45 反乱
「今回は何処に?」
クロエに今回の依頼主がいる所を尋ねる。
「今回は依頼主からじゃなくて私からの説明になります」
「クロエからの依頼?」
「いえ、依頼主からの希望で私からです」
豪華そうな椅子に座り、手を組みながらクロエは語る。フィオナは近くにあった安価な椅子に目星をつけて座る。
「じゃあ、面倒くさい依頼だ」
「何故?」
「勘」
クロエの吐いたため息はフィオナにも聞こえる。
「まあ、正解なんですけどね。依頼内容は反乱軍に参加してほしいっていう依頼です」
「国は?」
「メンフィス共和国です。私達魔族の領地と面しているので常に戦争状態ですが、内乱する余裕があったとは……」
「軍事力的にはどうなの?」
「悪くない国ですかね。我々魔族と渡り合っているんですから。あと、ぺトラ公国と協力関係なので、下手をしたらソレールがくる可能性があります」
「本当に面倒ってレベルじゃないね」
「いえ、本当に面倒なのは詳しい依頼内容でしてね。どうやら反乱軍は英雄をご所望のようです」
英雄。殺人者の進化形ともいえる。数多くの都合の悪い人を殺したものにその称号は与えられる。血と死体によって飾られた者。それが英雄だ。
「俺に成れと?」
「いいえ。中々に腕の立つ者がいるそうです。その者を影からサポートしてください」
「うわぁだるい。自分で全ての敵を木っ端微塵に出来ないのもだるいし、子守をしないといけないのもだるい。最後に軍にずっと拘束されるのもだるい」
「ですが、相当な金が用意されていますよ?」
「でもさ、妖精が過ごすための場所ってもう要らないんじゃない? 結構広大な土地があるでしょ」
「狙われずに済む場所というのは妖精が自然に集まります。もう満杯です」
「増えちゃった?」
「増えちゃいました」
ああ、もうほんと。ちょっと、ねぇ……。
▽
フィオナは普段の上質なローブを着ず、少し痛んだ旅人用のローブを着ている。しかし、仮面はしっかりと付けている。
場所はメンフィス共和国、反乱軍の最前線基地。反乱軍の上層部はフィオナの正体を知っている。そのため、次期英雄と同じ基地に配属されたのだろう。
進軍予定はない。
見る限り、反乱軍以外の傭兵や成り上がりを夢見ている民兵も至る所に居る。フィオナはそれらを冷めた目で見ながらも支給されたパンを齧る。
歯応えは良い。きっと腹がすくことは無い。幸せな満腹感に浸れることもないだろうが。せめてジャムぐらい塗りたい。そんな考えを巡らせるが、当然の事ながら支給されることもない。
憂鬱気に寝泊まりが許されている本部に向かう。新しい作戦まで寝て待とうという考えだ。しかし、考え事をしていたからか、ぶつかる。
「痛ってえなぁ。おいこらクソガキ!!」
「あんだよ?」
「てめぇ、俺にぶつかっといて何かないのかよ、おい!」
また面倒な展開になってきた。周りの者は助ける気配は無し。どちらかと言えばフィオナとその男を囃し立てる者が多い。
フィオナはどうやって目の前のクズを殺すべきか悩む。身体の内側から一気に木が生えてきたらいい感じに殺せるかも、と。
「ちょっと待ってくれ」
悩んでいる姿を困っていると勘違いしたのだろう。1人の青年が割って入る。
フィオナには見覚えがあった。依頼説明で出てきた者。そう英雄さんだ。
ちょっと短めです。
から紅の恋歌……見なければ(四月)
あと羽生くん凄かったですね。というよりグランプリファイナル凄いですね。見応えしかない。個人的には宇野君が好きです。




