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5. 罠師と謎

 青色の光は特定の個人を指名した喚び出しで、赤色が緊急の喚び出し。紫色(バイオレット)は緊急かつ指名のもので、報酬は高いけれど、その分だけ危険度も大きかったりする。

 逆に、緊急でも指名でもなく、条件だけを指定して喚び出しが行われた場合、その条件に合った被召喚者(サモニー)の《腕輪(ブレス)》が緑色に光ることになる。


 ──そう、今まさに、私の左腕で光っているみたいに。


「わ、ワイス、緑! 緑って、どうするんだっけ」

「だから慌てるな。喚び出し元はどこだ」

「うん、えっと……」


 石造りの建物と色とりどりの天幕や屋台が立ち並ぶ《市場(バザール)》の喧騒の中、左手に持っていた焼き肉の串を片付けつつ、比較的静かな物陰へと急ぎ足で移動する。ここなら通行人に変な目で見られることも無いだろう。


「相手は《狂騒尖塔(ロアリング・スパイア)》。知ってる?」

「喚ばれたことは無いが、名前は聞いたことがあるな。凝った仕掛けの多い場所だって話だ。それで、条件の方はどうだ」


 相棒は骨付き肉を噛み千切りながら、続きを促してくる。


「えっと、条件は罠師(トラッパー)で、見習いも可。二名まで。あと、なんか変な補足事項があって……」

「変ってのは、どういうこった」

「『鳥頭以外を希望する』、だって」

「なんだ、そりゃ?」


 相棒と私は、暫し無言で顔を見合わせた。考えても意図が分かりそうになかったので、肩をすくめて《腕輪》に視線を戻した。


「他には特になし。緑って、先着順だよね」

「ああ、そうだな。受けるんなら、急いで戻らにゃならんが」

「とりあえず行ってみるよ」


 ワイスもよく知らない場所(ダンジョン)なのがちょっと心配だけれど、何事も経験である。私が《腕輪》を操作し終えたのを見計らって、ワイスは何日か分の食材が入った袋を差し出してきた。


「じゃあ、荷物は頼んだ」

「うん、えっと、それってどういう……うわぁ!」


 何となく受け取ってしまった袋ごと、いきなりワイスに抱え上げられる。結局、《市場》を行き交う人々の注目を集めながら、私はなす術も無く運搬(ドナドナ)されることになった。


    †


 転移した先は、大きな天窓から光が差し込んでいる、明るい大広間だった。

 広間は奥に向かって高くなっていて、最上段には豪華な椅子が据え置かれている。床に敷かれた赤い絨毯(カーペット)、色ガラスのはまった窓に、天井からいくつも垂れ下がっている長い旗といった装飾が、なんとなく「謁見の間」めいた雰囲気を醸し出している。

 奥の椅子には、褐色肌の女性が座っていた。金色の長い髪には白い羽根が混じっていて、横に控えている小柄な鳥人たちに毛繕いをさせながら、私と《召喚陣(コーラー)》の前に立つカラス頭の鳥人との問答を静かに見守っている。


