込む気か?」

 神威太湖之光は中国でCPUまで設計したスパコンである。

 重要機密の演算はこのスパコンが用いられることが多い。

 「あのスパコンは電力の関係で常時稼働ではないので難しいでしょう。直接、天宮に行って情報収集した方が実際的です」

 「さすがに宇宙軍に知り合いはいないぞ。」

 というか宇宙軍を創立したのは中国だけだ。宇宙船の稼働・保有は0機だが人員だけは万単位である。

 対するアメリカは商務省海洋大気庁士官部隊(NOAA Corp)が大気圏外についての運用準備を研究しており、専門家集団を育成中である。

 「高橋、私にも独立端末を制作してください」

 読めてきたような気がする。

 「航空発射型のロケットとペアで真田技術部長へ依頼を出しました。」

 「どれくらいかかる?」

 「1週間もあればいけるそうです」

 「開発コードはヤマネとティーポットになるそうです。」

 眠りネズミをポットに詰め込むか……真田さんわかってるな。

 「いったんかもめに戻ろう」

 着水していた足長蜂を離水させると、囮のデータは発信を中止してして日本国スポンサーへの報告書の作成を開始した。


 



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