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「いや、そんな啖呵切ったって実力的には天と地ほどの差が……」


 望遠鏡を覗きながらフィオナは小さく呟く。

 しかし、困った。フィオナの若干雑な計測によると、コントーラ100人でもネプチューンを殺す事は叶わない。しかし、ここでフィオナが周りにバレるようなアシストをすればすぐにコントーラの英雄の道は閉ざされる。


 レンズ越しの戦場では2人が斬り合いを始める直前だった。

 フィオナは慌てて弾かれないようにコントーラの剣に影による力補助。さらにネプチューンの足に影を纏わりつかせ、機動力を削ぐ。


 コントーラとネプチューンの鍔迫り合い。これで五分五分。あともうひと押しの補助が必要となる。


「くっ!? 何者かが介入しているようだな。この卑怯者が」


「……一体なんの話だ?」


「知らされていないのか。不憫だな」


 勿論、フィオナにこの会話は聞こえる訳がない。しかし、大体の予想はつく。フィオナの支援がばれているのだ。ばれていない方がおかしい。

 しかし、ばれていようがいまいがフィオナには関係がない事。ネプチューンは死人に口なし。コントーラは自分に不利になる事は話さないだろう。そうフィオナは結論付けた。これが間違いだったと理解することになるのだが、それは後の話。


「あー上手くいかない。影の操作は難しいし、コントーラごと木端微塵に出来たらいいのに」


 無意識で描こうとした魔方陣を慌ててかき消す。イライラが募っていた故の行動、それを無意識にしたことでフィオナは自らに溜まっているストレスに気付いた。

 ばれるかもしれないけど、もう少し干渉しよう。フィオナは早めに片を付けようとする。


「ソレールの癖に弱いな」


「……中々に言ってくれる。貴方一人、殺すのはわけないのにッ」


 挑発に乗ったネプチューンは鋭い突きを放つ。その攻撃は確実にコントーラを殺すために放った一撃だろう。純粋な殺意が含まれた突き。剣術の知識がそれほどないフィオナでもその突きは上等な技だと理解できるレベルだ。

 この攻撃を受けきるのは難しいだろう。コントーラは不可能だといえる。しかし、受けきるという前提はフィオナの支援の前では崩壊する。


「なッ? 何故ッ!?」


 ネプチューンの放った必殺の突きは明後日の方向へ飛んでいく。どんな強い技も当たらなければ意味がないのだ。当たらなければどうということはない。


 フィオナがしたことは単純。突きを放つ瞬間に影でネプチューンの肘を押してずらした。たったそれだけで必殺の攻撃が無意味な時間の浪費になるのだから恐ろしい。

 完成された達人ほど、一つが崩れると全てが崩れる。とフィオナは思っている。


「もらったぞ!!」


 流石にこの大きすぎる隙を逃すほどはコントーラも無能ではなかった。突きで伸び切った腕を上段からの振り下ろしで切り落とす。そのまま切り返し、下段からの切り上げで胴体を切り裂く。

 ちなみに、この動作にもフィオナの力補助が含まれている。それがなかった場合、切り返しの切り上げを致命傷とすることは叶わなかった。


(やっと終わった? 俺がやった方が絶対早かったよね)


 仕事の山場を終えたフィオナは安堵の溜息を吐く。だからといって、仕事の全てが終わったわけではない。これで雑兵に次期英雄さんが殺されましたなんてことになったら目も当てられないだろう。ネプチューンを屠ったのだ。次期英雄から次期をとるべきなのだろう。


「最後の方、影のようなものがアイツに纏わりついてたように見えた。あれはなんだろうか」


 山場を越えたフィオナはコントーラのこの呟きを逃してしまう。フィオナは後にこれを後悔することだろう。しかし今のフィオナは見逃したものの大きさに気付くことなく、束の間の喜びを噛みしめているところだ。

遅れてすいません。前話確認して半年前だったときは驚きで禿げるかと思いました。

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