「ほんで、答えは?」

「……『こっちの道を行けば、あなたの町に着きますか』、ですか?」


 ちょっと悩んだ末に出した答えを聞いて、周囲に並んでいた家臣らしき鳥人たちがざわめいた。


「なんと、また即答したぞ!」

「いや、あんなの当てずっぽうだろう」

「確かにな。答えた当人も半信半疑のようではないか」


 ひそひそと内緒話をしているつもりなんだろうけれど、内容が丸聞こえである。

 問題に引っ掛けがあったらどうしようって迷ってただけだし、回答に自信が無いわけじゃないんだけど。というか、そんなに難しい問題じゃなかったんだけど。

 辺りがざわついている中、いきなり問題を投げかけてきた張本人である黒羽の鳥人が、ほっとしたように息を吐いた。


「三人目でようやっと頭の回る奴が来よったか……」

「えっと、合ってました?」

「あー、せやな。フツーに正解や」


 彼が頷くと、広間がまた騒がしくなった。この人たち、ここにいる意味あるんだろうか。

 周囲の雑音を頭から追いやって、目の前のカラス頭との会話に集中する。


「依頼は下にある大仕掛けの補修の手伝いや。報酬は見習い(ノービス)の規定通り。時間はちょいとかかるかもしれん。やれるか?」

「はい、大丈夫です」


 何にせよ、現場に行ってみないことには始まらない。

 黒羽の鳥人は回れ右をして壇上に視線を向けると、ぼんやりと椅子に座っている女性に声を掛けた。


「ヒ・ナィ! こいつを連れて行くから、ちゃっちゃと契約してくれや」

「はいはい、りょーかーい」


 ヒ・ナィと呼ばれた女性が気だるそうに右手を振ると、長々と光っていた《召喚陣》がようやく消滅してくれた。

 彼女は大きな欠伸を噛み殺しながら立ち上がり、私達に背を向けて奥の方へと歩いていく。


「じゃー、アタシは昼寝してるんでー、仕事終わったら起こしてねー」

「おい、コラ、まだコイツにちゃんと挨拶……ああ、もう」


 どうやら管理人であるらしいヒ・ナィ女史は、呼び止める間もなく扉の向こうに消えてしまった。ひとしきり悪態をついてから、黒羽の鳥人は再び私の方に向き直って頭を掻いた。


「アイツにはまた改めて挨拶させるわ。俺はヤ・タ。罠師をやっとる」

「えっと、ノッカです。よろしくお願いします」

「ほな、詳しいコトは道々説明しよか……お前らも、さっさと持ち場に戻れや!」


 まだ騒いでいた鳥人たちを一声で追い散らすと、ヤ・タは鳥のような手で、広間の片隅にある小さな扉を指し示した。


    †


 工事現場なんかによくありそうな、金網で囲まれた作業用のリフトが、真っ暗で黴臭い縦穴をゆっくりと降下していく。リフトに取り付けられたオレンジ色の照明が、いくつもの大きな歯車やシャフト、ワイヤーの束を照らし出すのを眺めつつ、縦穴に響き渡る機械音を聞き流す。

 最初は目を閉じて音の出所を探ろうとしていたのだけれど、反響しすぎてさっぱり分からないし、頭が痛くなるだけだったのですぐに諦めた。

 暗闇に目を凝らしている私の横では、黒羽の鳥人がこの塔の説明を続けている。


「この塔の上の方は強風がずっと吹いとってな。そいつを利用しとるんや」

「このリフトもですか」

「ああ。高い塔やし、階段で昇り降りはさすがに、な?」


 ヤ・タの話によると、上層部にあるいくつもの風車が動力源となって、頂上から地下に至るまでのあらゆる仕掛けを動かしているらしい。


「ここの先代の管理者がえらいヒトでなあ。ひとりで設計から実装の指揮までやって、きっちり動くようにしとったんや」


 しかし、天才肌だった先代は、様々な仕掛けの図面を全くと言って良いほど残していなかった。そのために、代替わりした後に問題が続出したらしい。

 後に残された下っ端の鳥人たちでは、壊れた部分の修理もままならない状況で。


「外から罠師を呼んだりもしたんやけど、連中、適当に弄った挙句、よう戻せんようにしよったりでな……」

「そんなに複雑なんですか」

「このリフトかて、相当なモンやろ? ほんで、まあ、なんやかんやあって昔馴染みのワイが世話焼くことになってな」


 《工房(ファクトリー)》で地道に修行を積んでいたところに、この塔とヒ・ナィ女史の窮状を知った彼は、取るものも取り敢えず駆けつけてから、少しずつ復旧作業を行っているらしい。

