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30 転移者達と王

「あなたこそ何をしているのですか。今回の依頼を忘れましたか?」


 突然、何もいないはずのところから1人の男性が現れる。芳樹から見ると、フィオナと嫌々共同しているように見えた。


「今回の依頼は生かして見つけること。依頼内容を外してはいないよ」


 2人の間に剣呑な空気が流れる。トルナードがフィオナを睨み、フィオナはそれを受け流し全く意に介していない。

 

「でもそれにしては早かったね。そんなに俺は信用できない?」


 フィオナはあっけからんとしている。まるで、上の者が下の者に対処しているかのような余裕の笑みを浮かべながら。

 トルナードは苦虫を噛み潰したような表情をする。


「もとより、自分しか信用しませんので」


「いい考えだね」


 ————これ以上、この者と話しても無駄だ。

 トルナードはそう結論付け、相手に主導権がある話を切り替える。


「それで、全員はいるのですよね」


「うん。それは保障するよ。39人全員いる。1人だけちょっとばかり凍っているけど」


 トルナードとフィオナの会話が終わったころに丁度良く、回収部隊のドラゴン達が来る。

 フィオナが。つまりはクロエが知らない事実だったが、それぞれの国はドラゴン部隊を虎の子部隊として保有していた。今回の依頼でウル王国はその虎の子を5匹派遣したのだった。


 ドラゴン達はその足でつかんでいる金属でできた箱を彼らの近くに落としていく。

 そして転生者への指示出しはトルナードが受け継いだ。


「皆さん、これに入ってください! 王城に案内します!!」


 長いものに巻かれろ精神の日本からきた転移者だからか、自分よりも格上からの指示だからかは定かではないが全員がおとなしく金属でできた箱に入っていく。ここでも嬉しそうにしている集団がいた。

 囚人みたいだとフィオナは心の中で笑った。


 彼ら全員が入ったあと、フィオナはトルナードに問いかける。


「俺はどうしたらいいんだ?」


「私はドラゴンの背中に乗りますが。無理なら転移者と一緒に入っては?」


 フィオナは即決でドラゴンの背中を選択する。それもそうだろう。誰が好き好んであんな箱のなかに入るのか。


 

 意外とだがドラゴンの背中は快適だった。もちろん、フィオナは風魔法を使って自分に向かって来る風をシャットアウトしていたからだが。もしフィオナが風魔法を使っていなかった場合は、しがみつく力もないのだから一瞬で飛ばされるだろう。


 だが、ドラゴンの身体が大きすぎて下の風景が見れなかったことはフィオナを不機嫌にした。

 

 ドラゴン達は転移者達を乗せた金属の箱を持っているのにも関わらずとても速かった。普通、ドラゴンという種族は、滅多に人を乗せることを行わない。それこそ力を認めたか、ずっと長い年月を過ごしてきた者にしか心を開かず、無理矢理に乗ろうとすると振り落とされてしまう。

 ではなぜフィオナが乗れているのか。それは単純に力関係の上下だ。圧倒的強者。ドラゴンも例外ではなく、自分よりも強い者には逆らえないのだった。


 フィオナがドラゴンの思考なんて気にも留めずに、下の風景を見ようとやきもきしていると、首都に辿り着いた。

 ドラゴン達は丁寧に着陸をし、持っていた箱を雑に置く。箱がドスンという地響きを立てて地面に着陸する。中の人たちにフィオナはご愁傷さまと心中で祈る。


 

 箱の中から出てきた芳樹達はトルナードの指示に従って王城の中を案内させられる。先ほどいたフィオナと言われる子供が別のところに連れていかれるのを芳樹は見ていた。


 まるで中世のようだ、と陳腐な感想をここにいる全員が持つ。案内をしているのもメイドだし、通路の所々に騎士が立っていたらそんな感想が出てくるのも仕方ないと言えなくもない。

 

 芳樹達を案内していたメイドが扉の前で止まる。


「ここが王の間です。ここから先は中のメイドにお尋ねください。決して粗相のないように」 


 メイドから警告を受けたじろぐ彼らだったが、いち早く回復した芳樹が扉を開く。それに芳樹のクラスメイトは続く。


 一目で高価と分かる、豪華な装飾品。先ほどまでの通路も横に広かったが、それが狭く感じるほどに広い部屋。だが彼らが一番驚いたのはそれらに埋もれることもなく、確かな存在感を放ち続ける中央に座っている1人の男性だった。その両横には麗しい美人と、何者も包むような美丈夫が立っていた。


中途半端なところで終わってしまって申し訳ないです。もし、ドラプロが通信障害してなかったらこの時間に投稿できなかったかも……。

この時期は、資格取得に期末考査、さらに職場体験と忙しいので更新ができるか分かりません。本当に申し訳ございません。

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