 実際の仕掛けから逆に図面を起こす作業も平行して進めているために、彼ひとりでは全く手が足りないようだった。


「単純な罠や仕掛けくらいなら、ここの鳥頭どもの尻叩いてやらせるんやけど」


 リフトが止まり、昇降口の金網ががらがらと開いていく。慣れた足取りで作業用の足場へと踏み出して、ヤ・タはレバーを操作する。

 ひときわ大きな音と共に、正面の壁が動き始めた。開いていく隙間から、壁の向こう側の様子が見えてくる。


「結構、明るいんですね」

「あちこち、外の光を採り入れとるんや。もちろん暗い場所もあるし、夜になったら真っ暗やけどな」


 ヤ・タの後を追って通路へと足を踏み入れると、背後の壁はひとりでに閉まっていった。


    †


 罠や怪物を避けつつ、黒羽の鳥人に先導されて辿り着いた先は、直径およそ二十メートル、高さ三十メートルの円柱状の空間だった。壁面には階段が設置されていて、それは螺旋を描きながら、私たちが立っている最上部の出口まで続いている。

 階段の手すりにしっかりと掴まって、慎重に顔を出して下を覗き込む。十階建てのビルほどの高さから見下ろしてみると、円形の床には光が当たらず、そこだけが暗く沈んでいるように見えた。


「ここが第十層で、いちばん下が第五層な。ホンマは途中の階層に寄って全部の仕掛けを動かさな、先に進めへんようになっとるんやけど」

「今は仕掛けを止めてる、と」

「前半ラストの大仕掛けやし、素通りされるのは大問題なんで、最優先で直さなあかん。まったく、アウル爺さんも、ちゃんと引き継いでくれりゃこんな苦労せんでも……」


 小声でぶつくさと呟きながら、彼はすたすたと階段を降りていく。引継ぎなし、設計図なしじゃあ、確かに大変そうだ。


「あー、ノッカくん、やったっけか」

「はい」

「良い謎かけ(リドル)の条件って、何やと思う?」

「えっと……」


 突然の問いかけに、慌てて頭を切り替える。良い謎、というのも随分、抽象的だけど……ただ難しいだけ、というのはよろしく無さそうな気がした。


「難解な言い回しを使わないとか、複雑な計算をさせないとか、でしょうか」

「ああ、なるほど。それもそうかもなァ」

「えっと、正解ですか?」

「いや、今のはただの雑談やし。こんなんで追い返したりせえへんから、安心し」


 しばらくして、ヤ・タは途中の踊り場で足を止めた。踊り場の壁からは暗い通路が伸びていて、彼はそちらへと進んでいく。

 入口の壁に「鍵盤の間」と記されたプレートが掲げられているのを横目に見ながら、ランタンの灯りを点して私も通路に入る。


「この先の罠は全部止めとるけど、足場悪い場所もあるから気を付けてえな?」

「あ、はい、了解です」


 地図も見ずに、ヤ・タは迷いの無い様子で通路を進んでいく。後に続きながら、ふと浮かんだ疑問を投げかけてみる。


「頭の回る人だったら《工房》に結構居ると思いますけど、呼べなかったんですか?」

「修繕費がかさんどってな、今ちょいと赤貧なんや。高い報酬が出せんとなると反応がさっぱりやし、条件緩うしたらしたで、来るのは鳥頭以下の連中ばっかりでなあ。ま、当然なんやけど」


 使えん奴を追い返すのも飽きたわ、とぼやかれて、私はどう答えたものか、また悩むことになった。


    †


 迷路の突き当りには、奥行きの長い長方形の部屋があった。両側の壁沿いには、様々な長さの金属管が立ち並んでいる。部屋の一番奥には大きな壁画が描かれていて、その下に何か装置らしきものが見えている。

 部屋の奥へと向かうヤ・タを追いかけつつ、壁画を観察する。左側には黒を基調とした異形の軍勢が、右側には整然と並ぶ普通の兵士たちが白っぽく描かれていて、互いにその手の得物を向け合っている。


「えっと、戦争の絵ですか?」

「こっちの世界の住人なら誰でも知っとる、有名な英雄譚の一場面らしいで。確か……『(ハク)王遂に起ち、都より()軍を退ける』ってタイトルやったかな」


 雰囲気からして、右上の方で白い旗を掲げているのが王様だろうか。別に降伏しているわけではなかったらしい。

 私は壁画の近くまで歩み寄り、その下の装置へと視線を向けた。


 腰の辺りの高さに、壁から二十センチほど張り出したカウンターテーブルのような部分があった。その上には、白い丸ボタンがずらりと三段で並んでいる。ボタンにはそれぞれ異なる記号が刻まれていて、ぱっと見た感じ、巨大なタイプライターのような雰囲気もあった。

 振り返って、左右に立ち並ぶ管の数を数えてみる。全部で六十本ほどだろうか。ボタンの数と一致していそうである。


「これ、あっちから音が出たりします?」

「罠は無いし、押してみてもええで」


 お言葉に甘えて、ボタンのひとつに指をかけ、押し下げてみる。壁画の向こう側と足元で何か仕掛けが動いたような音がして、その直後に背後の金属管のひとつから高い音が響き渡った。

 続けて、ふたつみっつとボタンを叩けば、それに合わせて異なる管から高さの違う音が出てくる。つまりこれは、オルガンの鍵盤(キーボード)ということなのだろう。音を出すのにも、風の力を利用しているに違いない。


「ちなみに、この壁画の場面を題材にした楽曲もあるんやけどな」


 ヤ・タは言葉を切って、メロディーを口ずさみ始めた。何度か聞けば覚えてしまいそうな、特徴のある旋律である。


「普通に考えれば、その曲を弾くのが正解っぽいですけど」

「その通りや」


 さらに考えを巡らせる。音はちゃんと出るようだけど、補修が必要ということは、どこか別のところに問題があるのだろう。


「旋律が合ってるかどうかをチェックする部分が壊れてる、とかですか?」

「いいや、惜しい。そっちの機構は無事やねん」


 ヤ・タは鍵盤の前で屈みこむと、床に近い場所を手探りでごそごそと弄り回して、装置を覆っていた板を取り外した。

 手招きされて覗き込めば、床に並んだ小さなスイッチと鍵盤の間を、数十本の細いワイヤーが繋いでいるのが見えた。どうやら、床下を通じて金属管と連動しているようだった。


「前に鍵盤が壊れて、業者を喚んだんやけどな。連中、目印もつけんといきなりごっそり外しよったんや」

「えっと、それだと現状復帰できないんじゃ?」

「まったく、大ポカやがな」


 その業者は失敗を隠したまま、何食わない顔で適当にワイヤーを繋ぎ直して、いそいそと還ってしまったらしい。

 鳴っている音が以前と全然違うことに気付いたときには、もはや手遅れで。


「ま、後でこってり締め上げて落とし前はつけさせたんやけど、元に戻すんはどうしても無理や言うてな」

「それじゃあ、どうやって直すんですか」

「まずは、この壁画の裏にある機構を解析して、正解の手順を見つけ出さにゃならん」


 その上で、その手順に合わせて正しい音が鳴るように配線に手を入れていくのだ、と言いながら、ヤ・タは肩掛け鞄から丸めた紙を取り出して、床の上に広げた。


「これが旋律を判定する部分の機構や」


 縦に細長い装置の一番上に、小さな金属球を収める漏斗状の容器がある。その下には数十個の仕切りがあり、正しい鍵盤を押すことでボールが下へ下へと降りていくようになっている。間違った鍵盤を押した場合、装置の途中にあるボールは外に排出され、細い螺旋状のリフトで一番上の容器まで戻される。

 上手いことボールが一番下まで到達したら、最後の仕掛けが動いてめでたくクリア、ということになるらしい。


「ワイが裏側に回って動きを監視しとくさかい、ノッカくんは鍵盤を操作して欲しいんや」


 なるほど。ひとりでこなすには無理な作業だから、助っ人を呼んだということか。

 ……でも、さっきの感触からして、作業はもっと簡単にできそうな気がする。


「ほな、行くで」

「あ、ちょっと、待ってください」


 ランタンを手に鍵盤の下へ潜り込もうとするヤ・タを引き止めて、私は腰の金鎚(ハンマー)を手に取った。


    †


 目を閉じて、壁画に向かって軽く、金鎚を振り下ろす。


 ──壁画のすぐ裏側にあった空洞の中に、図面の通りの細長い装置が鎮座している。装置には無数の細いワイヤーとシャフトが取り付けられている。さすがに細部までは認識できないけれど、金属球の動きくらいなら判別できそうだ。


「行けます。大丈夫そうです」

「ホンマかいな。えらいいい耳を持っとるんやな……」


 半信半疑の様子ではあるものの、ヤ・タは鍵盤の下に潜り込んでワイヤーを引き抜き始めた。私の聴覚を利用するなら、金属管からの音は邪魔でしかない。

 一通りワイヤーを抜き終えると、彼は鍵盤の一番左端に爪を置いた。私はもう一度、目を閉じて集中する。


「ええか。始めるで」


 ヤ・タが順番に鍵盤を押していく中、壁画の向こう側でことりと音がした。手を挙げて知らせると、もう一度同じ鍵盤が叩かれる。


「あー、こいつか?」

「はい」

「ほな、二手目やな」


 小声で確認しながら手元の紙に記号を書き留めて、彼はまた鍵盤の端へと戻っていく。


 失敗したら一手目からやり直しになるために、手順が進むほど手間は増えていった。それでも、どうにか一時間ほどで正解の手順を完成させることができた。

 金属球が仕掛けの一番下まで到達すると、天井の一部に小さな穴が開き、そこから光が射しこんできた。


 ちょっと耳を使いすぎてずきずきと痛む頭を押さえながら、光の行方を追って壁画に目を向ける。

 王様が持つ白い旗に光が当たり、輝く太陽のシンボルが照らし出されていた。


「おおー……」

「ま、こんな感じや。お疲れさん」


 ヤ・タは図面を丸めて鞄に仕舞いこむと、今度は楽譜らしき紙を取り出した。


「順番が分かっちまえば、後は譜面通りに繋ぎ直すだけやし、ノッカくんはちょっと休んどき」


    †


 配線作業を終えて、もう一度音を鳴らしながら装置の動きを確かめて。

 上機嫌なヤ・タと共に迷路を戻り、「鍵盤の間」から円柱状の吹き抜けホールに入ると、床の一部が明るくなっていることに気がついた。


「ここにも、太陽の印ですか」

「ちゃんと仕掛けを解きましたよって証やな」


 残り三つの階層にある仕掛けも解けば、床が全面照らされて、最後の謎へと挑めるようになるらしい。

 仕掛けは日が変わると勝手にリセットされるようになっているらしく、私たちはこのまま上層へのリフトに乗るべく、階段を登っていく。


「通しのテストはまた改めて、でしたっけ」

「せやな。何はともあれ、これで再開の目処が立ったわ。ホント謝礼を弾みたいとこなんやけど……」

「いえ、また喚んで貰えれば」

「さよか? せやったら、今度はちゃんと指名させてもらうで」


 この塔には、他にも勉強になりそうな仕掛けがいろいろとありそうだし、割と秘密主義な人が多い罠師の先達との繋がりは大事にしておきたいし。

 階段を登り切った私たちは、もう一度吹き抜けを見下ろして。


「ヒ・ナィも、これでちっとは元気になるとええんやけどな」


 黒羽の鳥人は、期待を込めるようにぽつりと呟いた。

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